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七鍵~姫と七つの鍵~  作者: 夕闇 夜桜
プロローグ:入学式
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プロローグ:入学式


一人称では初連載なので、変なところもあると思いますが、よろしくお願いします


今回は鍵奈、京、三人称です




 春。桜舞う季節。

 とある学校の桜の木の下で、ある少女が立っていた。

 黒髪を(なび)かせて少女は目を閉じ、桜の木に手を当てている。


「きーちゃん」


 少女は呼ばれ、目を開ける。


「朝日」


 自身を呼んだ少女に目を向ければーー


「入学式、始まるよ」


 どうやら、時間が来たらしい。

 少女は木から手を離す。


「今行く」


 短くそう返し、少女の元へと駆けていった。

 桜は風に乗り、学校中を舞う。


 今では絶大な権力者となった錠前時家(じょうぜんじけ)

 少女たちが彼らに関わった時点で、彼女たちはその大きすぎる渦に巻き込まれている。


 風を感じ、黒髪の少女は振り返る。


「ーー……、」


 何を告げたのか。

 少女の声は風により、かき消された。


   ☆★☆   


 パタパタと二人で駆ける。

 今走っている理由は、新入生のための入学式と在校生のための始業式があるからだ。


「ギリギリね」

「本当だよ」


 二人してほっ、と安堵の息を吐く。

 教室に行き、席を確認。その後、全員で体育館へ移動の流れに従い、現在は体育館内にある新入生の席に着席中だ。

 ちなみに、席は五十音順のため、私たち二人の席は若干離れている。


(それでも、クラスが同じなだけマシか)


 と黒髪の少女ーーというか私、桜庭鍵奈(さくらば きいな)は内心思う。

 私の友人にして幼馴染、宮森朝日(みやもり あさひ)とは四席ぐらい離れている。


 さて、少しばかり、この状況について説明でもしようか。

 あ、説明する前提として、今現在私と朝日がいるのは、千錠(せんじょう)学園高等部ーーいや、千錠高校といい、その敷地内にある体育館というのを覚えていてほしい。

 それでは、千錠高校について説明しよう。

 千錠高校は初等部・中等部・高等部・大学部の四つからなるエスカレーター式の学校で、通う生徒たちそれぞれには、内部組と外部組がある。私や朝日、そしてもう一人の幼馴染は外部組である。

 そもそもエスカレーター式なら『高校』と付けずに、『学園』と付ければいいものを、千錠高校の『高等部』だけは何故か『高校』と表記されている。


 では、次に敷地内の建物について説明する。

 まずは教室(とう)。初等部一年から六年、中等部一年から三年、高等部一年から三年、大学部(四年制)と敷地に分けられ、各学年ごとの教室があり、運動場や部活動で使われるコートなどもある。

 教室棟とは言ったが、中等部以降には選択科目用の選択棟というのが使われるようになり、大学部に入れば、研究室に入ることも可能となる。

 そして、職員棟。初等部から大学部までの教職員が使用し、一般的な職員室があるのも職員棟(ここ)であるのだが、放送室などもこの棟にあり、そこに今私たちがいる体育館や武道館(柔道部などが使用)、プールなどが加わるわけだ。

 これだけ説明すると、どれだけデカく広いんだ、と尋ねたくなる。


 マイクから発せられるキィィンという音で、ようやく始まるらしく、会場は静まり、そして、数分後には入学式が始まった。


   ☆★☆   


 校長や来賓の人たちからの祝いの言葉が送られ、新入生代表と在校生代表の挨拶が行われる。

 そこで、在校生代表の顔を見て、「お?」と私は思った。


「在校生代表、岩垣巡(いわがき めぐる)


(ここでも生徒会長とはご苦労様だね、岩垣先輩)


 私はそう思いながら、代表挨拶を聞き流す。

 在校生代表である生徒会長、岩垣先輩からの挨拶が終わると、各クラスの担任紹介があり、時折上級生(せんぱい)たちが担任紹介になる度に男女ともに黄色い声(主に女子生徒)や悲しい声(主に男子生徒)、歓喜の声を上げ、学年主任となった教師や教育指導の教師に怒られていた。

 ここ、千錠高校は美男美女の教師がやや少なめであり、そのせいか否か、生徒たちにとっては担任により、その一年をどう過ごすかが懸かっていたりする。


(まあ、私にはあまり関係ないし)


 ちなみに、私たちの担任は格好いいとはいかなくとも、生徒たちからの信頼や人気は高く、一部の生徒からは「そんなぁ~」という声が出るほどの人気っぷりのある先生だった。


   ☆★☆   


「きーちゃん、大丈夫?」

「大丈夫……」


 朝日が尋ねてきたため、何とか返す。

 入学式終了後は凄かった。新入生たち相手に、上級生たちが必死に部活の勧誘をしていたのだ。

 勧誘作業の開始、早くね? とも思ったが、すでに解散しているところもあれば、哀れかな、先輩方の餌食になった新入生組も居た(私たちもなりかけたが)。

 千錠高校では特に部活の所属を強制していない。だからなのか、帰宅部組が多いのだがーー


「私は部活に入れんのに……」

「確かに、きーちゃんは自転車と時折電車だもんね」


 朝日が苦笑しながら言う。

 なお、先程も言ったが、千錠高校はエスカレーター式で内部組と外部組があり、私と朝日、もう一人の幼馴染は外部組である。

 そのためなのかは分からないが、外部組である私たちは目立ち、内部組の生徒たちからはそれなりに注目されていた。


「ねぇねぇ、貴女たち外部生でしょ? どこから来たの?」


 と、最初は興味を持って聞いてくる子もいたのだが、私が聞いてきた子に対し、


「あー、中学のことはあまり話したくないんだ」


 と言ったため、結局、自己紹介みたいな好きなものや嫌いなものなどを言い合うだけになってしまった。

 朝日も朝日で、私に合わせているわけでなく、彼女自身にも理由があり、朝日も中学の名前などを言うことは無かった。

 そんな私たちの元に、一人の男子生徒が近づいて来る。


「よっ、二人とも」

「あ、京くん」

「久しぶり、南京錠」


 男子生徒の顔を見て、私たちはそれぞれ返す。


「久しぶり、朝日。つか、鍵奈。南京錠言うな。いや、懐かしいけど。俺は南條京(なんじょう けい)だって何回言えば分かる」

「挨拶とノリツッコみ、ご苦労様」


 男子生徒ーー南條京は私と朝日の幼馴染であり、先程から二度ほど言っていた私たちと同じ外部生である。出身中学も同じで、ほとんど固まって行動していたと言っても良いほど、朝日を含め、三人一緒に居た……のだが、実際、セットで扱われていたと言った方が正しい。

 そんな京の言葉に、私は誉めてるのか貶しているのか、冷やかすように返事をする。

 でもまあ、ちゃんと反応してくれるから、こちらもからかいたくなるのだが。


「でも、京くんも同じクラスかぁ」

「つか、受かって良かったわね」


 しみじみと言う朝日に、私は辛辣な言葉でそう返す。


「ちょっ、きーちゃん。そんな事今言わなくても……」


 朝日は咎めるが、私はジト目で京に言う。


「誰だっけ? 千錠(ここ)に受かりたいから勉強教えろ、って言ったのは」

「「はい、すみません!」」


 私の言葉に、朝日と京はすぐに謝った。

 二人とも、それなりに頭は良い方なのだが、苦手分野ばかりはどうにもならないため、二人の苦手分野に関しては、私が教えていた。


「まあ、せっかく同じクラスになったんだからよろしくね。京」

「……ああ」

「嫌ね。何も頼み事はしないわよ。何も、ね」


 私が笑顔で挨拶するが、京は何を思ったのか数歩下がる。

 そんな京を見て、何もしない、と私は笑顔のまま補足しておく。


「きーちゃんが京くんの名前をちゃんと呼ぶときは、何かあるときだからねぇ」


 と朝日は苦笑いしながら言う。


「でも、きーちゃん。虐めるのはそこまでにしときなよ」


 そろそろ助けないと京が可哀想だと思ったのか、朝日が私に声を掛ける。

 私も私でそれもそうね、と席に着くのだった。


   ☆★☆   


 朝日のおかげか、席に戻った鍵奈を確認して、自分も席に戻れば、タイミングを見計らっていたのか、その様子を見ていた一人の男子生徒が俺に声を掛けてきた。


「なあ、南條」


 入学式が終わり、教室へ移動中に話していた奴だ。

 確か名前はーー


「何だ、木戸か」


 木戸真尋(きど まひろ)


「あの二人とはどんな関係だ?」


 木戸の質問に女子たちも気になるのか、視線だけ寄越してくる。

 実は、内部組では鍵奈たちはちょっとした噂になっていたりするらしい。

 やれ可愛い子が入って来ただの、やれ美人な子が来ただのという具合に。

 それを木戸からこっそり教えられた俺は溜め息を吐いた。


(見た目だけなら同意したいが、片方の中身はそうでもないんだよな)


 鍵奈たちを見ながらそう思う。


「あの二人は……」

「あの二人は?」


 ()を溜め、俺は答える。


「幼馴染だ。片方は近所付き合いだがな」

「幼馴染、だとっ……!?」


 木戸が衝撃を受けたかのように、何やらショックを受けている。

 ちなみに、近所付き合いしている幼馴染は鍵奈の方である。

 それに、俺たちの付き合いは、俺と朝日の兄と鍵奈の姉が一緒に居たため、自然と俺たちも一緒にいるようになっただけだ。

 決して、鍵奈と朝日以外に友人がいないわけではない。


 ……。

 …………。

 ………………。

 あれ? 本当にそうか? 何か不安になってきたぞ。


 ふと視線を感じ、目を向ければ、木戸は何とも言えない目を俺に向けていた。


「一体、何なんだよ」


 そう聞けば、キッと睨みつけるようにして、木戸を筆頭に教室内の男子たちが俺を見てくる。


「このリア充め! 爆発しやがれ!!」


 そう言って、うわーん、と木戸は教室を出て行った。

 何で爆発しろ、なんて言ったのか知らないが、言った木戸(張本人)がいなくなってしまったため、聞くことも出来なかった。


 そもそも何故その言葉を知っている。

 仮にも金持ち校の生徒だろうに。


(いや、それ以前に……)


 教室内の男子生徒(クラスメート)たちからは、木戸と同じ目が俺に向けられていた。

 騒ぎに気付いたらしい鍵奈たちも俺の方を見ており、朝日はこの騒動の理由が分からないのか、首を傾げていたが、鍵奈は笑みを浮かべていた。


(鍵奈の奴……)


 分かっていながらの笑みなのだろう。数秒後には再び朝日と話し始めていた。


   ☆★☆   


 俺たち三人がようやく解放されたのは、その数分後だった。

 途中で教室を出て行った木戸が示した反応の理由を本人不在の間に、あいつと同じ内部組から聞いた俺は、溜め息を吐いた。

 どうやら木戸は『異性の幼馴染』という言葉だけで、よくある物語的な何かを期待していたらしい。だが、残念ながら、俺にはその経験も無ければ、物語的展開を起こしてやろうとも思わず、話を聞いた鍵奈たちも似たような反応だった。

 それを話し終えてからの解放であり、後は部活を見て回るも良し、帰るも良しの自由だ。


「そういえば、二人は今日、何で来たんだ?」


 俺は尋ねる。

 ちなみに俺は自転車である。


「私は徒歩だよ」

「私は徒歩、自転車、徒歩、電車だよ」


 前者は朝日、後者は鍵奈だ。


「いや、鍵奈。お前、どこまで行く気だよ」

「実家?」

「いや、聞かれても困るんだが」


 軽く首を傾げて言う鍵奈だが、俺は即座にツッコんだ。

 なお、鍵奈のいう実家とは、鍵奈の両親の(・・・)実家であり、本家のことである(何の本家かは言わないが)。


「うそうそ、自転車だよ。まあ、徒歩でも良いんだけどね」

「おい、いくら俺でも、あの距離を徒歩で通学しようとは思わんぞ」


 鍵奈の言葉に俺がマジかと言いたそうに返してやる。


「え、桜庭さんたちの家って、どの辺なの?」


 話を聞いていたのか、女子の一人が尋ねる。

 そりゃ、あんな説明されれば、そう聞きたくもなるだろう。


「駅なら二駅くらいかな」

「え、なら徒歩より自転車の方が……」


 クラスメイトたちが心配そうに見てくる。


「いや、大丈夫だよ。中学よりは近いから」

「え」


 あれだけ聞かれるのを嫌がっていた鍵奈が、自分から中学の事を話したことに俺は驚いた。

 だが、クラスメイトたちは、どれだけ離れた中学に行っていたんだ? と言いたげに鍵奈たちを見ていたため、俺は溜め息を吐いた。


「じゃあ、自転車取りに行くか」

「私、校門辺りにいるね」


 俺の言葉に鍵奈が頷き、朝日が校門で待っていると言うがーー


「ちょい待ち。朝日」


 鍵奈が止める。


「あんた、上級生たちの合間を抜けられる自信、あるの?」

「あ」


 鍵奈と二人して溜め息を吐く。

 今現在も部活勧誘は続けられているだろう。絡まれていたら、助けはするが、時間が掛かる可能性もある。

 しかも、特に部活勧誘に燃える上級生たちが入学式終了時よりも外にいるだろう。

 朝日を一人で行かせても大丈夫だろうが、俺たち二人が不安になるのは彼女の兄の影響かもしれない。

 鍵奈は携帯を取り出す。


「呼びたくないなぁ」

「いや、出したなら呼べよ」


 鍵奈の嫌そうな感じにどうしたものか、と溜め息を吐く。

 まあ、誰を呼ぶ呼ばないなのかは、あえて言わないが。


「朝日、一緒に来る?」

「ううん、昇降口の方で待ってるよ」


 鍵奈の言葉に朝日は即座に否定した。


「…………うん、そうだね。じゃあ、少しだけ待ってて」


 こういうのを分かった上での付き合いだ。

 空いた間から察せられるように、内心落ち込みつつ、鍵奈と共に自分たちの自転車を取りに行った。


   ☆★☆   


「おぉう、期待は裏切らないのが朝日だよね」


 鍵奈はどこか感心したかのように言う。

 目の前には昇降口があるのだが、そこに居るはずの朝日が見当たらない。

 というか、いない。


「朝日ー? どこー?」


 鍵奈が朝日を呼ぶが、当然、返事はない。


「宮森さんなら、上級生に校舎内へ連れて行かれたよ」

「え゛っ」


 昇降口で靴を履き替えていた同級生(内部組、教室で鍵奈たちに話しかけてきた女子生徒)が苦笑いしながら言う。

 それを聞いて、二人は顔を引きつらせる。


「言った側からこれか」


 京は溜め息を吐いた。

 上級生、ということは部活勧誘かもしれない。

 全く、と鍵奈が携帯を出し、朝日に電話をする。


「もしもし、朝日? 今、昇降口前なんだけど」


 鍵奈が簡潔に言えば、朝日からは「ああ、ごめんねー」と返ってくる。


「待ってるから、早く来なさいよー」


 鍵奈はそういうと携帯を切り、ポケットにしまう。


「何だって?」

「ごめん、だってさ。まあ、ここで待ってるとは言っといたから、そのうち来るでしょ」


 京の問いに鍵奈はそう答えた。






 朝日が来たのは、鍵奈が連絡してから十五分経った後だった。


「二人とも、ごめんね」

「いや、気にするな」


 謝る朝日に京が宥める。


「まあ、予想通りだったからいいよ」

「ちょっ、それは酷くない?」

「酷くない」


 鍵奈の言葉に、朝日がやや不機嫌そうに聞くが、鍵奈は否定する。

 そんな二人のやりとりを見ていた京が付け加える感じで言う。


「つか、鍵奈と朝日が絡まれない方がおかしい」

「京くん」

「それは言い過ぎ」


 それを朝日と鍵奈が反論する。


「じゃあ、帰るか」


 京に二人は同意し、校門を出る。


 そして、そんな三人を校舎内から見ていた人物がいたのだが、そのことに三人は気付かなかった。


   ☆★☆   


 シャーと自転車で自宅までの通学路を駆ける。朝日とは途中で分かれた後だ。


「京」

「何だ?」


 家が近づくにつれ、鍵奈が京に話し掛ける。

 そんな鍵奈に訝しみつつ、京は尋ねる。


「制服、似合っている」


 鍵奈の言葉に京は目を見開き、自転車を()いでいた足が止まると、それに気付いた鍵奈も足を止める。


「どうしたの?」


 と鍵奈が首を傾げて聞けば、「あ、いや……」と京は(ども)る。


「……まあ、さっきみたいなこと、朝日に言ってもらいたかったでしょー」


 くっくっ、と笑いながら、冷やかすように付け加えれば、京は何とも言えなさそうな顔で鍵奈を見る。


「お前ーー」

「でも、本心だよ」


 鍵奈は顔を見せずに言う。


「中学の時よりも似合うと、私は思ってるから」


 そう告げると、鍵奈は京を追い越し、先に行く。


(ああもう!)


 鍵奈は内心、パニックになっていた。

 入学式終了と同時に仕事のため、会社に戻ってしまった両親に、実家の件で本来なら来るはずだった姉も今は家にはいない。

 だから、らしくもなく、京を誉めたのだろう。


「鍵奈」

「何?」


 いつの間に追いついていたのか、今度は京が話しかけ、鍵奈は視線だけ向ける。


「その……お前も、似合っていると思うぞ」


 恥ずかしいのか、視線を逸らしてはいるが、誉めてはいるらしい。


「……あ、うん、ありがとう」


 鍵奈は礼を言う。

 だが、誉められて嬉しくはないはずはなくーー






 鍵奈は家に着くまで、珍しく顔を赤くしつつも笑顔だった。


(まあ、何とかなったようだな)


 そんな鍵奈を見て、京は安堵すると同時に驚いてもいた。

 てっきり、「誉めても何も出ないわよ」、と返されるかと思っていたのだ。

 そして、ふと思い出す。


「あと、母さんから伝言があったんだ」

「何?」

「今日の夜、一人なら(うち)に来いと」

「ん、分かった」


 これは、いつものことで、鍵奈が一人の時は危険だから、と京の母親が自宅に招いたことが始まりである。

 とは言いつつも、基本的に食事だけ南條家で世話になっている程度であり、食事が終われば、鍵奈も自宅に戻り、後は寝るぐらいだ。

 京の伝言に頷き、鍵奈は自宅に着くと、定位置に自転車を置いて、中に入る。

 鞄をソファーに置いた後は、そのまま台所に向かって、冷蔵庫の中を見る。


「うん、大丈夫かな」


 中身を確認し頷くと、そのまま冷蔵庫を閉じる。

 その後、自室に移動し、制服から私服に着替えると、京に自身の夕飯が必要ないことを告げ、自宅で夕飯の用意を始める鍵奈だった。






 さて、夕飯と入浴を済まし、鍵奈は寝る用意をする。


「明日から授業か」


 姉と同じように千錠に来たが、それで良かったのかと、ふと疑問が浮かぶ。


「大丈夫だよね。朝日たちもいるし」


 そう言い聞かせ、鍵奈は眠りについた。


読了、ありがとうございます


誤字脱字報告、お願いします



前書きにもありますが、一人称は初めてです



次回は鍵奈視点

時間は過ぎて、入学してから一ヶ月後になります



それでは、また次回



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