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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第三十六話 先生たちは旅行最終日も生徒の取り合いをする

「今日でこの別荘ともお別れかあ」

 翌朝、四人で朝食を摂り、部屋の掃除をした後、自分たちが過ごした別荘を感慨深げに見つめる。

 短い間だったが、先生達と過ごした別荘と今日でお別れだと思うと、拓雄も何だか寂しくなっていた。

「三人が希望するなら、また近い内に来れば良いわ」

「おっ、頼みますよ、ユリア先生」

「ふふ、楽しみね。拓雄君もまた一緒しましょう」

「はい」

 拓雄も心から、そう返事し、すみれ、彩子、ユリアの三人も嬉しそうに微笑む。

 最初は、テストで良い点が取れなかった罰ゲームとして付き合わされたのであったが、そんな事は忘れてしまう程、彼女らとの旅行は楽しく充実した物であり、また時間を戻して、繰り返したい程であった。

「へへ、今度は拓雄君と二人で行きたいなあ」

「それは、彼が卒業してからね。今、二人きりの旅行なんかして、バレたら大問題になっちゃうから」

「バレなきゃ、オッケー♪ 今度のテストで、九十点以上取ったら、私と二人で旅行してあげる」

「むっ! なら、今度の美術の課題で、六十点以上取ったら……いえ、そんな条件つけなくても、先生と二人で旅行したかったら、いつでも言ってね。もう、有給取ってでも、付き合うから」

 と、すみれと彩子が彼の腕を組んで、対抗する様に、そう誘ってきたので、拓雄も困った顔をする。

 彩子は特に本気であり、近い内に拓雄と二人きりでデートしようと画策していたが、これから、文化祭の準備で忙しくなってしまうので、中々時間が取れずに悩んでいた。

「ねえ、真中先生」

「何ですか

「ほら、もう行くわよ」

「はーい」

 ユリアが溜息を付いて、そう告げると、四人が車に乗り込み、彩子が運転して、車を走らせる。


「んーーー、ちょっと休憩ね」

 高速道路のサービスエリアに立ち寄り、ここで昼食を摂って、小休止する事にする。

「ねえ、拓雄君。何、食べたい? 先生、奢っちゃうよ」

「あ、えっと……じゃあ、ハンバーガーでも食べようかと」

「ハンバーガー! わかったわ。すぐ買ってくるね」

「え? あ、彩子先生」

 車を止めるや、彩子は拓雄に何を食べたいか聞き出すと、即座に売店に向かい、ハンバーガーとドリンク、ポテトを買いに行ってしまった。

「全く、良い所を見せようと必死ね、真中先生も」

「本当。先が思いやられるわ」

 車のシートに背をもたれさせながら、真っ先に売店へと走っていった、彩子を呆れた顔で見つめるユリアとすみれ。

 拓雄もねだるような事を言ってしまい、悪い事をしてしまったと後悔していたが、

「あの、先生達は、お昼食べないんですか?」

「食べるわよー。でも、ちょっとここでのんびりしたいわ。ふふ、拓雄は先生たちとここで、色々エッチな事、しちゃう?」

「え、エッチな事って……」

「カーセックスとか。あんたも憧れてるんでしょう?」

「か、カー……」

 後部座席の隣に座っていたすみれが、拓雄に寄りかかりながら、彼の太股を手で擦って甘い声でとんでもない事を囁く。

 教師とは思えないセクハラ発言に、拓雄も顔を真っ赤にしていたが、助手席に座っていたユリアは溜息を付き、

「拓雄君も紳士的ね。ここまで迫られてるなら、むしろ遠慮することないんじゃない?」

「え、遠慮って……」

「そうだぞ、拓雄。据え膳食わぬは何とやらと言うじゃない。ちょうど、人気もないし、ここで先生といっちょやってみる?」

「はうう……」

 タンクトップとジーンズと言うラフな格好をしていたすみれが、いつになく積極的に迫ってきた上に、そのまま押し倒してしまう。

 ユリアが前の席で見ていたが、呆れて止める気も起きなかったのか、

「私、トイレに行ってくる」

「いってらっしゃーい。さあ、これで二人きりよ」

 と言って外に出てしまい、すみれもサンシェードを窓にかけて外から見えないようにして、教え子の股をまさぐっていった。

「先生のおっぱい、見たい? 見たいって素直に言えば見せてあげるわ」

「う……」

 そんな事をユリアが見ている前で口が裂けても言えないのだが、目の前にすみれのタンクトップに覆われたはちきれんばかりの大きな胸が眼前に突きつけられ、今にも手を伸ばして、揉みたくなりたい衝動に駆られていた。

「くす、見せてあげるわよー、爆乳美人教師の、おっぱいを」

 既に教師として一線を越えた行為――すみれも彩子もまさか、自分を本気で好きなのかと、理性と性欲が逡巡して、目を回していた拓雄であったが、すみれはそんな彼をあざ笑うように肩紐をずらして、徐々に胸を曝け出そうとしていた。


「お待たせー♪ って、ああっ! な、何やってるんですか、すみれ先生!」

「ちっ……真中先生、もう帰ってきたんですか」

 思わず胸に手を伸ばそうとしたところで、彩子が戻ってきてドアを開け、すみれも舌打ちして、

「ま、まさか、私の車で、カーセックス……不潔です!」

「冗談よ、冗談」

「冗談では済みません! わ、私だって彼としたいのに、我慢してるんですよ!」

「ちょっ、声が大きいですって」

 と、彩子も抜け駆けをされた事に怒って、後部座席に無理矢理、侵入し、拓雄に抱きついてくる。

 狭い社内で、二人に腕を引っ張られて揉み合いになり、拓雄も息苦しさを感じていたが、二人ともこの状況ではあまり大胆な事はやりにくいと観念し、

「はあ……ま、今日はこの位にしておきましょうか」

「そうですね。んもう、駄目よ、拓雄君。今度から、すみれ先生に何か変な事をされたら、すぐに先生に言ってね。真っ先に飛んでくるから」

「は、はい」

「いや、それはむしろこっちの台詞。拓雄も真中先生に変な事されたら、すぐに担任の私に言いなさい。すぐ何とかするから」

「うう……」

二人ともまんま同じ事を言い、彩子も悔しそうにすみれと睨みあう。

「お待たせ」

「あ、ユリアちゃん」

その間にユリアも帰ってきたので、

「何やってるの、三人で?」

「別にー。ま、今日はこの辺にしておきましょうか」

「そうですね。拓雄君も疲れてるみたいですし。じゃあ、そろそろ行きましょう。ごめんね、引っ張ったりして。ちゅっ♡」

「――!」

彩子が彼の頬にキスをすると、すみれも頬を膨らませ、

「あーー、じゃあ私も。ちゅっ♡」

「む……じゃあ、今度は私だって」

「「ちゅっ」」

すみれも対抗して頬にキスをし、それを見た彩子がまた彼の頬にキスをしようとすると、すみれも同時にキスをしてしまい、二人の唇が頬に密着する。

窓にシェードがかかっていたので、外から見えなかったが、あまりに大胆な行動に、拓雄も驚いてしまい、顔を真っ赤にして、呆然としていたのであった。


「じゃあねー、拓雄君、ユリアちゃん」

「さようなら」

彩子がユリアと拓雄を自宅近くまで車で送り、ようやくこれで旅行が終了する。

あれから、道草をしたので、帰る頃には暗くなってしまい、拓雄もグッタリしていた。

「ねえ、拓雄君」

「はい?」

「さっき、先生たちにキスされた事、誰にも言ったら駄目よ」

「い、言いませんよ」

「当然ね。彩子先生もすみれ先生もクビになっちゃうもの。二人がクビになって欲しい?」

「そ、そんな事は……」

 真剣なまなざしでユリアが拓雄にそう言い、彼も口を濁らせながらも、首を横に振る。

 すみれと彩子の行為は完全に一線を踏み越えている問題行為であるのは、拓雄も認識していたので、言い触らす気など毛頭なかったが、ユリアは、念を押すように、

「これから、二人はあなたにもっと過激なアプローチをしてくるかもしれないけど、何をしても、私以外には口外しちゃ駄目よ。彼女たちを想う気持ちがあるなら、なおさら」

「は……はい」

 ユリアの忠告に、拓雄もうんと頷く。

 既に二人が好意を抱いている事には疑いはなかったが、それが知られたら、彼女達は即解雇されてしまい、二度と学園生活は送れなくなる。

 立場上はむしろ彼女達のほうが悪いのだが、とにかくすみれと彩子が自分にした事が周囲に知られないように気をつけねばと彼も肝に銘じていたのであった。


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