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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第三十話 先生たちとの旅行初日

「さあ、皆集まったかしらー?」

「はーい」

 いよいよ、旅行当日の朝になり、四人が集合場所の駅前に集まる。

「今日は真中先生の車で現地に行きます。皆、決まりを守って行動するように。特にあんた。美人の先生達が一緒だからって、変な気を起こすんじゃないわよ」

「は、はい」

 とすみれがビシっと指差して、拓雄にそう釘を刺すが、変な気も何も罰ゲームで同行させられてるので、そんな気を起こすつもりもなく、今でも乗り気はしなかった。

「えー、先生は変な気を起こしてほしいんだけどなあー……」

「彩子先生、ストレートすぎ。でも、プライベートの旅行とは言え、生徒が一緒なのだから節度を持って行動しましょう。飲酒、賭け事は絶対禁止ということで」

「はいはい。ま、流石に生徒の前じゃやらないわよ。チクられたら、私らも停職処分じゃ済まなさそうだし」

「ですね。んじゃ、行きましょうか。さあ、乗って」

 彩子の車のトランクに荷物を入れ、四人が車に乗り込む。

 かなり長距離を運転するので、三人が交代で車を運転する事になり、拓雄は後部座席で、縮こまって座っていたのであった。


「んーー……ちょっと休憩しようか」

 高速道路のサービスエリアに立ち寄って、しばし休憩を取ることにし、四人が車を出て、売店へと向かう。

 拓雄もずっと後ろに乗ってて、少し疲れてしまったが、ようやく一息つけるとほっとして、売店で何か食べようとしていたのであった。

「えへへ、拓雄君、何か冷たい物でも飲む?」

「あ、ソフトクリームでも食べようかと」

「ソフトクリーム。良いわね。先生が奢っちゃうわ。ちょっと待ってて」

「え? あ、ちょっと」

 彩子がそう言うと、そそくさとフードコートまで小走りで行き、ソフトクリームを二つ買ってしまう。

 余計な気を遣わせてしまったと、拓雄も悪い事をしてしまったと思いながら、彩子の背中を眺めていると、彩子がソフトクリームを二つ持ってきて、

「はい、どうぞ」

「すみません。いただきます」

 素直にいただき、近くのベンチに座って、二人でソフトクリームを食べる。

 すみれとユリアはトイレに行った後、近くの売店で二人でホットドックを注文して食べており、珍しく二人きりになれた彩子がうきうきしながら、拓雄に身を寄せて、ソフトクリームを食べていた。

「今日はありがとう。先生、拓雄君と一緒に旅行に行けただけで、凄く嬉しいわ。あなたとは担任じゃないから、一緒に修学旅行とかも行けないし。あ、でも来年、拓雄君の担任になれれば行けるかなー、なんて」

 と、言いながら、彩子が話しかけていくが、彼女が担任になっても、美術の担当なので、普段の授業で接する機会はあまりなく、それが一番彩子にとっても歯痒い事でであった。


「はい、あーん」

「え?」

「もう、先生の食べて」

「あ……はい……」

 彩子が食べかけのソフトクリームを拓雄に差し出してきたので、拓雄も少しかじる。

 明らかに間接キスを狙ってきたのだが、拓雄がちょっとしか食べなかったのが不満だったのか、

「拓雄くんも食べさせてー。パクっ!」

「あっ!」

「えへへ……」

 彩子が拓雄の食べかけていたソフトクリームを思いっきり、口にくわえてしまい、男子生徒との間接キスを達成して、ご満悦な笑みを浮かべる。

 奢ってもらったとは言え、半分近く食べられてしまったので、ちょっと悲しくなってしまったが、これで強制的に拓雄も彩子と間接キスをする事になってしまい、苦笑いしながら、彩子と一緒にソフトクリームを食べていた。

「こら、何、生徒と不純異性交遊してるんだ」

「あ、すみれ先生。良いじゃないですか、一緒にソフトクリームを食べるくらい」

「ソフトクリームは良いけど、二人きりで並んで食べるのは感心しないわ。いつ、どこでウチの生徒や教員が見ているか、わからないのよ」

ホットドックとジュースを飲み終えたすみれとユリアが、二人の下に向かい、ソフトクリームの食べさせっこをしていた彩子に呆れた顔で注意する。

「はいはい。気をつけます。んじゃ、拓雄君もそろそろ行こうか。おトイレ大丈夫?」

「はい」

「んじゃ、出発ね。今度は私が運転するわ」

 ソフトクリームを食べ終わり、四人でまた車に乗り込む。

 今度はすみれが運転する事になり、高速道路を彩子以上のスピードで突っ走っていった。


「飲む?」

「あ、いただきます」

 車に乗った所で、隣に座っていたユリアが彼に飲みかけのペットボトルのジュースを差し出し、拓雄も飲みかけとは知らずに飲む。

「今日は暑いわね」

「そうですね」

 隣に座っていたユリアが、淡々とした口調で拓雄にそう話し、外の景色を眺めていたユリアを拓雄もぼんやりと見つめる。

 やはり、彼女の横顔はとてもきれいであり、こうして外を眺めているしぐさもまるでモデルみたいで、本当に絵になっていたので、拓雄も魅入っていたのであった。

「ちょっ、あの車、急に割り込んで……ムカつくから追い抜いてやる」

「止めてくださいよ、すみれ先生。私の車なんですから」

 そうとは知らず、すみれと助手席に座っていた彩子は二人で話しながら、車を飛ばし、目的地に向かって行った。


「んーーー、やっと着いたわね。ここがユリアちゃんの別荘かあ」

 それから何時間か車を走らせ、ようやくユリアの別荘に到着し、四人が車を降りる。

 木造のロッジで、広々としており、いかにもお金持ちが所有する別荘と行った雰囲気で、ユリア以外の三人も羨みながら、見上げていた。

「入って」

「おじゃましまーす。うわあ、広いリビング。木の香りもして、凄く居心地が良いわね」

「本当。うわ、これ暖炉じゃない。本物、はじめて見たかも」

中に入ると、木の心地良い香りと共に、広々としたリビングが四人を出迎え、開放的で居心地のよい別荘の内装に三人も大はしゃぎする。

「荷物はそこに置いておいて。寝室は二階ね」

「はーい。ね、拓雄君。一緒に寝ようか」

「そ、それは……」

「ふふ、冗談じゃないのよ。今日は修学旅行みたいに全員、同じ部屋に一緒の布団を敷いて寝るんだから」

「え、ええっ!?」

 とすみれが言うと、ユリアも当然と言った顔をして、

「今日は元々、女だけの三人の旅行の予定だったから、しょうがないわ。あなたの個室はなし。我慢して先生たちと一夜を共にしなさい」

「そ、そんな……」

 拓雄の寝室も用意できない訳ではなかったが、ユリアがそう無茶な理屈で、一夜を共にしろと言い出し、拓雄も青ざめた顔をする。

 彼女らと文字通り、一つ屋根の下で、何日も過ごす事になってしまい、三人もこれがチャンスと目を光らせていたのであった。


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