CHAPTER,4
―――――お主の職業は?
目の前に五つの選択肢が現れる。
攻撃職、防御職、魔法職、回復職、生産職の五つである。
就いた職によって上がりやすいスキルが違うらしい。
僕は迷わず回復職を選択する。
何故かって?
これも消去法だよ。
盾役はやりたくないし、魔法使いにも生産系にもならないときたらもう攻撃職か回復職しか残っていない。
攻撃職はやる人も多そうだし、回復職は職そのものがスキルのレベル上昇率に一切関係しない代わりに【回復】という魔法スキルを覚えることができる。因みにこの職に就かない限り、このスキルを覚えることは出来ないらしい。
―――――ではお主の武器は?
ぼけっとしていると、ホログラムが選択肢として浮かび上がる。
僕、ぼけっとするのは得意なんだ。
選べるのは、剣、槍、杖、斧、弓、ナイフ、刀の七つからである。
何で剣があるのに刀があるんだとかはきっと気にしてはいけないのだろう。
僕は刀を選択する。
だってなんかかっこいいだろ?
―――――ではお主のスキルは?
きたっ!公式サイトを見てから少し楽しみにしてたんだ(´∀`*)
…………うん。慣れない顔文字とかを使うのはやめよう。僕がやるとなんかキモいわ。
そんなことを考えていたら、ズラ――――――――――――――ッと選択肢が僕の目の前に浮かび上がる。
あることあることその数なんと七百七十七種。ページだけで七十七ページもある。
おやっ?ちょっと目眩が……。
まぁ良さげなスキルは公式サイトに載ってた分で見つけてあるけどさ。
流石に公式サイトには七百七十七種類も載ってなかったよ。
【刀】は必須だよな。初期武器は刀だし。
それから【魔力】と【魔力操作】は何と無く一緒に取っておいたほうがよさそうだな。
えーっと後は【素手】と【足技】!
格闘技っぽい動きができるかもしれない!! さり気無くぼくの憧れだったりする。
五つ選択し、スキル選べを終了する。
―――――では最後に、これがお主のUSじゃ。
おぉーっなんだろうっ!ちょっとテンションが上がる。
どんなのだろう。なんかすっごく強いスキルが来ちゃってチートとかになったりしないだろうか。
……なんてことを考えてた時期が僕にもありました。
一人浮かれていた僕の目の前に文字が浮かび上がる。
―――――【魅了】―――――
PC,NPC,モンスター問わず、
そばにいる者をその魅力で誘惑し、従える。
―――――――――――――――――
……………………。うん。
これ本当にランダムで決まってるんだよな?
じゃなかったら決めたやつ殴り飛ばしたい。
だってこんなのもうほぼネタスキルじゃん。 【魅了】って……。
もう……いいや…………。諦めよう。
ふと時計を見るともう午前一時を回っていた。僕は何だか釈然としない気持ちのまま、今までのデータを保存して、ログアウトした。
内容に変化はないですが、多少文体を直しました。