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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第六十ニ話 先生達との勉強会の成果は……

「先生、出来ました」

「どれどれ……」

 明日の中間テストに備えた勉強会が始まって数時間が経ち、ユリアが出した課題を終えた拓雄が彼女に提出し、手早く採点を始める。

「うん、良いんじゃない。この調子で明日も頑張りなさい」

「はい」

「むううう……」

 採点を終えたユリアが淡々とした口調で拓雄に答案を返却してそう言うと、彩子が不満気な顔をして、

「何ですか、彩子先生?」

「ちょっとつまらないです。二人は拓雄君に付きっきりで勉強見てるのに、私は見ているだけなんて」

「そんな事言ってもしょうがないじゃない。明日は私とユリア先生の担当の英語と数学なんだし。美術は何か試験の代わりの課題、出してるんでしょう?」

「そうですけど、私も拓雄君と付きっきりで勉強したいんですよ。ねえ、試験終わったら、美術の試験受けてみない? もちろん拓雄君だけの特別試験」

「意味わかんないですし。つか、次は私の番よ。ほら、テキスト開きなさい。先生が、マンツーマンでみっちりとしごいてあげるから♪」

「はうう……」

 すみれが後ろから抱きついて、胸を後頭部に押し付けながらそう迫り、拓雄も顔を真っ赤にする。

 こんなスキンシップももはや、日常的になってしまったが、拓雄はまだ慣れることは出来ず、彼女の豊かで柔らかい胸を頭に感じて、黙り込むしかなかった。

「くくく、テストで良い点取ったら、もっとご褒美をしてやっても良いわよ」

「すみれ先生、あまり調子に乗らないで。今日はあくまでも勉強会で呼んだのよ」

「わかっているわよ。全くお堅いわねえ、ユリア先生も」

「教師が堅くないと、生徒に示しが付かないと思いますけど」

 と、呆れた顔をしてユリアも溜息を付いて、すみれに釘を刺すが、すみれはもはや何を言っても聞く耳など持つ気はなく、マイペースに生徒である拓雄に抱きついて、セクハラの限りを尽くしていたのであった。

「ほら、教科書開きなさい。さっきの続きよ。今、やる所、テストに出るから、ちゃんとやっておきなさい」

「は、はい」

 すみれに指示されて、教科書を開き、数学のテスト勉強の続きをする。

 英語と数学を一時間おきくらいにやり、終わる頃にはすっかり日が暮れてしまったのであった。


「んーーー、お疲れ様。どう、みっちり勉強会やった気分は?」

「とても勉強になりました。ありがとうございます」

 日が暮れた頃になって、やっと勉強会も終了し、拓雄もグッタリしながら、ホッと息をつく。

「ふふ、お疲れ様。ココア飲む?」

「あ、はい。いただきます」

 彩子が差し出したホットココアを手に取り、拓雄が口に入れる。

「じゃあ、もう帰りましょうか。と言いたいところだけど、ユリア先生。あなた、今日、拓雄に勉強見てあげただけで終わったじゃない」

「それが何か?」

「いや、何か作ってあげたりさあ。折角、密室でアピールするチャンスなんだから、もっとサービスしてあげなさいよ」

「今日はテスト勉強見てあげるって話なので、それ以上のことをするつもりはありません。大体、明日、テスト本番なのに、気が散るような事をやってどうするんですか?」

「くす、ユリアちゃん、やっぱり真面目ねえ。教師の鑑」

と、あくまでも勉強以外のことはやらないと頑なになっていた、ユリアを茶化すようなことを言う、すみれと彩子であったが、ユリアは全く動じず、

「二人とももっと真面目にならないと、拓雄君に嫌われますよ。過剰な色仕掛けは、明らかに迷惑していますから」

「ふん、どうだか。先生のおっぱい、揉みたいわよねー、拓雄?」

「は、はうう……」

 すみれが拓雄の手を掴んで、自身の胸に彼の手を押し付けて強引に揉ませる。

 ブラウス越しとは言え、すみれの豊満な乳房の感触が、手の平全体を包み込み、すみれに促されるがまま、彼女の胸を揉まされ、顔を赤くしていったのであった。


「あーー、ずるい。ねえ、先生のも触る?」

「あ、こら」

「いい加減にしなさい、二人とも。あんまり、おふざけが過ぎると、本当に問題にするわよ」

「問題にするねえ……自分だって、教師として一線を越えてる癖に、まだ言うのかしら? お互い、拓雄にやりたい放題するのを黙認するって条件で、こうしてつるんでいるの忘れていない?」

「二人はやり過ぎなの。拓雄君に嫌われないように、私からもアドバイスしているのがわからない?」

「はいはい。じゃあ、もう帰りましょうねえ。拓雄ー、明日のテストで八十点以上取ったら、先生からご褒美あげるから、楽しみにしててね。ちゅっ♡」

「あ、私もおっ! テストがんばってね。ちゅっ♡」

「――っ!」

 すみれと彩子がそれぞれ、拓雄の頬にキスをして、三人との勉強会がようやく終了する。

 顔を紅潮させながら、部屋を出て、放心状態のまま家まで送ってもらい、明日の試験に臨んだのであった。


 翌日――

「では始め」

 試験監督の教師の合図で、数学の試験が始まり、生徒達が一斉に解答を始める。

 一時間目の英語のテストはまずまずの手応えだったので、拓雄も折角、三人が勉強を見てくれたのだから、頑張らないとと意気込んでいた所、

(あれ、この問題って……)

 第一問目の問題に目を通した所で拓雄も即座に気が付く。

 それは昨日の勉強会の際に、すみれがテストに出るぞと教えた問題と全く同じであった。

 他の問題にも目を通してみると、彼女が小テストで出したのと同じ問題がいくつもあり、拓雄も一瞬、目を疑っていた。

(い、良いのかなこれ……)

 ハッキリと言われていた訳ではないが、事前にテストの問題を教えられてしまい、拓雄も後ろめたい気持ちになる。

 流石に昨日教わった問題と同じのが出るとは思わなかったので、拓雄も動揺してしまい、このまま解答して良いのか悩んでいた。


「はーい、みんなちゃんとやってる? なにか質問ある人いないかしら?」

 試験が開始して十分ほど経ち、すみれが教室に入って来て、質問がないか聞きに来た。

 教室を見回りし、拓雄の席の前に来た所で、

「何も質問はないわね?」

 彼に意味深な視線を送った後、そう言い、教室を後にした。

 拓雄はすみれの背中を見た後、結局、解答を進めてしまい、数学のテストを終えてしまったのであった。


 数日後――

「じゃあ、この前の試験返すわよ」

 数学の時間になり、すみれが答案を返却し、間もなく拓雄の番になり、

「はい。今回は頑張ったじゃない」

「――! は、はい……」

 イタズラっぽい笑みを浮かべながら、拓雄に答案用紙を手渡し、拓雄もぎこちない笑みて受け取り、点数を見る。

 87点――高校に入ってから、数学のテストの出来としては最高の点数だった。

「じゃあ、問題の解説を始めるわね。一問目の解答は……」

 が、素直に喜べず、すみれもそんな彼を愉快そうに見下ろしながら、テスト問題の解説を進めていったのであった。

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