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GUILLTY  作者: SHin
17/19

第17話〜冥界の狂宴者〜

狂宴者・ギルの突然の来訪…


その場にいる2人の関係に気付くギル。

そしてサクラに刻まれた印。



というか、ギルは何しに来たのか…



―冥界の朝は、薄暗い冥月の明かりから始まる―


部屋のカーテンが揺れ、昨夜の出来事を思い出させるような風が肌を撫でていく。

サクラは目を覚まし、隣で眠るビートの横顔を見つめた。


あまりに整ったその美貌に、無意識に指先が伸び、そっと髪を撫でる。




「…おはようございます、サクラさん。」



ゆっくりと目を開けたビートの瞳には、まだどこか熱を帯びた光が残っている。

その低く優しい声に、サクラは昨夜の記憶が鮮やかに蘇り、頬を赤らめた。



「お…おはようございます!」



顔を覆い視線を逸らそうとするサクラの手を、ビートがやんわりと押さえる。

サクラの透き通る肌を見つめながらビートは呟く



「…私の護印を、付けてもいいでしょうか」



耳元で囁かれ、意味をすべて理解しきれないまま、サクラはこくりと頷いた。


ビートの指先がサクラの胸元付近をそっとなぞる。

じんわりと温かさが広がり、身体の奥にまで不思議な感覚が満ちていく。


印を付け終えると、ビートは額に口づけを落とし、優しく髪を撫でた。



「これは…私の大切な人である証と、他の悪魔から守るためのものです」


「…ありがとうございます…」


サクラがそう言いかけた時――



“バターンッ!”



勢いよく部屋のドアが開き、朗らかな声が響く。



「ビーーートーー??おっはよ〜♡ サクラいる〜???」



現れたのは、冥界一の狂宴者“ギル”。


その後ろから、焦った様子のボルムが入ってくる。



「ビート様…申し訳ありません…。ギルティー様を止められませんでした」



悔しそうに俯くボルムに、ビートは静かに手を上げ、下がるよう促す。



「えぇ〜止めようとしたの〜? 止まったら“いいコト”してくれたのかなぁ♡」



にやりと笑ってボルムをからかうギル。




「ギルさん、何かご用ですか?」




ビートの問いに、ギルはサクラへ視線を向ける。

そして胸元の印に気づき、面白そうに目を細めた。



「…これ、まさか契約印じゃないよね?」



「契約ではありません。ただ…他の悪魔に触れられぬようにはしました」



「へぇ〜重たいねぇ♡」



面白半分に印へ手を伸ばした瞬間――


“ブチャッ”と嫌な音がして、ギルの手が破裂する。



「……まぁ〜だよねぇ♡」


ヘラっと笑い、瞬時に再生させるギル。



「それで…本題は?」



ビートはため息をつき、サクラにそっと上着を着せた。



「闇市行こっ!♡」



無邪気に笑うギルの声が、部屋の温度を一気に変えていく。

ビートは軽くため息を吐き、サクラにそっと上着を掛けた。


「準備を整えたら出発します」


短くそう告げると、ビートは窓の外を一瞥する。

遠く、冥月が薄雲の向こうで滲み、朝と夜の境目を曖昧にしていた。


その光が差し込む中、サクラは胸元に残る温もりをそっと押さえた。

それはまだ消えることのない、昨夜から続く証だった。


――そして、冥界の一日が静かに始まろうとしていた。


ここまで読んで頂きありがとうございます!


やっと作者の推しキャラの出番きましたよ…

ギル節かまして元気よく闇市行って欲しいですね〜


ビートとサクラの関係もこれからどう動いていくのか…

新キャラ登場なるか…?



X(旧Twitter)にて、ビートの従者ボルムの紹介イラスト載せてますので、ぜひ見てみてください!


プロフにリンク貼ってます〜

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