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結婚するまで落ちない女になるって決めたけれど、もうすでに無理そうです。  作者: いか人参


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【番外編】強気のシスト


ミーナがシモーネに乗せられて、シストの好きなところを盛大にぶちまけてしまってからしばらく経った日の昼休み、彼女はシストに追い詰められていた。


隣に座るシストは、頬杖をつくとミーナの顔を覗き込む角度に視線を固定し、目の前のランチプレートに一切手を付けようとしない。


 


「あ、あの、シスト様…」


「ん?なぁに?」


きゃあああああっ!!!!こ、こんなに見た目麗しくて完璧な容姿なのに、この舌足らずっ!!計算尽くされた可愛さ……もはや犯罪……どれだけ人のことを虜にしたら気が済むのよ。


絶対、自分のこと可愛いって思ってやってるわ。


はぁ……もうそんなの最高すぎる……

ご飯なんか食べなくても生きていけるわ…

その可愛さ、どうぞ存分に発揮なさって…




「な、なんでもありませんわっ」


このままだとシストに見惚れ過ぎて涎まで垂らしてしまいそうだと思ったミーナは、慌てて水の入ったグラスを手に取った。

気を紛らわすために、何でも良いから動きたかった。


だが、その手を上から包み込むように握られ、動きを阻止されてしまった。



「えっ?」


驚いてシストの方を見ると、煌めく青い瞳と目が合った。

じっと熱のこもった瞳に見つめられ、そのまま吸い込まれてしまいそうになる。


出来ればそのまま吸い込まれたい…


ついそんな想いで見つめ返してしまった。


 


「僕のこの顔、好きなんでしょ?」


「へ、は………」


こてんと首を傾げて、強気に微笑むシスト。



「…好きです、物凄く好き、大好き。」


気付いたら愛の告白をしていたミーナ。

目が離せない青い瞳に、自ら身を乗り出して見入ってしまう。



「ほら、好きなだけ見て良いよ。」


物凄く上から目線の発言だったが、ミーナには言われた内容も言い方もその鋭い視線も全てがご褒美でしかなかった。


ごくんと生唾を飲み込み、ゆっくりと頷く。

この美しさを前に、抗うことなど出来なかった。




「うん、いい子だ。」


従順なミーナに満足そうに微笑むと、彼女の頬をするりと人撫でした。

少しだけひんやりとして柔らかくて優しいその感触に、思わず身体を震わせたミーナ。



い‥…いいひゃああああああああっー!!!


し、シスト様の手!手!手!手が触れた!私の、私の頬にっ!!それだけなのに、どうしてこんなにも心が歓喜するの!!?何これ魔法なの!!?こ、これが推しの力…………イケメン様………


この感触だけでご飯三杯はいける……




「ミーナ…?ごめん、嫌だった…かな?」


震えるミーナを見たシストは、悲しそうに眉を下げて泣きそうな顔で覗き込んできた。

もちろん、何もかもが計算の上であり、ワザとである。

だが、それにまんまと騙されるミーナ。



「そっそんなことはございません…!!嫌だなんてそんな………むしろ嬉しいくらいでその……」


『もっとしてほしい』


勢いのまま己の欲を口にしてしまいそうになったが、この世界で受けた淑女教育のおかげでなんとか言葉を飲み込むことが出来た。



「…もっと触れられたい?」


シストはミーナの肌に触れないように、彼女の前髪だけ優しく撫でつけた。

しっかりと目を合わせて妖艶に微笑みかけてくる。



そんなああああああっ!!!!もっとだなんてっそんなはしたないことを私の口からは言えないわっ。

…でも、もし、おねだりしてそれを叶えてくれるなら………言うだけでならタダだったりする…?いやでも、さすがの私でも恥ずかしいいいいいっ!!



「ミーナ、して欲しいことはきちんと言葉にしないと伝わらないよ?」


ミーナの指を持ち上げると、唇を近づけてふっと息を吹きかけた。

唇が指に当たるか当たらないかほどの距離で止められ、上目遣いで見つめてくるシスト。色気がダダ漏れでいる。



「…っ!!」


そのあまりの色気と強気な言葉に、ミーナは顔を赤らめ、意識が飛びそうになっている。


もう何もかもが限界だった。





ミーナ達の座る席から少し離れた位置に座っていたフランカがため息を吐きながら立ち上がった。



「今日も助けに行くのか?」


「さすがに限界よ。見ているこっちがね。」


「確かに…。毎日おつかれ。」


シモーネに不憫な目で見られたフランカは、躊躇なく二人の元を訪れると、割って入りミーナのことを勇ましく救出していた。





陥落したその後の話です(´∀`)

また気が向いたら、ひたすら追い込まれるミーナの話を書こうと思います笑

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