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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第三十三話 先生達との海旅行はまだ二日目

「んーー。ここのラーメン美味しいわね」

「はい。海の家でのラーメンは特別ですね」

 昼になり、四人で近くの海の家に行って、昼食を摂る。

 拓雄もラーメンとおにぎりを注文したが、彼女らの奢りなので、遠慮しがちに食べていた。

「拓雄君、それで足りるの?」

「はい、大丈夫です」

「そう。お腹が空いたら、この煮卵、食べても良いわよ」

「あーー、ユリアちゃん、また拓雄君に良い格好してるう」

「別に格好つけてる訳じゃないんですけど。それ言ったら、彩子先生の方があからさま過ぎますよ」

 隣に座っていたユリアが別に注文した煮卵を差し出すと、拓雄の向かい側にいた彩子が頬を膨らませる。

 男子生徒に露骨にアプローチをしかけている二人をすみれがニヤニヤ見つめながら、

「ふふ、二人とも程々にしましょうねー。何処で誰が見ているかわかりはしないんだから」

「まあ、大丈夫じゃないですか。まさか、こんな所にウチの生徒や教員が来るとは思いませんから。仮に見られても、三人で旅行中にたまたま拓雄君と会ったと言えば良いんですよ」

「たまたまって……」

「拓雄君、この辺に親戚とか居る? なら、その人に会いに行ったついでに、私達に偶然会ったとでも言っておいて」

「居ませんけど……まあ、そういう事にしておきますね」

 そう都合よく、親戚など居る物ではないので、ユリアの言い訳も苦しいのではないかと、拓雄も首を傾げていたが、他に言い訳も思いつかないので、彼女らの言う通りにしておく。

 しかし、そこまでして何故、自分をこの旅行に三人が誘ったのかと気になっていたが、答えを聞くのがどうも怖くて、聞き出せなかった。

 彼女らの気持ちに薄々、彼も気づいていたからだ。


「んーーー。ご馳走様。んじゃ、お昼からどうする?」

「ビーチバレーでもしましょうか」

「良いわね。でも、コートとかある?」

「ないけど、別になくても出来るでしょう。ボールなら用意してあるから。こっちなら、人も居ないわ」

 海の家から出た後、ビーチバレーをする為、人があまりいない向こうの砂浜へと四人で行き、ユリアに案内される。


「じゃあ、拓雄君は私とね」

「ちょっと、勝手にきめないでくださいよ真中先生」

 早速、彩子が卓生の腕に絡み付いて、一方的にコンビを組むと告げるが、すみれも即座に拓雄の手を握り、

「ペアを組むなら、担任の私とがいいわよねー?」

「公私混同です、そんなの! 大体、この三人の中で一番運動が苦手なのは私なんですから、拓雄君と組むのは私じゃないと、私が不利じゃないですか」

「まあ、彩子先生の言い分もわかるわ。今回はそれで良いんじゃない」

「ぶうう……しょうがないわね」

 実際、彩子は他の二人と比べると、運動能力が大きく劣っていたので、男の拓雄と組むのに一番良いとユリアも納得し、すみれも不満そうに彼から離れる。

「あの、僕、ビーチバレーやった事ないんですけど」

「バレーボールなら、体育でしてるでしょう。別にお遊びなんだから、細かいルールまでうるさく言わないわ。先に七点取った方が勝ち」

「負けたら、何か奢りね」

「賭け事は駄目と言ったでしょう。負けても罰ゲームは一切なしよ」

 と、すみれにまた釘を刺した後、すみれとユリア、彩子と拓雄のペアに別れて、ビーチバレーを始める。


「んじゃ、私らからね。えい」

 ユリアが先にサーブをし、拓雄がぎこちない手つきながらもレシーブをする。

 砂浜は予想以上に足を取られて動きにくく、素人の四人も走り回るのに苦戦していた。

「くっ! えいっ!」

「ああーーん、またやられた……」

 だが、そんな中でもすみれがジャンプして華麗にスパイクを決め、どんどんリードを広げる。

 四人の中で一番、運動能力が高く、ビーチバレーも友人と昔、やった事があるので、素人同士の試合では彼女が抜きん出た活躍をしていた。

「へへ、どうだ」

「流石ですね、すみれ先生」

「そうよねー。拓雄ー、先生と組まなかった事、後悔してるでしょう?」

「べ、別に……」

「むうう……大丈夫、まだ頑張ろう、拓雄君」

「はい」

 得意気な顔をしてそう言うすみれを見て、彩子も頬を膨らませて、

 だが、結局、そのまま試合はすみれたちが勝ってしまい、もう1セットやったが、それもすみれたちの勝利に終わったのであった。


「はあー、良い汗、掻いたわね」

「そうですね。んもう、ビーチバレー残念だったわね」

 シャワーを浴びた後、四人で別荘に戻り、拓雄も彩子に腕を組まれながら、リビングに座り込む。

海でこんなに遊んだのは初めてなので、拓雄もかなり疲れてしまって、グッタリしていた。

「お疲れ様。拓雄君、やっぱり運動は苦手?」

「得意ではないです」

「そうよね。まあ、もう少し体を鍛えておきなさい、大人とは言え、すみれ先生や私にも劣るのはどうかと思うわ」

「へへ、先生の実力、思いしったか♪」

 得意気にすみれが言うと、拓雄もわかりましたと苦笑しながら頷く。

 しかし、悔しかったとは言え、四人と遊ぶのはそれ以上に楽しかったので、充実した気分にもなっていた。

「今日は臨海学校だと思いなさい。ウチの学園にはないけど、先生達と一緒なんだから、体も心も鍛えてあげるわ」

「んもう、そんな堅苦しい事言わないの」

「良いじゃない。えへへ……じゃあ、今度は何をしたい?」

「う……」

 ソファーに座っていた拓雄にすみれが腕を組んで、胸を腕に押し付ける

 露出の多いキャミソールを着ていた為、胸の谷間もよく見え、拓雄も目のやり場に困っていた。

「うううっ! すみれ先生、いやらしいですよ! 私もやります!」

「あんっ! 自分はもっといやらしい事してるじゃないですか!」

「すみれ先生は色仕掛けが露骨過ぎるんですよ!」

 と、二人で拓雄の腕を引っ張りながら、彼を巡って口論する。

 四人の密度の濃い旅行はまだ続くのであった。




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