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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第六十一話 先生達との試験勉強会で

「という訳で、明日から中間試験があります。悪い点を取ったら、普通クラスに落とされるんだから、気合入れてやりなさいよ」

 簡単に連絡事項を告げたすみれが教壇を叩いてそう言い、教室から去っていく。

 明日から中間テストが始まるということで、いつも以上に張り詰めた空気が、教室に漂っており、拓雄も早く帰って試験勉強をしようと教室を出ると、

「待ちなさい、拓雄」

「は、はい?」

 急にすみれに呼び止められたので、

「今日、これから暇?」

「えっと、これから帰って試験勉強を……」

「そんな当たり前の話を聞いてるんじゃないの。これから、何か予定があるかって聞いてるのよ」

「いえ、ないです!」

「ふふ、そう。なら、付いて来なさい。話があるわ」

 何か嫌な予感がしたので、逃げようとした拓雄であったが、すみれは有無を言わさず、彼の腕を掴んで来いと目で睨んできたので、止むを得ず、すみれの後に付いて行く。

 大体、何をされるか予想は付いていたが、中間試験も近い時期なので、あまり彼女に逆らうのも怖いと思って、ノコノコと付いていったのであった。


「あーん、拓雄くん。いらっしゃい」

 いつもの様に美術準備室に連れて行かれ、中に彩子とユリアの二人が既に待っていた。

「どうしたんですか?」

「明日から、中間テストよね? 勉強はどう?」

「まあまあです……」

 ユリアにそう心配そうに聞かれると、拓雄も目を逸らして、無難な答えを返す。

「ふーーん、まあまあね。随分、自信があるじゃない。ねえ、今度の日曜、暇かしら?」

「は、はい?」

 彩子が後ろから拓雄に抱きつき、そう言って来ると、拓雄も目をパチクリとさせる。

「先生たちと勉強会しない? 月曜は英語と数学のテストがあるから、ちょうど良いわよね?」

「は、はあ……」

 テストの日程は、明日の金曜日が初日で、土曜日、月曜、火曜までの四日間で、日曜日を間に挟む日程になるので、彼女たちが勉強を見てくれるならと、拓雄も一応頷く。

 だが、もちろん、ただの勉強会などではなかった。

「じゃあ、決まりねー。集合場所はそうね……私の家とかどう?」

「ふふ、楽しみだわ。あ、先生が送っていくからね」

「はい……」

 なぜ、テスト期間中であるのに、わざわざ四人で集まるのかと首を傾げていたが、いつものことだと諦めてしまい、誘いに乗ってしまったのであった。


「はーーい、いらっしゃい♪ 中に入って」

 日曜日の昼前、彩子の車ですみれの自宅のマンションにまで案内され、すみれに招かれ、中に入っていく。

 既にユリアも中におり、この四人でプライベートで会うのにもすっかり慣れてしまった彼は、どこか実家にいるような安心感すら覚えるようになってしまっていた。

「おじゃまします……えっと、今日は……?」

「勉強会に決まってるじゃない。明日は、私の担当の数学と、ユリア先生の担当の英語よね。だから、私たちが見てあげるわ」

「彩子先生は?」

「私はちゃんとまじめに勉強をしているか、監督する役よ。くすくす……ちゃんと真面目にやりましょうね」

「じゃあ、まずは英語からよ。教科書は持って来てるわよね?」

「はい」

 ユリアに促されて、英語の教科書とノート、教材を出した拓雄が、早速試験勉強に取り掛かる。

 どうやら、まじめに試験勉強をするみたいなので、安堵し、家に居るときと同じ様な感覚で勉強に打ち込んでいったのであった。


「くすくす、ねえ、そろそろ休憩にしない?」

 一時間半ほど経ち、すみれが休憩に入ると言い出し、拓雄も一息ついて、体の力を抜く。

 だが、休憩に入って間もなく、彩子が、

「拓雄君、お疲れ様。お腹が空いたでしょう? うどん作ったから、食べて、食べて」

「あ、いただきます」

 いつの間にか彩子が昼食用に月見うどんを作り、うどんの入った丼を拓雄に差し出す。

 食欲をそそるうどんの出汁の香りに、空腹になっていた拓雄も食いつき、

「どう、美味しい?」

「はい。ありがとうございます」

「ふふ、嬉しいわあ」

「はい、拓雄」

「え?」

 うどんをすすっている途中で、今度はすみれがおにぎりを二個、小皿に盛って差し出し、

「うどんだけじゃ足りないでしょう? 先生が特別におにぎりを作ってあげたわ。感謝して食べることね」

「ありがとうございます」

 すみれが胸を張ってそう言って来たので、拓雄も素直に頷いて、彼女が作ったおにぎりを頬張り始める。

 塩もほどよく効いており、中々美味しかったので、あっさりと平らげてしまった。

「ねえ、先生たちの作ったご飯、どう?」

「美味しいですよ」

「本当? 嬉しいわ。ね、先生の作ったご飯、毎日食べてみたい?」

「は、はい?」

 彩子が突然、そんなことを訊いてきたので、拓雄も残りのうどんをすすりながら、面食らった顔をして言葉を詰まらせる。

「だから、嫁にするなら、どっちが良いかって聞いてるのよ。私と結婚したら、毎日、こんな料理作ってあげるわよ」

「そんな事をいきなり言われても……」

「あーん、拓雄君、先生の作った月見うどん、美味しくなかった?」

「いえ! そんな事は……」

 うどんとおにぎりを食べた位で、そんな大それた事を決められるはずは無いのだが、彩子とすみれは両脇から抱きついて、そう迫って来る。

「ほら、答えなさい。私と彩子先生のどっちを嫁にしたいか。答えないと、今日はこのまま帰さないわよ〜〜……くくく……」

「はうう〜〜……」

 すみれが体を密着させながら、そう迫り、拓雄も顔を真っ赤にしながら、口籠る。

 彩子も彼の腕にがっしりと絡み付き、恋人に甘えるような顔をして、頬ずりして、教え子を露骨に籠絡しようとしていた。

「止めなさい、二人とも。拓雄君、困ってるわよ」

「むしろ、困らせてんのよ。この子がいつまで経ってもハッキリしないんだから。ほら、先生と付き合いなさいよ。おっぱい揉みたいんでしょ、さあ」

「あん、私だってえ……」

 堪らず、ユリアが制止に入るが、すみれは彼の手を掴んで強引に胸に押し付け、彩子も腕を更にギュッと掴んで、引き寄せようとする。

 手の平にすみれの大きな胸がフィットして、拓雄も顔を真っ赤にして、俯いてしまい、何も答えることが出来なくなってしまった。


「ふん、ヘタレが。あーあ、つまんないわね。こんな美人先生が胸を揉ませてやってんのに」

「すみれ先生は露骨過ぎなんです。拓雄君、ゴメンね。でも、試験勉強より、先生とイチャつきたいなーって思ったら、いつでも言ってね」

 これ以上はやっても無駄と悟った二人がやっと離れ、拓雄も安堵する。

「じゃ、数学の試験勉強の続きね、その前に……」

「へへ……」

「「ちゅっ♡」」

「――――!」

 彩子とすみれが拓雄の頬に同時にキスをし、彼女らの唇が頬に触れた瞬間、顔が紅潮して、体がビクっと跳ねる。 

 三人との試験勉強の名を借りたなにかはまだまだ続くのであった。


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