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SevenSevenceOnline  作者: あんじゅ
第一章:黒髪の女(?)剣士(ヒーラー)とはじまりの街
20/38

CHAPTER,20

お気に入り件数200件達成!念願の!200件台です!

どうしようか嬉しい!!

目を覚ます。普段と違う布団の感触に違和感を感じて、それからまた此処がゲームの中である事を思い出した。


「まだ慣れないなぁ……」


あの日から毎日これだ。もうあれから四日で、そろそろ慣れてもいいと思うのに、体は中々慣れてくれない。

布団の中でゴロゴロしながら、僕は今日の予定を思い出していた。


えーっと、まず完成した装備品達をニールの所へ取りに行って、それから確か九時にナイトが迎えにきてくれるんだったよな……。

…………今、何時だ?


部屋の隅にかかっている時計をちらりと見やる。この宿は全体的にアンティークな雰囲気で、例に漏れず時計もアンティークだった。


現在の時刻、午前八時二十二分。


………………どんっだけ寝てたんだよ僕は!!!

後約三十分でナイトが迎えに来てしまうじゃないか!!

やーばーいー!!やばいやばい!!まだ装備品を取りに行ってもいないのに!……ってか装備品本当に完成してるのかなぁ。


これまたアンティークな洗面所でささっと顔を洗って僕は宿を飛び出した。





「おはようっ!」


工房(アトリエ)に入るとすぐに明るく声をかけられる。余談だが、この工房(アトリエ)の名前は『魔王の(サタン's)加工場(ファクトリー)』。ごめん、ちょっとわからない。主にメルティのセンスが。


「おう、おはよう。

あの……急かすようで悪いんだけど……」


「装備品のことだろ?もう出来てるよーそこに置いといたから」


メルティの指差す先を見ると確かにそこには装備品があった。


「……速いな」


思わず漏らせば、メルティはふふん、とばかりに得意げにその大きな胸をはった。


「さっき完成したところなんだよ。

ほら、ニールなんてそんな所で寝ちゃってるし。睡眠時間が保たなかったんだろうね」


ソファに寝転がっているニールを見ながらメルティが言う。……なんかすみません、お疲れ様でした。


因みに睡眠時間とは、これまたこのゲームのシステムの一つで、最低でも三時間はログアウトor寝る時間がないとバッドステータス【寝不足】になってしまうというものだ。このバッドステータスが出ると、デスペナルティの時と同様に能力が低下する。ここでデスペナルティと唯一違うのは、このバッドステータスは、三時間ログアウトor寝るまでなくならないところである。

ゲームを一日中やり続ける人が出ない様に、という製作者側の配慮だが、このバッドステータスはくらうと非常に厄介らしい。

ぼやくマルに「そんなになるまでやるな」と、お説教をしたのはまだ記憶に新しい。


「さぁ、たーくん!」


「たーくん言うな」


ガバッと両手を広げ立ち上がるメルティにぴしゃりと言い放つ。


「良い出来だろう?是非ともご褒美グバッ」


飛びかかろうとして来たメルティの頭に例の金属製のハリセンがクリーンヒットする。


「あれ?ニール……起きてるのか?」


ハリセンを持つニールを見るが起きている様子はない。寝て……るのか?


「あら嫌だ、寝ているのに私の行為を察知して攻撃を…………?!!

なんて恐ろしい子!!」


メルティが叩かれた頭を押さえながら何やら呻く。


「いくら非戦闘エリアでの攻撃でHPが減らないからって心が傷つかないわけじゃないんだぞ!」


ぶつくさ煩いので無視して着替えようと思う。


ここはゲームの世界だから、着替えは凄く楽だ。アイテムボックスの欄から、身につけたいアイテム(装備品)をタッチするだけでいい。勿論、現実と同じ様に直接着る事も出来る。


僕は面倒なのでアイテムボックスから着る事にした。


肌触りの良い肘上まであるフィンガーレスの長手袋はメリージェーン型のパンプスと同じ黒色で、脇のザックリとあいたノースリーブのつなぎは綺麗な藍色だ。

僕の注文通り動きやすそうで……えっと、夜間に目立たなそうな色だね?まぁ別にそこには文句はないんだけど……


「なぁ、あの……つなぎの胸元にフリルがあるのが凄く気になるんだが……」


そう、胸元のフリル。僕は男だ、と確かに伝えたはずなのにこれとは一体どういう事なんだろう。


困惑顔で床に転がるメルティを見れば、にっこりと笑われた。


「たはは、もし性別の事云々で気にしているんだったら大丈夫だよ。

そのフリルはニールの趣味でね。ほら、ニール自身の着ているシャツの胸元にもあるだろう?」


いつの間にか仰向けになっていたニールの胸元を見て納得する。

確かにフリルがついてるわ。しかも僕が着てるのよりも盛大に。……なんで昨日初めて会った時に気づかなかったんだろう。

まぁ僕としては、元々性別云々がないならどんな服でも構わなかったので、言われた通り気にするのはやめた。


「じゃあ僕はもう行くから。待ち合わせをしてるもんでね。

ニールには"有難う"って伝えといて」


そう言って急かせかと帰ろうとすると、背後で焦った様な声がした。


「ちょっ、たーくん武器はっ?!!」


全く、たーくん言うなって何回言ったら……………………あっ。

活動報告にてニール君視点の小話を投稿しました。お暇な時に読んでくださると僕が喜びます。

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