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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第五十三話 お家デートのあとは抜き打ち家庭訪問

「はい、あーんして♡」

「うう……」

 風呂から出た後、三人が昼食にパスタを作り、ソファーで拓雄の隣に密着して座っていた彩子が彼にあーんして食べさせていく。

 その隣ではすみれが体を擦りつけながら、

「ったく、あんたも可愛い顔をしてるくせにしぶといわねえ。ここまでやって、襲いもしないなんて、逆に先生達に失礼だと思わないの? んー? ちゅっ♡」

 と頬を膨らませながら言い、何度も頬にキスしていく。

 彼女らのセクハラ行為に悩まされていた拓雄であったが、彩子もすみれも手を緩める気配はなく、ひたすら押しまくって、教え子と既成事実を作ろうと、追い込んでいた。

「二人とも止めなさい。行儀が悪いわよ。仮にも教師なんだから、プライベートでも生徒の前ではしっかりなさい」

「おーおー、ユリア先生はお固いですねえ。まっ、これも美人の余裕って奴かしら?」

「やーん、ユリアちゃんより、先生の方が良いよね? ね?」

 と、二人の過剰なまでの接待を見て見兼ねたユリアが注意するが、すみれも彩子も一向に聞く気配はなく、むしろ見せ付けるように、体をくっつけて、彼に頬ずりしていく。

 こんなアプローチもすっかり日常的になってしまったが、それでも慣れる事はなく、二人に揉み合いになりながら、嬉しくも窮屈な気分のまま、ランチタイムは過ぎていったのであった。


「さあ、これから何しようか。四人いるし、麻雀でもやる?」

「私、ルール知らないんですけど」

「そうですよ。第一、教え子がいるのに、賭け事なんかしちゃ駄目ですう」

「別に賭けなんかしないわよ。拓雄は、何がしたい? んー? たまにはあんたがちゃんとリードなさいよ」

 昼食を食べ、片付けも終わって一息付いた所で、リビングで四人がくつろぎながら、何をするか話し合う。

 拓雄はすみれにがっしりと腕を組まれた挙げ句、胸をぎゅっと押し付けられていた。

「よくわからないです……」

「ったく、拓雄はいつもそうね。頼めば抱かせてくれるお姉さんが三人も居るんだから、乱交パーティーでもしたいとか、言ってみなさいよ」

「ら、ら、乱交パーティー……! やーん、不潔過ぎるわよ、拓雄君! でも、どうしてもって言うなら、先生、考えても良いかなー、なんて……」

「はあ……しょうがないわね、三人とも……」

 相変わらず、下劣な事を平然と言ってのけるすみれと彩子にユリアも溜息を付いていたが、それに易々と振り回されている拓雄にも呆れ始めていた。

「そうだ。拓雄君、膝枕してあげるね」

「え?」

 彩子が何を思いついたのか、そう言うと、拓雄の手を引き、膝枕をさせていった。


「くす、拓雄君、どう? 気持ち良い?」

「は、はい……」

 ソファーに座った彩子が拓雄を膝枕し、耳掃除をしていく。

 彼女の柔らかい膝枕にドキドキしてしまい、顔を真っ赤にして彩子の耳掻きに身を委ねていた拓雄だが、そんな彼の様子も可愛らしく思えてしまい、耳かきで嬉しそうに彩子も耳掃除をしていったのであった。

「良いわねー、こんな美人の先生に膝枕してもらえるなんて。ほら、代わってよ、彩子せんせー」

「すみれ先生は、散々、拓雄君の体に密着していたじゃないですか。はーい、今度は反対側よ」

「まって、彩子先生」

「何、ユリアちゃん?」

「今度は私にやらせて」

「えっ? 急にどうしたの?」

「私もしたいから。良いですよね?」

 反対側の耳を掃除しようとした彩子に、ユリアが待ったをかけて、自分もやりたいと言い出してきた。

「おっ、ユリア先生も攻めて来たねー。良いわよ、面白くなって来たじゃない」

「感心している場合じゃありません! 今、私がやってるんですけど!」

「うん。だから、代わって。私も拓雄にやりたいから。良いわよね?」

「う……は、はい。お願いします……」

 思わぬユリアの申し出に拓雄も彩子やすみれも驚いていたが、ユリアの真剣な眼差しを見て、彼女の綺麗な瞳に吸い込まれる様に了承する。


「ん……こうかしら」

 ユリアに膝枕された拓雄が、彼女にぎこちない手付きながらも、耳かきをされる。

 膝枕して、誰かに耳掃除をするなど、初めての経験だったので、勝手がわからなかったが、耳かきを奥まで突っ込み、ガリガリと中を回して擦っていった。

(ゆ、ユリア先生に膝枕されるなんて……)

 学園でも一番の美人教師に膝枕されるなど、それだけで夢を見ているみたいな気分になっていた拓雄は顔を真っ赤にして、心臓を不規則に高鳴らせており、彼女の太股を頭で感じながら、顔を真っ赤にして硬直するばかりであった。

「ど、どう拓雄?」

「ふえっ? き、気持ち良いです……」

「そう……初めてだから、ちょっとよくわからなくて。痛かったら、遠慮なく言って」

「はい……」

「ヒューー、初々しいわねえ。憧れのユリア先生に膝枕されて、すっかり鼻の下、伸ばしちゃって」

「うう……わ、私の方がよかったよね、拓雄君?」

 ユリアに耳かきをされて、顔を真っ赤にしていた拓雄を見て、すみれも彩子も嫉妬してしまい、嫌味を言ってきたが、そんな妬みも二人は耳に入らなかったのであった。


「じゃあ、これからちょっと出かけましょう」

「良いけど、何処行くの?」

「その辺、ドライブしましょう」

 ユリアの耳掃除が終わると、彩子がそう提案し、四人がまた部屋を出る。

 そして、彩子の車に乗り込み、彼女の運転でまた出かける事になったのであった。


「ふふん、何処に行く気ですか、彩子先生ー?」

「別に何処でも良いじゃないですか。ふふ、もうすぐ着きますよー」

 今度は拓雄が助手席に座らされ、彩子が意味深な笑みを浮かべながら、車を走らせていく。

 嫌な予感がしていたが、結局、行き先は最後まで教えてもらえなかった。


「さあ、着いたわよ」

「え? ここって……」

 到着した先は、拓雄の自宅の前……正確には、彼の家の前にあるユリアのアパートの駐車場であった。

「あら、家まで送ってくれたんですか、彩子先生」

「ええ。今度はユリアちゃんの家で遊ぼうと思って。それとも、拓雄君の家についでにお邪魔しちゃう?」

「良いわね、それ。抜き打ち家庭訪問って事で」

「そ、それはっ!」

 彩子達がそう言うと、拓雄も一気に青ざめて助手席で狼狽する。

 しかし、彼女らは冗談ではなく、

「何よ、担任として、ご家族に挨拶しないといけないと思わない?」

「それは正論かもしれないけど、いきなり押しかけちゃ迷惑よ」

「良いじゃない。たまたま、駅前で会ったから、家まで送ってあげたとかでも言えば」

「そう、それ良いわね。じゃあ、早速、行きましょう」

「ちょっ、困りますっ!」

 そう言って、車から降りていった三人を慌てて追いかける拓雄。

 今日は家族が滞在しているので、三人と会わせるわけにはいかないと、必死に引きとめ、

「お、お願いしますう……今日は親も妹もいるんです……」

「へえ、妹さんいたんだ、拓雄君。それなら、挨拶しないと」

「困ります! 本当に止めてください」

「うるさいわねえ。ちょっと挨拶するくらいで帰るわよ。ほら、さっさと呼び鈴鳴らすか、鍵開けるかしなさい」

「うう……」


 すみれに促されて、玄関のドアの鍵を渋々開けていく。

 車庫を見たら、親の車がなかったので、買い物にでも行ってると思い、誰にもいない可能性にかけたのであった。

「た、ただいま……」

 玄関を恐る恐る開けて、中を伺う拓雄。

 シーンと静まり返っているので、誰もいないのかと思い、安堵したが、

「あら、もう帰って来たの」

「っ!?」

ドアを開けると、母とまだ小学生の妹が玄関にやってきて、息子を出迎える。

「こんにちはー」

「へ?」

 すみれが元気の良い掛け声で、彼の後ろから入り込むと、拓雄の母も目を点にする。

「ふふ、すみません、突然、お邪魔しちゃって。私、拓雄君の担任のすみれでーす。お母さんとは、前に保護者会でお会いしましたよね?」

「え、ええ……息子が何か?」

「ふふん、同僚の友達と遊びに行ってる最中に、ちょっと駅前でお会いしたので、ついでに車で送ったんです。そのついでに、ご挨拶をと」

「は、はあ……それはどうも……」

 と言って、すみれが母親と彼女の後ろにしがみついていた拓雄の妹に告げ、母親もぎこちない笑顔で一礼する。

 明らかに不自然ではあったが、取り敢えず、たまたま会って送ってあげたのだと納得し、一先ずお礼を言う。

「どうもー。美術教師をしている真中彩子です。拓雄君にはいつもとってもお世話になってます」

 すみれが挨拶している間に、彩子とユリアも家に入ってきてしまい、次々と挨拶していく。

 突然の彼女らの家庭訪問に拓雄の母も動揺していていたが、それ以上に拓雄の方が緊張してしまい、困惑して、どうすれば良いかわからずにいたのであった。


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