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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第七十話 クリスマスはどの先生と過ごしたい?

「もう、生徒に対するセクハラ、行きすぎですよ、すみれ先生」

「今更過ぎって言ってるでしょ。もう、一線超えまくってるんだから、乳見せたって変わりはしないわよ」

「すみれ先生、ちょっと下品すぎ……」

 すみれの罰ゲームに呆れて、ユリアも彩子も注意するが、相変わらず、懲りてる様子はなく、すみれは開き直って、拓雄の背中にまた胸を押し付ける。

 こんな日常にも慣れていたはずだが、流石に刺激が強すぎるので、拓雄も顔を赤くして、俯くばかりであった。


「そろそろ帰りましょう。もう遅くなっちゃったわ」

「そうね。と、その前に話があるわ、拓雄」

「何ですか?」

 彩子が帰ろうと立ち上がると、すみれが拓雄の腕に絡みつき、

「あんた、クリスマスの予定空けておきなさい。私ら三人の誰か一人とデートしてもらうわよ」

「え? 一人って……」

「鈍いわねえ。ここの美人教師たち、三人の誰と一緒にクリスマスを過ごしたいか決めておきなさいって言ってるのよ。わかったー?」

「え、えっと……」

 すみれに急にクリスマスの予定を告げられ、困惑していたが、彩子が対抗するように拓雄のもう片方の腕を組み、

「先生と一緒に過ごしたいよねー。なんせ、私たち、禁断の関係だし」

「また二人とも無茶を……」

「良いじゃない、クリスマスデートをした相手が拓雄の本命なんだから。それとも今、ここで相手を決めちゃう? 誰とクリスマスデートしたいか、言ってみなさい」

 すみれに腕を絡まれながら、拓雄は困った顔をして、考え込む。

 もう片方の腕を組んでいた彩子も緊張した面持ちで、拓雄の返事を待ち、ユリアも無関心を装いながらも、拓雄の返事がやはり気になって仕方なかった。


「ほら、早くう……やっぱり、私よね? 一番目の彼女なんだし」

「何言ってんですか、すみれ先生! 私が良いよねー、拓雄君」

「はう……」

 二人に促され、拓雄も更に困惑し、目を眩ませる。

 今、ここで答えを出すのは無理なので、仕方なく、


「さ、三人一緒が良いです」

「は?」

 拓雄が声を震わせながら、そう答えると、三人も静まり返る。

「先生達、皆と過ごしたいなあって……」

「…………」

 恐る恐る拓雄が、そう答え宇都、しばし気まずい沈黙が辺りを覆っていった。


「はあ……そう来たか。あんた、本当に優柔不断ねー。4Pなんて疲れるでしょう」

「よ、よ、4Pってはしたなさすぎです、すみれ先生っ!」

「事実なんだから、しょうがないじゃない。ああー、そんなことで誤魔化せると思ったの、拓雄ー? ちゃんと本命は一人に決めなさいって言ってるじゃない」

「で、でも、本当に……」

 すみれが拓雄の股間を手で摩りながら、耳元でなじるようにそう言うが、今、ここで選ぶことなど出来ず、彼はそう答えるしかなかったのであった。


「要するに選べないってことでしょう。いつまでもそんな態度じゃ困るんだけど」

「みんなと一緒の方が楽しいかと思って……」

「それもそうかもしれないけど、先生は拓雄君と二人で過ごしたいなあ……」

 ユリアもため息を付いて呆れたように言うが、拓雄の言葉も本心ではあり、どうせクリスマスを一緒に過ごすなら三人と一緒の方が楽しいという気持ちもあった。

「ま、あんたが私ら三人をいっぺんに相手出来るってなら、それでもかまわないわよ。クリスマスは覚悟しておくことね。夜は寝かさないんだから」

「もう、セクハラ発言は禁止ですよ! ムード台無し! でも、先生は出来れば拓雄君と二人だけが良いなー、なんて。よかったら、二人で過ごさない、ね?」

「でも……」

 彩子はなおも拓雄の腕にしがみついて、彼に食い下がり、返事を待つ。


 しかし、どうしてもこの場では選べず、泣きそうな顔をして、思わずユリアに視線を送ると、

「テストも近いんだし、その辺にしておきなさい。クリスマスの予定は期末試験が終わったら、改めて考えましょう」

「ふん、甘いわねえ、ユリア先生も。まあ、良いわ。クリスマスの予定は空けておきなさい。後、期末試験が終わった次の土曜日も」

「え? 何でですか?」

「鈍いわねえ、私とデートしてもらうわよ」

「ああ、抜け駆けずるいです。だったら、その日は私も一緒してやるんですから」

「ちょっ、もうしょうがないわね……」

 対抗するように、彩子も拓雄の腕を引っ張り、そう言うと、仕方なくすみれも了承する。


「私はその日、生徒会の集まりがあるから、無理よ。行くなら三人で遊びなさい」

「ふーん、余裕じゃない。ま、その日は私らで楽しませてもらうから、邪魔しないでね、ユリア先生ー」

「くす、楽しみね。それじゃ、試験終わったら、宜しくねー」

「「ちゅっ♡」」

 一方的にすみれと彩子がその日の予定を決めてしまい、二人がほぼ同時に拓雄の頬にキスをする。

 二人の唇を頬に感じながら、クリスマスまでまた三人に振り回されそうになると感じ、めまいがしていたのであった。


 その後は、期末試験までは平穏な日が続ぎ、最終日になり――

「はい、そこまで。答案用紙を回収してください」

 チャイムが鳴ったのと同時に、試験監督がそう言い、ようやく期末試験の全科目が終了する。

 試験が終わった解放感で、拓雄も安堵したと同時に、明日のことを考えると、陰鬱な気分になっていった。


「お疲れ様ー、拓雄君。試験、どうだった?」

「あ、彩子先生。まあまあ、でしたかね」

 中庭にある自販機に行き、ジュースを飲んで一息付こうとした所で、エプロンに身にまとった彩子が、拓雄に声をかける。

「くす、拓雄君がそう言うなら、手応えがあったみたいね。それより、明日、忘れないでね。十二時に先生の家に集合よ」

「あ、あの……」

「じゃあ、先生、部活があるから」

 そう彩子が小声で耳元で囁き、返事も待たず、美術室へと向かう。


 翌日――

「ここかな……」

 約束通り、彩子の住むマンションに行き、拓雄は彼女の部屋の前で、息を飲む。

 そして、意を決してインターホンを押すと、

「はーい。開いてるから、入って良いわよ」

「お邪魔します……」

「ふふん、いらっしゃーい♪」

 彩子に言われて、中に入ると、既に着ていたすみれと彩子が玄関に来て、彼を出迎える。


「よく来てくれたわあ。へへ、どう、先生たちのドレス?」

「あ、あの……」

 二人はキャミソールの黒のドレスを着ており、その艶やかな姿を無垢な教え子に見せつける。

 まるで、キャバクラ嬢のような刺激的な格好に、拓雄も目を背けそうになってしまったが、すみれも胸元を彼に見せつけるように寄せ、

「今日はクリスマス、私と彩子先生のどっちとクリスマスデートしたいか決める日よー……ユリア先生とは後で決着付けるから、そのつもりで」

「むう、やっぱり、拓雄君、ユリア先生が本命なのかしら……」

「そ、そんな事は……」

「わかってるわよ、本命はユリア先生なんでしょう。まあ、今の内よ、そんなことを言ってられるのも。さあ、そこに座りなさーい♪ ちゅっ♡」

 図星を突かれて動揺していた拓雄を、すみれがリビングのソファーに招き寄せて、彼を強引に座らせ頬にキスる。

 今日のことだけでも、頭が痛いのに、クリスマスまでに三人にアプローチされるとなると、憂鬱な気分になり、泣きそうなっていたのであった。



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