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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第九十四話 先生たちとの差を感じる

「ホワイトデーのお返しはどうしよう?」

 バレンタインデーから何日か経過し、拓雄は早くも彼女たちからのチョコのお返しに頭を悩ませていた。

 何もあげない訳には行かないので、拓雄は悩んでいた。

 まだ少し先ではあるが、彼女達からのチョコが本命であることは、流石に理解していたので、彼もいい加減な気持ちでは渡せないとは思っていたのだ。


「まだ先だし、良いかな……」

 色々と考えても答えは出なかったので、先生たちへのお返しは直前になって考えれば良いと思いなおし、学校の課題に取り組む拓雄。

 特進クラスに入っているので、多くの課題が出されているので、気を紛らわせるためにもちょうど良いと思い、懸命に課題を終わらせていったが、その最中も彼女達の事が頭から離れる事は無かったのであった。


 数日後――

「あ……」

 拓雄が朝、いつものように学校へ行くために家を出ると、偶然にもアパートから出てきたユリアとバッタリ会う。

「おはようございます」

「おはよう」

 取り敢えず挨拶を交わして、ユリアの隣に並んで歩く拓雄。

 こんなにすぐ近くに住んでいるのが、まだ不思議な気持ちであったが、コートを着て歩いている彼女の姿もとても凛々しく思えてしまい、こんなに美しいユリアが自分にチョコをくれたのが夢みたいに思うようになっていた。


「あの……」

「何?」

「えっと、この前のお返しですけど……」

「そういう話はここじゃまずいでしょう」

「す、すみません」

 バレンタインのお返しについて話そうとすると、素っ気ない口調でユリアに返され、すぐに縮こまってしまう。

「別に拓雄君の好きにすればいいわ。お返しなんて、義務じゃないんだし、あげたくなければ無理する必要なんかないわ。少なくとも私はそう思っているから」

「は、はい」

 ユリアなりに気を遣ってくれたのか、拓雄にそう言うと、拓雄もちょっと気が楽になり、表情が明るくなる。

 色々と変な所もあるけど、ユリアはやっぱり自分の事を考えてくれているなと思うと、感激しながら学校へと向かっていったのであった。


「はーい、皆さん聞いてね。明日は入試の日なので、学校はお休みです。部活も禁止なので、家でおとなしくしているように」

 朝になり、担任のすみれがクラスのそう連絡事項を告げ、そう言えば明日は学校が休みなのを思い出した。

「ま、どうしても遊びに行きたい人は午後からにしといた方が無難かしらね。後、君らには課題もあるから、そのつもりでそれじゃ、さっさと授業始めるわよ~~」

 連絡事項を終えた後、早速、すみれは授業を始める。

 明日、ちょっとバレンタインのお返しに何かないか見てみようと思い、拓雄も町で見てみようかと思ったのであった。


「あ、拓雄くーん」

 放課後になり、学校を出て、昇降口に拓雄が向かうと、そこでエプロンを着た彩子が駆け寄る。

「ふふ、ちょっと良いかしら?」

「何か?」

「いいからー。ちょっと用事があるのよ」

 また彩子に呼び出されてしまったが、もう慣れてしまったので、拓雄も特に何も思う事もなく彼女に付いて行った。


「ねえ、話があるんだけどー。明日、学校お休みよね?」

「はい。ウチの学校の入試の日なんですよね」

「そうそう。予定は何かある?」

「ないですけど……」

 彩子にデートにでも誘われるのかと思ったが、明日は彩子は仕事で学校があるはずなので、違うと思い、登校自体が禁止されているので何かと首を傾げると、

「そう。だったら、よかったわ。あーん、先生、拓雄君に会えないと先生、とっても寂しくて不安でね。他の女とデートなんかされたら、気が気ではなくてえー」

 と、甘えるような口調で彩子は拓雄にそう言ってきたが、何だか心配し過ぎではないかと拓雄も苦笑してしまった。


「先生もちょっと忙しくて、明日は無理だけど、今度の日曜にでもデートしようね」

「あの……そういうのはまずいのでは……」

「いいじゃない、もうしているんだし。そうだ、ホワイトデーのお返しとか、もうどうするか決めた?」

「まだ決めてないです」

「そう。ふふ、まあ、お返しなんて好きにしてくれと良いんだけど、先生はちゃーんと気持ちを込めて、あなたにチョコを上げたんだから、そのつもりでね。あ、そうだ? これから、美術部の活動があるんだけど、見学していく?」

「え? 美術部のですか?」

「そう。先生、拓雄君に美術部に入って欲しいなーなんて、今でも思っていてね。そうすれば、一緒の時間も増えるじゃない」

 と、下心を敢えて隠しもせずに、彩子は拓雄の手を握って、勧誘してくるが、拓雄はまだ諦めてなかったのかと半ば呆れながらも、

「えっと、僕は絵はあまり得意じゃないので……」

「絵が得意じゃなくても、良いのよ。普通に楽しんで絵を描いてくれればそれで充分よ。別にコンクールで賞を取れなんて言わないから。もちろん、それを目標に頑張っている部員もいるけど、自分の描きたい絵を描いているだけって部員だってたくさんいるんだから、拓雄君だってそれで良いじゃない。ね?」

 彩子はいつになく熱心に勧誘してきたので、拓雄もちょっと困ってしまったが、それでも彩子は食い下がっていき、

「だめー?」

「う……」

 断ろうかと思ったが、彩子が露骨におねだりするような目線で見てきたので、拓雄も心が揺らいでしまう。


「さあ、どうぞ」

 結局、見学だけならと思い、拓雄は美術部の見学をすることに。

「あれー、彩子先生、その子は?」

「ちょっと部活の見学をしたいって言うので、連れてきたの。一年生の黒田拓雄君よ」

「はじめまして……」

 美術室に入ると、既に美術部の部員数人がキャンバスに向かって絵を描いていた。

 見たところ、全員女子部員だったので、拓雄も逆に緊張してしまい、美術室に入る。

 やはり女子だけの環境は慣れないうえに、もう二月なので、こんな時期に見学に来る男子部員は奇異な目で見られるのはやむを得ないことであった。


「基本的に美術室は平日は毎日開けているの。部員が描きたい絵を描いている感じね」

「はあ……」

 部員が描いている絵を見ると、どれもレベルが高く、とても自分が描けるような絵ではなかったので、やはり入部してもとても付いていける自信はなかった。

「拓雄君、絵は好き?」

「嫌いではないです」

「そう。それでも良いわ。何か描きたい絵があれば、好きに描いてくれればいいわ」

 とは言っても、美術部の部員のレベルに付いていけるとは思えなかったので、拓雄も乗り気な感じではなかった。


「コンクールとかに出すんですよね」

「うん。でも、出すか出さないかは部員の自由よ」

「はあ……でも、付いて行けそうにないというか……」

「もう。別に良いのよ、そんな難しく考えなくても。そりゃコンクール目指したり、美大を目指して本気でやっている部員もいるけど、アニメのキャラを書きたいからなんて理由で入部している子もいるんだし。ほら、試しにスケッチしてみる?」

 どうしても彩子は拓雄に入って欲しいのか熱心に勧誘し、レプリカのリンゴとスケッチブック、鉛筆を目の前に出し、軽くスケッチをしないか誘う。


「はい。好きに描いてみて」

「は、はい」

 折角なので、拓雄はリンゴのスケッチを始める。

 美術の授業でやった知識を総動員して、拓雄はリンゴのスケッチを始め、彩子もニコニコ顔でそれを見つめる。

 彼女の嬉しそうな満面の笑みがちょっと痛かったが、

「彩子せんせー。ちょっと良いですか?」

「はーい」

 キャンバスで油絵を描いていた女子部員が彩子を呼んだので、すぐに彼女の元へ向かい、彩子は女子部員にアドバイスをしていく。

 その様子を見ると、やっぱり彩子は美術教師何だと思えてしまい、自分との差を感じてしまったのであった。


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