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一直線

作者: 尚文産商堂

何も考えていなかった、といえば嘘になる。

でも彼を見ていると私の心が、そのまま体が動き出していた。

もう、本能が私を動かしていた。


卒業式、みんなにとっても特別な日だ。

当然、私にとっても、高校の卒業式で、みんなとお別れで。

だから私はもうしっかりと心に決めていた。


片思いをしていた彼は、同級生。

アメリカに留学するっていう話を聞いたのも3年の後半の頃の話。

でも、私は彼にあまり話さなくて、ただの友達っていう感じの関係だった。

それも今日で終わり。


「あ、あのっ」

キュッポンと卒業証書を入れている黒色の筒のふたを思い切り開けたり締めたりしている彼を、私は思わず呼び止める。

「好きです、付き合ってください」

彼の友人らは私と彼の間には立っていない。

ただ、彼だけを私は見ていた。

一瞬とても驚いた顔をし、それからにっこりと。

「いいよ」

その一言。

ただ一言だけが私の世界を作ってくれた。

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― 新着の感想 ―
一言が二人の未来を繋げた瞬間、時間の流れる音が聞こえました 二人に幸あれ、です
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