表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GUILLTY  作者: SHin
8/19

第8話〜波乱の予感〜

ついに始まるサクラの冥界生活。

議会を終え、連れて行かれたのはギルの邸宅?!

波乱の予感しかしない冥界観光が始まります……

冥界城で開かれた“でっかい会”が終わり、

サクラの冥界生活が正式に始まることとなった。


冥界王カルマをはじめ、会議に参加していた悪魔たちは、

この決定に何を思ったのか。果たして、本当に全員が賛成していたのだろうか――。


議会終了後、冥界王カルマと三つ子の1人でありディルフの父・ドーマが、

ギル、ディルフ、ビート、サクラの4人を自室に呼び出した。


「いや〜さっきはおつかれ!!

サクラちゃんも疲れたでしょ〜ハハハハっ!」


第一声から、サクラを冥界に置くことに反対していたとは思えないカルマの軽薄な態度に、サクラは驚く。


その隣に立っていたのは、灰色の毛並みを持ち、狼のような外見の悪魔――ドーマ。

大きな体を持ちながらも、その立ち居振る舞いには気品が漂っていた。


「今回の件で冥界は……かなり大きな爆弾を懐に抱え込むことになった」


サクラを横目で見ながら、低く落ち着いた声で言葉を続ける。


「ディルフ、ギル、ビート……

お前らが死ぬ気で爆発を防げ。そして、天界に悟られぬよう、その人間を守れ。


上級悪魔全員が賛成しているわけではない。狙われる可能性も高い。

何より、お前らも肌で感じているだろう…

その人間の魔力は、父上の魔力結界でも抑えきれないほど悪魔たちを刺激する〝何か〟が強く、漏れ出ている……。

その力の正体、そして天界との繋がりを把握するまで、3人で協力して死守だ」


その語調は荒っぽさを含んでいたが、内容は極めて論理的だった。


カルマはサクラの頭をぽんぽんと撫でると、にこにこしたまま霧のように姿を消す。


「ディルフ、お前は残れ。話がある」


ドーマの低い声に従い、ディルフはその場に残ることになった。


不安そうな顔でディルフを見つめるサクラに、

ディルフは静かに微笑み、冷たい口調でギルに言う。


「ギル……私の用が済むまで、サクラを頼みます」


その表情はどこか悔しげだったが、ギルはにっこりと笑って応じる。


「やったぁ〜! サクラちゃん、一緒に行こーねっ♡」


サクラの手を取るギルを見て、苛立ちを隠せないディルフ。


そんな中、サクラはふと、隣に佇む美しくも怪しげな悪魔――ビートを見る。

ビートもサクラを見返し、優しく微笑んだ。

その目が合った瞬間、胸の奥がふわりと揺れた気がした。


「では私は、クラブへ戻ります」


ビートは一礼し、紫煙と共にその場から姿を消した。


ギルはそのままサクラを連れて自身の邸宅へ向かうことにした。



冥界街ヘルズタウン


「あの…ギルさん、手……」


サクラは、ギュッと握られたままの手を見つめながら言った。

だが、ギルはまるで気にする様子もなく笑顔を浮かべる。


「ギルでいいよ〜。あ、ねぇサクラちゃんさ、冥界コワイなぁ〜って思ってる??♡」


「正直……怖い」

少し震えながらサクラは答える。


「ふふっ♡ かわいーなぁ〜。

大丈夫だよ、オレが冥界の楽しい事いっぱい教えてあげる♡」


一瞬、ギルの声が少し甘く低くなる。


「…でも、ディルフには内緒だよ♡」


ふざけるような口ぶりでありながらも、その言葉の意味は少し重かった。



ギル邸


門の前には、礼装を纏った悪魔の使用人が立っていた。


「ギルティー様、おかえりなさいませ」


「ただいまぁ〜! あとでオレの部屋にゼロンのコレクション持ってきて〜

この子にも似合うやつね♡」


「御意」


使用人は一礼し、その場を後にする。


ギルの部屋に入ると、空間は紫とピンクを基調とした耽美な内装に包まれていた。

どこか薬品のような甘い香りが漂い、意識が少し浮くような感覚を覚える。


ギルはふかふかのソファに腰を下ろし、隣をポンポンと叩く。

サクラは戸惑いながらも隣に座った。


「それにしてもサクラちゃん……本当に危ないよね〜♡

ここに来るまで、何人の悪魔が君を襲おうとしてたか♡

オレがいなかったら速攻で犯られて喰われてたね〜…ゾクゾクしちゃう♡」


楽しそうに笑うギルに、サクラは不安げな目を向ける。


「で、でも……さっきの悪魔の人も、私を守ってくれるんだよね……?」


「あぁ〜ビートのこと? まぁ、そうだね〜

ビートはかなり強いし、一緒にいれば〝他の悪魔に〟襲われることは無いだろうねっ♡」


「え……? それってど……」


サクラが聞き返そうとしたところで、部屋の扉がノックされた。


「あ、キタキタ〜♡ 入って〜!」


ギルが呼びかけると、先ほどの使用人が大量の服を運び現れる。


「サクラちゃん、コレ着てきて〜!」


勢いに押されて、ギルから渡された服に着替えたサクラ。

それは黒を基調に、フロントが短く、バックが長く広がるドレスだった。


フリル部分は魔力感知で紫色に染まり、まるで紫の炎が燃えるかのようだった。


ギルの衣装もペアルックのように統一感があり、

胸元と背中が大胆に開いた黒の衣装に、首元では紫の炎がゆらゆらと揺れていた。


「これ、ほんと可愛くてさいっこう♡

……それじゃ、いくよ〜っ!」


ギルはサクラの手をとり、勢いよく家を飛び出したのだった。

今回はちょっぴり不安と不穏をはらんだ、

サクラの冥界生活の始まりでした!


ギルのペースに巻き込まれつつも、

少しずつ色んな悪魔と関わりができていくサクラ。


そして次回、舞台はいよいよ冥界の特別なクラブ――

【HELLS CLUB】へ突入します!


次話もどうぞお楽しみに……


X(旧:Twitter)にてイラスト付きキャラ紹介載せてるので是非見てください〜プロフにリンク貼ってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ