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GUILLTY  作者: SHin
18/19

第18話〜冥界闇市〜

ビートとサクラのズブズブも束の間

ギルと共にやって来たのは《冥界闇市》ー!


そして、闇市を牛耳る組織“モール”…


冥界闇市編の始まりです。


ー客間にてー


ソファに大きく腰掛け、紅茶をグッと飲むギル。

対面には、冷ややかな目で笑うビートと、その空気に気まずさを感じるサクラ。


その静寂を切るように、ギルが口を開く。



「…でさぁ〜? 闇市なんだけどー…

今回のオークションに…


(少し間を開けて)


“クリングアイ”が出るっぽいの〜!!!♡」



その言葉に、ビートの爽やかな笑顔が一瞬消える。



「“それ”を、あなたが現時点で所持していないことに驚きました。」



ー“クリングアイ”ー

それはどんな物でも見つけることができる、かつて上級悪魔だった“ホルス”の目玉。



ギルはそれを競り落とすつもりでいた。



「…あー…なんか落としちゃったっぽくて〜♡」



「彼を殺してまで手に入れた物をそう簡単に無くすとは…」



ヘラヘラ笑うギルに、ビートはため息を吐く。そしてサクラを見ながら呟いた



「…もし、天界のものに“それ”が渡れば、サクラさんに危害が及ぶ可能性が高い。」



「んね〜♡」



ニコニコ笑うギルに苛立ちながらも、ビートは身支度を整える。

そばにいたボルムも、サクラの支度を手伝う。



「でもホルスが悪いよ。オレとはもー寝ない〜って言うんだもん…悲しくなっちゃってさっ♡」




ビートは呆れ、サクラはギルの悪魔的な面に怯えていた。




ー冥界街ー




「じゃーいくよ〜♡

サクラは絶対オレらから離れちゃダメだよっ♡」



恐る恐る進むサクラを、ビートが手を添えエスコートする。


冥界街の闇が濃く溜まった場所には、赤黒く脈打つ門が立ちはだかる。



「…こ、この…中に入るの?」



「えぇ、私がいるので問題ありませんよ」



優しく微笑むビートに、サクラは少し安心する。


だが門をくぐると、そこに広がるのは瘴気と魔薬の匂い漂う闇市。

悪魔たちが様々な品を取引し、出店が一本道の両側にズラリと並ぶ。

人肉串や奴隷売買、違法魔獣の闘技場、悪魔の娯楽施設…

サクラには耐えられないほど衝撃的な光景だった。


道の至る所に転がる悪魔を見て、サクラは震える。

(…あれって生きてるの…?)



「サクラさん、大丈夫ですか…?」


にこっと笑うビートに、ぎこちない作り笑いで返すサクラ。



ふとギルを見ると、手に人肉串を持ち頬張っている。

サクラは思わず、うっ…と何かを感じた。



「…?……あ〜ごめんね〜♡

サクラもニンゲンだったぁ〜」




ケラケラと笑うギルを見ながらサクラは口を押さえていた。



長く続く道を進むと、奥には入り口の門と同じく赤黒く脈打つドーム型の巨大な建物がそびえ立っていた。



「…これって生きてるの…?」



「えぇ、コレも悪魔ですよ」



ふふっと笑うビートに導かれ中へ入ると、入り口にはセキュリティの悪魔たちが立ちはだかる。

中級・上級以外の下級悪魔たちは出入りを禁じられていた。


その悪魔たちの視線が、サクラを舐め回すように捉える。



その視線を防ぐ様にビートがすっと立ちセキュリティの悪魔達に笑顔を見せる。

すると悪魔達は体を震わせ、怯えた声で呟く。



「…っ、失礼致しました…ビート様……」




その時、建物の奥から元気で大きな叫び声が響く。



「おおぉーーーい!!ギルー!!!」



目の前に現れたのは、金色の瞳に褐色の肌、魔獣の毛皮を纏った少年の様な悪魔。

小柄で幼い顔立ちのその悪魔は、鋭い牙を見せながら笑顔でギルに話しかける。


「ギルー!来てくれたのかぁ! くると思ったぜ〜!!」




ギルの隣に立つビートに気付く

そして、サクラを見て一言。



「…お前も来たのかよ…

…ってか…こんな所に連れてくんじゃねぇよ…クソが…」



ビートは冷たく微笑む。




「モ〜リぃ〜?♡

今日も本当かわいいねぇ♡」



ギルはその少年の様な悪魔にベッタリくっつき、頭を撫でる。



「…っ!…やめろよ〜…!」



その言葉とは裏腹に、少し楽しそうなそぶりを見せる。



「…モーリーさん…って言うんですか…?」




サクラは恐る恐る問いかけると、少年は耳元で囁く。




「…次その名で呼んだら、お前が保護対象だろうがなんだろうが…一生歩けねぇ身体にしてやる」




その言葉は重く鋭く、サクラの心に届いた。




ビートはサクラを身に寄せ、小声で説明する。


「サクラさん、この悪魔の名はモルゴラス。

我々と同じ上級悪魔で、この闇市を支配する組織《moleモール》のリーダーです。」




「おい!ニンゲン!オレのことは“ボス”と呼べ!」



「…ボス、さん…さっきはごめんなさい…」




少し怯えながら謝るサクラに、ニカッと笑みを向け、モルゴラスは豪快に笑いギルの背中を叩いた。




「よし、もう直ぐ始まるから早く座れよ〜!

今日の目玉商品が何かお前らなら知ってんだろうけどよ〜〜

まぁ、頑張って競り落とせよ!!」




モルゴラスはその場を後にした。




ーいよいよ冥界一のオークション、《アビス・バザール》の開幕ー

ここまで読んで頂きありがとうございます!


登場しました新キャラ《モーリー》

そして冥界のオークション…


このオークション、何かあります。

クリングアイを競り落とす事はできるのか…??


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