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魔法を使う者  作者: 優姫
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魔法を使う者

その頃ミルオン城ではマリアが消えた事に侍女達は慌ただしくしていた。

謁見の間ではカルオ・ユリアス・ロシュが話しあいをしていた。

「マリアが消えたとはどういうことだ!!!」

そう叫んだのカルオにロシュは。

「まだわかりません。1~2時間ほどマリアの傍を離れていましたらマリアが部屋から消えていまして。侍女達に城の中を探させましたがどこにもいなく、国全体を魔力で探しましたが。マリアの気配がどこにも見当たりませんでした。もしかすると、結界を張る前にサギネル国の者に誘拐されたのかもしれません。」

「「されたのかもしれません」では解決したうちには入らないのだぞ!! 自分の妻一人守れぬ男が国1つ守れるのか!!」

ロシュの後に叫んだのもまたユリウスだった。ユリウスは両手を握りしめながら立ちあがりロシュを睨みつけていた。

「申し訳ありませんが、今は言い争いをしている時間はありません。早く・・・早くマリアを助けなくてはなりません。それでは私はこれで。」

ロシュはそう言うと席を立ち踵を返し扉から部屋を出て行った。

「父上・・・・お願いがあります・・・・」

ロシュが出て行った方を見つめたままユリウスは後ろの席に座っているカルオに問いかけた。


カツ、コツ、カツ、コツ

暗い廊下をムールとウィリアムが歩いていた。

今しがたマリアに催眠術をかけてきたとろだ。

「これで良かったのですか?ムール様」

「何がですか?ウィリアム様」

ムールはウィリアムの問いに応えるべくその場で立ち止まり後ろを振り返った。

「今は催眠術で寝かせている状態ですが。あなたはさっき仰っていましたね、「ロシュを抹殺してマリアと結婚する」と、ですが私が見たところマリア様はロシュを抹殺しても悲しみが増えるだけであなた様とは結婚しないと思われるのですが・・・もし、結婚することがお望みなら私がマリア様の部屋へ戻りロシュ様でも解けぬ魔法がひとつありますのでそれをおかけしましょうか」

「ロシュ・ゾーンでも解けぬ魔法?」

「はい。人の心を闇が蝕み術をかけた者の意のままに操る事ができる魔法、その魔法をかけマリア様をミルオンに返しマリア様の口からロシュに別れを告げさせ、その後マリア様にかけた魔法を解けばロシュは自分を嫌いになって城を出て行かれたのだと勘違いしてロシュの別れを受け入れるのではないでしょうか。ロシュ抹殺はその後でも良いのでは?」

それを聞いたムールは一瞬目を見開いたがすぐに下を向きフフっと笑い。

「さすがは私が召喚した悪魔だな、あの魔王の息子より悪魔に近しい存在だ。」

「お褒めにいただき誠にありがとうございます。」

ウィリアムはそう言い胸に片手を当てムールに礼をした。

そしてその場を後にし、今まで歩いてきた廊下をまた戻って行った。


マリアはその頃ベッドで眠っていた。

(・・・リア?マ・・・ア?マリア?どこだ!?)

(誰かが私を探してる・・・?誰?あなたは・・・誰なの?)

(マリア・・・どこにいるんだ・・・。俺のマリア・・・幼い頃守ると決めた幼い姫君・・・マリア・・・どこにいるんだ!?お願いだ・・・返事をしてくれ!マリア!)

(私は・・・ここよ。私はここにいる。はやく・・・助けにきて・・・ロ・・・シュ・・・様・・・)

マリアがロシュに手を伸ばそうとしたら目が覚めた。

「おはようございます。マリア様・・・と言っても、先ほどあなたを寝かしてからあまり時間はたっていないので今はまだ夜ですけどね。」

「・・・何かまだ御用がおありなのですか?」

マリアの問いに答えずウィリアムは何か呪文を唱えた。すると紅い光が飛び散り、ウィリアムの手には杖が現れた。

「・・・何をなさるおつもりですか・・・」

ウィリアムが杖を出したところを見て何か魔法を唱える事を悟ったマリアはウィリアムを睨みつけた。

それでもやはりマリアの質問には答えず、ウィリアムはマリアの額に指をあてた。するとマリアの身体が金縛りにあったように動かなくなってしまった。

そして杖を掲げ呪文を唱え始めた。

その後マリアの目の前は真っ暗になりまた眠りについた。

「・・・さて、どう出る?ロシュ」


その頃ミルオンでは、魔王召喚に使った塔の部屋でロシュは床に魔法陣を描き呪文を唱えていた。それは前に魔術師達が魔王召喚に扱った呪文だった。

ロシュが呪文を唱え終えると黒い煙が現れ、煙が消えたらその中にはロシュととても外見のそっくりな年齢は20代前半ほどの男性がそこに立っていた。

『どうした?ロシュ。』

「父上、最近魔族で誰か行方不明になってはいませんか?」

『行方不明?・・・あぁ、ウィリアムが突如姿が消えたという話は聞いたな。だがあやつはお前の1つ下にあたるほどの魔力を持つ者探索なんかせずとも勝手に自分から帰ってくるだろうと公にはしてはいないのだが?』

「ウィリアムが・・・」

『どうかしたのか?』

顎に手を当て考えこんだ息子を見て心配した魔王は王子の前まで歩み寄り質問した。

「・・・どうやら敵国のサギネルも悪魔召喚を行ったようなのです。そして・・・、そして、マリアが何者かに誘拐されました。」

『なんと!?まことか!?探したのか?』

「いえ、まだです。しかし目星は付いているので・・・」

『・・・ロシュよ。これを』

そう言い魔王が手を前に差し出すと手の上が紅く輝きその中には一つの小さい瓶があった、その中には赤い液が入っていた。

「・・・これは?」

『何か困ったことがあれば使いなさい。必ず助けてくれるはずだから』

そう言い魔王は姿を消した。

ロシュはその瓶を握りしめ部屋を出て行こうとしたら

「ロシュ様!!!」

ロシュ付きの従者が慌ただしく部屋に入ってきた

「どうした。騒々しい。」

「も、申し訳ありません。で、ですが!マ、マリア様が!マリア様が帰っていらっしゃいました!!!」

従者の言葉を聞き、いてもたってもいられなくなったロシュはその場を後にし走って謁見の間まで行った。


バーン!!!!!

大きな音をたて謁見の間の扉げ開けられた。

「マリア!!!」

謁見の間、王座の前には一人の少女が床に膝を付き王に頭を下げていた。

ロシュの言葉に反応した少女は立ちあがり後ろを振り返った。その少女はマリアだった。

「ご心配おかけしてもうしわけありませんでした。ロシュ様。ただ今戻りました。」

マリアはそう言い微笑んだ。

ロシュがマリアに駆け寄り抱きしめようとすると

「マリア!!!無事だったのだなマリア!!!」

ロシュより先にユリアスがマリアを抱きしめた。


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