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結婚するまで落ちない女になるって決めたけれど、もうすでに無理そうです。  作者: いか人参


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デート当日


待ちに待ったシストとのデート当日、ミーナは、フランカに手伝ってもらって、身支度を整えていた。


今日は制服ではなく、外出用に持ってきたレモンイエローのワンピースを着ている。もちろん、シストを意識してこの色を選んだ。


その後も、レイモンイエローの髪飾りに、レモンイエローのバッグに、レモンイエローのスカーフに、と全身をシストで染める気満々のミーナだったが、フランカに止められた。



「そんなに相手の色一色でデートに臨む令嬢なんて見たことないわ…ちょっとは自重なさい…」


「でも…自分の色に染めることが男心をくすぐるって、あの恋愛雑誌に書いてあったわ。」


「頼むから、もうこれ以上、彼の心を刺激しないでちょうだい…」


フランカはため息を吐くと、気を取り直して、ミーナの髪をすいた。


やや癖のある黒髪を丁寧に揃えていく。揃えた髪を二つに等分し、それをさらに三等分にすると、両サイドで編み込みを作った。それを頭の形にそって綺麗にまとめ上げた。


人形みたいな愛らしい整った顔立ちをしているミーナに、とてもよく似合う髪型だ。

フランカは敢えて髪飾りを付けなかった。シストのために、飾り付けをする楽しみをとっておいたのだ。



「はい、完成よ。」


フランカは、ミーナに手鏡を差し出した。

ミーナは、鏡でじっくりと自分の姿をチェックした。

いつもと違う髪型、ちょっとだけ化粧を施したいつもと違う顔、デートのために作ったいつもよりもお洒落をした自分に、ミーナは自然と笑みが溢れた。



「すごいわ…自分じゃないみたい…ありがとう、フランカ!」


せっかく大人っぽく仕上げたのに、無邪気に喜ぶ姿はいつものミーナのままで、思わず笑ってしまった。



「御礼はいらないわ。ただ、一つだけ約束してくれる?」


「ええ、もちろんよ。何かしら?」


「必ず夕飯の時間までには帰ってくること。」


「………………分かったわ。」


「ちょっと!今の間は何よ!!ここは即答するところでしょう!?というか、即答しなさい!」


「だって…ほら、万が一…」


「万が一も億が一もないわ!時間までに帰ってくること。以上!!」



姿を変えど、やはりいつものミーナであった。フランカから説教を受けながらの出発となった。


あまりにも可愛く着飾ってしまったミーナを心配したフランカは、寮の門近くまで彼女のことを送っていった。

そこにはすでに、光り輝く金髪が待っていた。


フランカは、『あとは任せたわよ。何かあったら承知しないわ。』と、目に力を込めて、シストに視線を送った。

彼もフランカの視線に応えるようにしっかりと見返し、安心させるように大きく頷いた。


役目を終えたフランカは、ミーナの背中を軽く押し出すと、軽く手を振って来た道を戻って行った。



「ミーナは、今日はありがとう。それにしても…」



いえ!!御礼を言うのはこちらにございます!こんな…こんなご褒美を頂けるなんて…


制服姿も目が焼けるほどお美しかったけれど、シンプルな白シャツがとんでもなくお似合いです…!!!!ああもう、なんでも似合っちゃうんだろうなぁ…今日は服屋巡りにして、色んな服を着せてみたいわ。

貴族の正装でも負けないんだろうな…騎士の制服も鍛えた身体に合いそうだわ。執事姿も絶対に似合う…あの格好で、あの顔で、あの声で、お帰りなさいなんて言われた日にはもう、、、、


ん…?????


なんか私凝視されてません??

なにかおかしなところあったかしら…?


え、どうしよう、、、、、



「今日は一段と美しい。僕のためにお洒落をしてくれたんだね。その気持ちが物凄く嬉しい…このまま攫ってしまいたくなるな。」


感涙の涙を流しそうなほど、感極まった顔で見つめてくるシスト。少し赤い目元がなんとも扇状的な雰囲気を醸し出している。



なっ!!!!なななななっ!!!!!!


何よこれ、初っ端から刺激的なリップサービスは!!!!刺繍したハンカチ1枚で足りるわけがないわ!!!やっぱり、紳士服屋によって、一式プレゼントした方が良さそうだわ。



「そんなふうに言っていただけて嬉しいですわ。シスト様も素敵なお姿ですわね。」


もう本当に、その姿を目に出来ただけでも、今日来た甲斐がありました!!いや、むしろ、今日という日のために私は生きてきたのかもしれない…



「ふふ、ありがとう。誰に褒められたって何も感じたことはないのだけど、何故だろう…ミーナに褒められるとくすぐったい気持ちになるね。」


シストは照れたように笑みを溢した。誤魔化すように手で前髪をいじっている。

天使の照れた顔は抜群の破壊力があった。ミーナは、彼の顔に釘付けにされてしまった。返事をすることも、頷くことも、息をすることさえも忘れて見惚れ続けた。



「ミーナ?」


天使のご尊顔が眼前に迫っていた。

狙ってやっているとしか思えないくらいに顔が近い。



「な、何でもないですわ!」

「もしかして、照れてくれたの?」


シストは嬉しそうに目を輝かせた。

いつだって宝石のように輝く青い瞳が一層強い輝きを放った。



「早く参りましょう!もう日が沈んでしまいますわ。」


まだお昼前の今、太陽はまたまだ昇り切っていない。

照れ隠しであることが見え見えのミーナの言葉に、シストは口元を抑えてにやける顔を堪えていた。



「そうだね。日が沈む前に早く出掛けよう。」


いつもの綺麗な笑顔を見せたシストは、ミーナに手を差し出した。

エスコートに慣れたミーナは、自然な動きで彼の腕を取った。





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