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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第八十二話 先生とするまで絶対に帰しません

「じゃあ、早速……きゃっ!」

「あ……す、すみません……」

 彩子が写真を撮った後、拓雄をベッドの中で抱き寄せると、拓雄は彼女を突き飛ばして逃げようとする。

「いたた……もう、まだ先生とセックスしたくないの?」

「し、したくない訳では……でも、やっぱり僕……駄目ですよ、こんなの」

「あのねえ、駄目なのはわかったうえでやってるのよ、先生。どうしても嫌なら、シャワー浴びている間に出なさいと言ったじゃない。だから、もう通らないわよー。んっ、んんっ!」

「んんっ!」

 教え子の前で肌を隠すこともせず、彩子がそう告げると、また拓雄に抱き付き、強引に口づけを交わす。


「んっ、ちゅっ、んん……んっ、んんっ! あん、ほらおっぱい揉みなさい。据え膳食わぬは何とやらよ、拓雄君。さあ、早くここで大人になっちゃいなさい。んっ、ちゅっ、んんっ!」

「はうう……」

 何が何でも拓雄を逃がす気はなく、彩子は彼の手を自身の胸に押し付けて、強引に揉ませていく。

 手の平に彩子の柔らかい乳がフィットすると、拓雄も顔が真っ赤になって思考が完全に弾けてしまい、目を瞑って、彩子に執拗に接吻させられていった。


「ちゅっ、んんっ!ああん、しょうがないわ。じゃあ、先生がしっかりエスコートしてあげる。そこに寝なさい。ふふ、先生が拓雄君を大人にしちゃうわよー♡」

「あの先生……もう止めに……」

 ピンポーン、ピンポーンっ!

「ん? もう、何よ!」

 彩子が拓雄を押し倒して、いよいよ行為に及ぼうとした所で、呼び鈴がけたたましく鳴り響く。

 しかし、彩子は無視して、居留守を使おうとしたが、

 ピンポーン! ドンドンっ!

「ああ、もうっ! 誰よ、うるさいわね!」

 呼び鈴に加え、ドアを激しくノックする音が響いたので、彩子も気が散ってしまい、仕方なく着替えて、出る事にする。


「はい。どちらさま……」

「彩子先生、開けなさい、今すぐ」

「ん? 何だユリアちゃんか。何よ、こんな時間に」

 ドア越しにユリアの声が聞こえたので、彩子が開けると、ユリアは険しい表情をして、彩子を睨みつけていた。


「これ、見ましたよ」

「あん、拓雄君としている所見ちゃったんだ」

「見ちゃったじゃないですよ。駄目ですよ、こんな写真残したりしたら。いつ、学校関係者に見られるかわからないんですよ」

 スマホの画面を彩子に見せると、そこには先ほど、送ったベッドの中に二人で寝ている拓雄と彩子の写真が映し出されていた。


「上がるわよ。ほら、拓雄君、すぐ帰りなさい」

「ちょっと、邪魔しないでよ! 今日は拓雄君と二人きりで邪魔しないって話だったじゃない」

「彼が嫌がっている時は話は別よ。全く、大人なんですから、少しは考えてください」

 ユリアが拓雄の手を引いて、彼を起こそうとすると、彩子もすかさず制止するが、拓雄にとっては正に天の助けであり、涙を流したくなるほどありがたかった。


「拓雄君、あなたも子供じゃないんだから、嫌なら、ちゃんと嫌と言わないと駄目よ」

「い、言ったんですけど、彩子先生が……」

「私はちゃーんと拒否権は与えたつもりなんですけど。そうよ、これは拓雄君への社会勉強も兼ねていたのよ。そうよ、これは勉強の一貫なの。私が体を張ってるんだわ」

「はあ……」

 あまりにも無茶な彩子の屁理屈に、ユリアも呆れて嘆息してしまうが、こんな場面を見て、彼女も引き下がれず、

「とにかく、私の目が黒い内はこんな事は許しませんので。拓雄君が良いと言ってるなら、別ですけど、嫌がってるんですから」

「ふんだ。良い子ぶって。てか、何でウチにいるのよ、ユリアちゃん。まさか、ずっと監視して張り付いていたとか?」

「仮にそうだとしても、彩子先生に私を非難する資格なんかないですね。教師として見過ごせない事態ですから。学園に言わないだけでも感謝してください。拓雄君も、誰にも言わないって誓える?」

「も、もちろんです。あの、本当に誰にも言いませんから……」

「あーーん、むしろ学園にバラしたくなければ、先生セックスさせろとか言って欲しかったのにい」

 と、なおも未練が残るのか、彩子は拓雄の腕をがっしりと組んで、駄々をこねる。


 あんな目に遭いながらも、拓雄は彩子が教師をクビになることは望んでいなかったので、この事が誰かにバレないように気を付けないとと、堅く誓っていたのであった。

「拓雄君、もう帰りたいのよね?」

「は、はい」

「うん。君の意思確認は済んだわ。どうしても帰さないつもりなら、私もこの家に居つきますので。それでも構わなければ」

「あー、はいはい。その代わりー、ユリアちゃんが私の代わりに拓雄君とエッチするとかなしだからね。本当、学園に言ってやるんだから」

「しませんよ。さ、帰るわよ」

「はい。彩子先生、今日は失礼します……あの、僕、先生の気持ちは凄く嬉しいんですけど、まだそこまでしたいとかそういうのが……」

 帰り際に彩子に対して謝罪する拓雄であったが、彩子はそんな彼の姿を見て、

「ふふん、まだ完全にフラれてないって事ね。先生をキープするつもりなら、むしろ歓迎よ」

 と、嬉々として彼の手を握り、まだチャンスがある事に笑みを浮かべる。


 キープするとか、そんなつもりはなかったのだが、結局彩子の返事を保留してしまっているので、拓雄も罪悪感は残ってしまっていた。

「それじゃ、これで」

「うん、またねー。ちゅっ♡」

「――!」

 帰ろうとした所で、彩子が拓雄の頬にキスをし、拓雄も彼女の唇が頬に触れた瞬間、ドキっとして顔を真っ赤にさせる。

 まだまだ、彼女のアプローチは終わる気配なかったが、とにかくこの場を逃れる事が出来た事にホッとし、ユリアと共に家路に着いたのであった。


「あの、ユリア先生……今日はありがとうございました」

「お礼を言われるようなことじゃないんだけどね。拓雄君、今回の事は彩子先生も悪いけど、あなたもハッキリと拒否しないと駄目よ。キープするような態度は、本当なら、嫌悪感を持たれても仕方ないんだからね」

「はい……」

 ユリアと共に家路に着いている最中、彼女にそう釘を刺されてしまい、拓雄もシュンと落ち込む。

 ハッキリと拒否すれば済む事であったが、彩子の好意を目の当たりにして、どうしても断りきる事が出来ず、彼も優柔不断な自分に嫌悪感を持ってしまい、歯がゆい気持ちになっていた。


「まあ、本当なら先生である私たちが、こんな事をしたら、全責任は先生が取るんだけどね。それを覚悟のうえでやってるってことはわかって欲しいわね」

「はい……あの、ユリア先生はどうして、今日は?」

「んー? たまたま通りかかっただけよ」

「そ、そんな事は……」

 いくら何でも、彩子の自宅アパートの前をたまたま通りがかるなんてのは、言い訳として無理があり過ぎるので、拓雄も引いてしまうが、ユリアは平然とした顔をし、

「あなたが心配だから、後を付けていたのよ。それで、納得しなさい」

「は、はい」

 彼の手を繋いでユリアがそう告げると、拓雄もそう頷く。

 結局、今年も彼女たちに振り回される一年になりそうだと、拓雄も観念したのであった。

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