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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第三十一話 先生達と一夜を共に

「んーーー、良い景色ね。凄いじゃない、こんな所に別荘持ってるなんて」

 別荘の二階にあるベランダに出て、そこから見える青い海を、潮風を感じながら眺める四人。

 既に日が暮れており、夕日が沈みかかっていたが、その夕焼けも絶景であり、四人とも圧倒されるほど美しさであった。

「良い別荘、持ってるじゃない、ユリアちゃん。いいなあー」

「別に。私じゃなくて親の所有だし。でも、気に入ってくれたのなら、親に頼んだ甲斐があったわ」

「ありがとうございます、ユリア先生」

「拓雄君がお礼を言うなんて変ね。今日はテストの点が取れなかった罰ゲームで付き合わされてるのに」

「い、いえ……」

 そう言えば、そんな理由であったと、拓雄も思い出したが、ふと気になる事があり、

「あの。もし、八十点以上取れていたら、どうしてたんですか?」

「そうよ。確か、八十点以上、取れたら、拓雄君にご褒美あげるとか言ってましたよね? はっ! まさか、すみれ先生、私をあげるとか、そんな卑猥な事を……」

「ふふ、まあそれでも良かったんだけど、そう言えば、あんたもっと頑張った?」

「えっ? そ、それは……」

 彩子が青い顔をして後ずさりながら、半分冗談でそう言うと、すみれは拓雄に甘い声で迫り、彼女の顔を見てドキっとする。

 まさか、本気でそんな事は……と思っていたが、

「ま、欲しければ、今度は九十点以上取る事ね。いえ、東大でも受かったら、考えてあげようかしら」

「む、無理ですよ、そんなの……」

 いくら特進に所属しているとは言え、今の拓雄の学力で東大などとても手の届く物ではなかったので、無理だったが、それ以上に本気なのかと、首を傾げていた。

「そんな無茶を要求しちゃ駄目よ。東大卒の人と付き合いたかったら、合コンか婚活パーティーにでも行って、その人を指名すれば、あなたらすぐにゲットできるわ」

「冗談よ、冗談。そこまで高望みしてないしー。ま、もうちょっと頑張ったら、考えてあげるわ」

「むぎゅっ!」

 と言いながら、すみれが拓雄を抱きしめて、胸の谷間に顔を埋めて頭を撫でる。

「うう、セクハラは禁止ですよ!」

「ふふん、まあ無礼講って事で。んじゃ、そろそろ夕飯の支度にしましょうか」

 頬を膨らませた彩子に止められ、すみれもすぐに開放し、四人で下のキッチンへと向かう。

 今日はゆっくりと別荘で過ごし、明日は海に行ったり、近くに観光に行く予定だったので、英気を養う事にしたのであった。


「ほらほら、ちゃんとじゃがいも水洗いなさい」

「は、はい」

 キッチンに行くと、早速、拓雄は今日の夕飯に使う野菜の水洗いをすみれに命じられ、拓雄も文句を言わずに指示に従う。

 旅行にかかる費用はすべて彼女たちが負担する事になっていたので、この位の手伝いはしてあげないとと、拓雄も一生懸命、夕飯の下ごしらえをしていた。

「あーん、もう拓雄君を扱き使わないでくださいよ。ごめんね。先生が全部やるから、拓雄君はゆっくりしてて」

「駄目駄目。甘やかしちゃ。今日は私らが旅行を快適に過ごせるために、この子に雑用をやらせる為に同行させたんだから」

「大丈夫です、彩子先生」

「だめー。じゃあ、先生も手伝うから。ほら、ユリアちゃんも」

「全部彼にやらせるつもりはないわ。拓雄くん、料理出来るの?」

「あんまり……」

「そうよね。まあ、私もそんなに自信はないけど、カレーくらいなら作れるから」

 と、彩子とすみれもキッチンに向かい、カレーに使うじゃがいもやにんじん、肉、たまねぎを洗って切っていく。

 やはり、拓雄と違って、三人とも手際よくこなし、自分は足手まといではないかと不安に思っていたが、それでも手伝えることはやり、カレーライスとサラダが無事、完成したのであった。


「はい、あーーん♪」

「あ……いただきます……」

 夕飯が出来ると、拓雄の隣に座っていた彩子があーんしてカレーを食べさせていき、拓雄も言われたとおり、パクっと口を開けて食べる。

「美味しい?」

「はい」

「そう。拓雄くんが一生懸命作ったんだもんね。まずいはずはないわ」

 と、ご満悦そうに彩子が言うと、すみれとユリアも呆れた顔をし、

「真中先生、本当に拓雄の事、好きねー」

「す、す、好きだなんてっ! ううん、先生、拓雄くんの事、好きよ。だから、もっと仲良くしたいの。ね?」」

「は、はい……」

 彩子がはっきりそう言うと、拓雄も顔を真っ赤にして頷く。

 好きの意味がよくわからなかったが、女性に言われると、拓雄も恥ずかしくなってしまい、胸が高鳴っていた。


「ああ、もうまたロンされたっ!」

 真夜中になり、お風呂から拓雄が出て寝室へ行くと、一足先に風呂に入った三人がそれぞれ寝巻き姿でスマホでゲームをしたり、本を読んだり、テレビを見たりしてくつろいでおり、

「あ、拓雄くん。君のお布団こっちよ」

「はい……あの本当に一緒に寝るんですか?」

「ふふ、そうよ。先生の隣でー……」

「彩子先生、くっつきすぎ。少し離しなさい」

「はーい」

 流石にすぐ隣はまずいと、ユリアが彩子から少し布団を離すよう指示し、拓雄も一メートルほど、敷いてある布団を離す。

 それでも、三人と同じ部屋で一夜を過ごすのかと思うと、緊張してしまい、顔を赤くしていた。

「言っておくけど、今夜、あなたを同じ部屋に寝かせるのは私達にいやらしいことをさせない為よ。四人を別々の部屋に寝かせると、夜中にあなたがその部屋に行って、襲ったりする可能性があるからね」

「えーー、私は構わないんですけど……」

 彩子は本当に歓迎するつもりだったが、ユリアは溜息を付き、

「だから、同部屋にしたのよ。お互い、寝静まった時に変な事をしたら、すぐに起きて止めに入れるようによ。三人と拓雄君を別の部屋にしたら、彩子先生やすみれ先生が夜中に夜這いをしかけてくるかもしれないしね」

「てへ、バレたか♪」

 と、すみれが冗談か本気かそう舌打ちし、彩子も不満そうに頬を膨らませていたが、

「んじゃ、消灯よー。お休みー」

 既に夜の十一時になっていたので、就寝時間とし、すみれが電気を消す。


「ね、眠れない……」

 それから一時間近く経ったが、拓雄はどうしても三人の事を意識してしまい、眠れずにいた。

 三人は内心、期待しながらも、この状況では迂闊な事は出来ないと思い、既に眠りについていたのであった。


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