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 【あなたは運命を信じますか? 偶然 必然 そして 運命 を


 その道は 誰かに 作られたモノ。 その横には あなたが作った道がある。

 そちらに進もうとも誰もあなたを咎めはしない。あなた自身が決めた事だから


 あなたのその道を進む 勇気はありますか? 】




「兄ちゃん、助かったよ。また頼むよ」

 笑顔を振りまき、男は手を振って去っていった。

「オレはもう、ごめんだけどな」

 フェイはうんざりした顔で、踵を反し、歩いていく。

 おもむろに懐から出した袋を耳に寄せ上下に振ると、小銭の軽い音がする。

「宿に泊まるお金もないし、どうすっかなー」

 フェイは一人、愚痴をこぼしながら、袋を2,3回上げては落とし、袋を懐に戻した。

 少し考えた挙句、行動に移した。

 フェイが訪れたこの国の名前はアーバン。そのアーバンの中央に構える大きな木に向かう。新たに自分を雇ってくれる人を探すために。

 フェイは肩より短い紅い髪と薄茶色の左目。右目は眼帯に覆われている。身長が高く、若くて、中性的な顔をしていた。

 今は雇い主を探しながらいろんな街を旅している。自由気ままな旅だ。

 すべての雇い主には性別を偽っている。男性と思われた方がこういう旅ではいろいろと得だからだ。男というのは女に守られるのが癪のようだ。それが男のプライドというものなのだろう。

 フェイにとっては厄介だったのだ。雇い主にはいろんな奴がいる。農作業を手伝ってくれとか彼女にプレゼントを渡してくれだの、探し物を一緒に探してくれだの、様々な依頼が。

 たまにしかお金になる仕事はない。

 さっきまで雇われていた男はお金がないと言い、少ない雇い料でこの町、アーバンに送り届けてくれということだった。何かに追われているでもなく、ただ、ここまで送った。

 あの男はお金がなかっただけなのだ。お金を持っていそうな奴を捕まえて、自分のお金はあまり使わずに目的の場所まで行く。

 それにひっかかるオレもどうかと思うが。

 そのために、懐にたんまりあったはずの自分のお金はほとんど食いつぶされてしまった。次はいいカモを探したほうがよさそうだ。

 でなければ、こちらが破綻してしまう。実際、今日の昼食代も出ないのだから

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