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SevenSevenceOnline  作者: あんじゅ
第二章:剣士(ヒーラー)は恐怖の館で何を思う
31/38

CHAPTER,30




そのお互い赤らんだ頬のまま、僕たちは気恥ずかしさを紛らわすように解読作業を始め…………はしなかった。というか、出来なかったのである。


♪〜♪〜♪


「! この音は……クエストコール?」


ハッとして顔を上げたマルが目を丸くする。


そうだ。このメロディーは初日に聞いた……。



クエスト名:どきどきっ!肝試し?

依頼者:ーー

クリア条件:ーー

報酬:順位により異なるが参稼報酬あり

内容:夏!ということで、皆さんを恐怖の館へ七日間ご招待します!ポイント制で、ポイントは各々の行動を換算していく形になります。参加はソロかパーティか選べますが、総合一位を目指すならパーティの方が有利かも……?

開催は一週間後です!

注意:館には、スキルショップはありません。事前にお買い求め下さい。



おおう……。い、色々ツッコミたい……!タイトルがなんか古いわ説明が大雑把だわ肝試しっつてるけど恐怖の館へご招待しちゃったらこれもうハロウィンじゃないのか?!!とか……!!!

ちらりと横を見るとマルもわなわなと震えている。

うんうん、そうだよな、ツッコミどころ満載だもんな……!


「おおう!!!なんてナイスタイミング!!!ね!ね!お兄ちゃん!一緒に参加しよ!!!」


マルがガバッと顔をあげて目を輝かせる。っておい、ツッコミはないんかい。


「いや、別にいいけどさぁ。……ん?ってかマル、お前は自分のギルドの人と行かなくていいのか?」


僕は元々ソロだから別に誰と行くとかないからいいんだけど、マルは自分のギルドとかパーティの人がいるはずなんだよ。ちゃんとパーティの人に声をかけてからじゃなくていいのだろうか。


「大丈夫だよ!うちのギルドにはちゃーんとマルの事わかってる人がいるもんね!!マルがお兄ちゃんと一緒にいる時点でこんなイベントがきたらこうなる事くらい絶対わかってる!!!」


謎のドヤ顔である。


「まぁ、うん。わかってる人がいるならいいんだけど……うーん」


理解者がいるのはまぁ良い事だもんな。


「もーう!そんなに気になるなら明日会ってみる?」


「ええっ、明日?!」


そんな唐突な。無理だろ無理無理。でも…………でも、気になるなぁ、妹がお世話になってるわけだし、挨拶とか、しておきたいよなぁ……。


「大丈夫!うちのギルド女の子しかいないから!」


うっ、流石妹。マルってこういうとこズカズカくるよな……。家族故だなぁ………………故だよね?


「……歳は?」


「マルが過ごした感じだと、比較的若い子が多いかな。高校生から大学生が殆どだと思う」


マルがそう言うのなら、きっとそうなんだろう。マルはこういうところで嘘をつく子じゃないし。


「じゃあ、そっちの都合が悪くないなら明日会ってみるよ」





何故かやったね!!!とニヤニヤするマルと別れ、宿に戻った。うーん、あの顔は何か企んでる顔だったなぁ。


ボフッと枕に顔をうずめてウトウトしながら考える。


あー、この枕ふかふかしてる。ホントふかふかしてる。因みに僕は今はじまりの街にいた時に泊まっていた宿の二号店に泊まっているのだが、あっちのもふかふかしてたけどこちらも中々……。

…………。ここに、この世界に来て何日が経ったんだろう。空白の、何もない時間がくる度そう考えてしまう。一応数えてはいるんだ……そう、僕たちがこの世界に来てから十二日が経った。凄い長い間いるような気も、まだこれだけしかいないような気もしてくる。でも、僕らは確かにこの世界の生活に慣れ始めているのだ。街を見てみても、モンスター狩に精を出すものや、NPCと仲良さげに話すもの、そしてゲーム攻略を着々と進めていく攻略組が目に入る。どんな形であれ、彼らがこの世界に馴染んでいるのは疑い様もない事実だった。これが良い事なのか、はたまたこれではいけないのかは僕にはわからないけれど、何故か、僕は悲しくなってしまった。


騎士(ナイト)に会いたい。


ふと、そう思った。そういえば、向こうの世界では落ち込んでる時はいつも騎士(ナイト)が側にいたっけ。

あれ、そういえば僕、いつから騎士(ナイト)と一緒にいるんだっけ?


ピロン♪


思考を邪魔するように、フレンドコールが、鳴った。


ーーもしもし、タカ。


やっぱりナイトだ。噂をすれば何とやらってやつか……うーん、タイミングの悪い奴め……。


ーー何だ?


ーーあのさ、今お前第二の街にいるんだろ? 近いうちにまた会わないか? 出来れば、明日にでも。


ーー明日?!!本当にタイミング悪いな!!!


ーーえっ?


思わず叫ぶとナイトが間抜けな声を出した。


ーーあ、うん、こっちの話。明日かぁ、でも明日はマルと会う約束が……。


ーーわかった、じゃあマルちゃんに了承とってくる!

……お休み、良い夢を。


そう言ってフレンドコールは切れた。相変わらず行動力あるなぁ。


因みに次の日の朝に、ナイトから「ちゃんとマルちゃんからオッケーもらったぞ!!」という報告が入るのは言うまでもない。

一ヶ月ぶりになろうに来ました……。放ったらかしにしてて読んでくださってる方に申し訳ないです。


不定期更新ですけど月一ではちゃんと更新しますから……!

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