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君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?  作者: beru


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第十話 先生達と体育祭の密着練習

「はい、集合。今日の練習はこれまで。もうすぐ体育祭本番だから、気合入れるように」

 すみれの集合でクラスメイトが集まり、体育祭の全体練習が終了する。

 この学園にも恒例の体育祭が今週の土曜日に迫っており、今日は六時間目の授業をまるまる使って、各種目の練習をし、拓雄も参加する綱引きと100メートル走の練習をしていた。

「あ、拓雄。ちょっと」

「? はい?」

 拓雄が教室に戻ろうとすると、すみれに呼ばれ、

「あんた今日、日直だったわよね。ちょっと手伝って欲しい事あるのよ」

「手伝って欲しい事ですか?」

「そう。付いて来て」

 すみれにそう言われ、何をするのだろうと首を傾げながら彼女の後に付いて行った。


「ふふふ♪ 拓雄君、よく来たわね」

「…………」

 屋上に連れていかれると、そこにはTシャツとジャージ姿でニコニコ顔をしていた彩子と無表情のユリアが彼を出迎える。

「実はね、先生達も今度の体育祭で、二人三脚に参加するのよ。私はユリアちゃんと組んでね」

「私はリレーだけどね」

「はあ……頑張って下さい」

「待ちなさい。誰が帰って良いって言ったのよ」

「そうよ。先生が頼みごとをしているのに、失礼な子ね。幻滅したわ」

 嫌な予感がしたので、帰ろうとすると、すみれに襟首を掴んで引き止められ、

「くす、先生、二人三脚がとっても苦手なの。だから、今日は運動が得意なすみれ先生に特訓を頼んだんだけど、拓雄君にも手伝ってもらいたくて。ほら、ちょうど二人ずつになるから、キリが良いじゃない」

 彩子がいつもと変わらぬ穏やかな顔をしてそう言って来たが、二人三脚など、体育祭の時くらいしかしないので、拓雄も殆どやった事はなく、教えられる事など何もないので困っていたが、

「とにかく、手伝いなさい。まずは先生と一緒にやって二人に見本をみせてあげましょう。ふふ、ほら、このベルト足首に巻いて」

「は、はい」

 何故か、二人三脚をやる訳でもないすみれとまずはする事になってしまい、拓雄も彼女に肩を掴まれながら、言われるがままにすみれと二人三脚用のベルトを足首に巻いて、一つになる。


「ほら、走るわよ。いーち、にっ!」

 すみれと肩を組みながら一緒に足を合わせて、屋上の敷地内を走り回っていく。

 走る度に、すみれの胸が揺れ動き、なおかつ腕に当たるので、拓雄も気になって仕方なかったが、引き受けた以上はすみれと共に全力で足を合わせて、彩子とユリアに見本を見せていった。

「ほら、もっと早く。きゃっ!」

「うわっ!」

 すみれが足を早く前に出そうとすると、拓雄もバランスを崩してしまい、その場に倒れこむと、彼女の胸が顔に押し付けられる。

「大丈夫、拓雄? こら、おっぱい揉まない」

「も、揉んでません!」

 と、あからさまにすみれが自身の胸を顔に押し付けていき、彼女のサイズの大きい胸に顔を埋めながら息を詰まらせそうになる。

 しかし、これは彼女の計算通りであり、

「む……すみれ先生、あからさますぎ! これじゃ、見本にならないから私と交代してください!」

「あん、もう……まあ良いわ。ほら、次は真中先生とよ」

「はい……」

 あからさま過ぎるすみれのセクハラ行為にムッとした彩子が二人の前に飛び出して、そう言うと、すみれもやりすぎたと思ったのか、渋々ながらも、彩子と交代していった。


「さあ、次は先生とよ。えへへ……」

「あ、あの……」

「ん? 何、拓雄君?」

 彩子と足首を結ぶと、彩子は嬉しそうに拓雄に体を密着させて、胸も腕に押し付ける。

「そんなにくっついたら、走れないでしょ、彩子先生」

「えー、でも、やっぱり二人三脚って、お互いの息と体を合わせないといけない訳ですしー」

「つべこべ言わないで早くやって」

「はいはい。じゃあ、行くよ。いーち……」

 すみれ以上に体を密着させてアピールしていた彩子にすみれとユリアも呆れていたが、二人に促されて、ようやく彩子も足をゆっくりと出して走り出す。

 彩子の方が拓雄より身長が少し低かったので、拓雄も彼女をリードするようにゆっくりと足を出し転倒しないように気を遣っていたが、彩子はそれが嬉しく、ぎゅっと肩を組んで、拓雄にしがみつき、屋上の中をスローペースで走り回っていた。

「いち、にっ、いち、にっ……はあ、はあ……もう良いよ、ありがとう」

「いえ……」

 少し疲れたので、彩子が足を止めると、拓雄も息を切らしながら、足を止める。

 何事もなく終わったのでほっとしながら、拓雄が屈んで足を結んでいたベルトを外そうとすると、

「あん、ちょっとバランスが♪」

「うわっ!」

 突然、彩子がバランスを崩して、拓雄に倒れこみ、彼女にその場に押し倒される。

「ご、ごめんね、大丈夫? あん、そこは駄目よ~~」

 彩子がわざとらしく、拓雄の手に胸を押し付けて、いやらしい声を出していく。

 手の平に、彩子の胸が密着して、拓雄も顔が真っ赤になっていたが、

「はいはい、もうその辺になさい。次、閊えてるわよ」

「はーい♪ えへへ、今日はありがとう、拓雄君」

 すみれに促されて、拓雄の頭を撫でながら、やっと彩子が離れ、次はユリアの番となった。


「んしょっと……さあ、行くわよ」

「はい」

 ユリアと足首を結んだ後、彼女と肩を組みながら、ユリアと共に走っていく。

「いち、に、いち、に……」

 前の二人とは違って、ユリアは淡々と拓雄と二人三脚で走っていき、必要以上に密着することも転倒することもなく、息を合わせて、そのまま二人の練習が終わっていった。


「この辺にしましょう。結構、上手だったわね、拓雄君」

「は、はい」

 しばらく走った後、ユリアが足を止め、拓雄も息を切らしながら、二人の足首を結んでいたベルトを外す。

 まさか、三人全員と二人三脚をする事になるとは思わなかったが、流石、ユリアは真面目にやってくれたかと拓雄も感心しながら、彼女と離れていった。

「ちょっと疲れたわね。ん……拓雄君、飲む?」

「はい、いただきます。ん……」

 ユリアが差し出したペットボトルのスポーツドリンクを手に取り、拓雄も一口、グッと飲むと、

「あーーっ! ゆ、ユリアちゃん、今のか、間接……」

「ん? ああ、うっかりしてたわ。ごめんなさい」

 彩子が指を指してそう指摘すると、拓雄もどうした事かと困惑していたが、

「真面目にやっていたと思ったら、そう来たか……ユリア先生、やっぱり策士ね」

「だから、偶然。ごめんなさい、飲みかけをうっかり渡しちゃったわ」

「えっ? い、いえっ!」

 ユリアにそう言われて、ようやく今、渡されたスポーツドリンクをユリアと回し飲みして、間接キスしてしまった事に拓雄も気がつき、顔が一気に紅潮していった。

「うう……わ、私も今から、買って来るっ! まだ飲み足りないよね、拓雄君っ!」

「え、ちょっと、先生?」

 拓雄がユリアと間接キスしてしまったのを見て、彩子も対抗するように、走って屋上を出て行き、一階にある自販機へと向かう。

「あーあ、全く、彩子先生も負けず嫌いね」

「すみれ先生はしないの?」

「私はそんなみだらな事はしないの。一応、担任だしねー」

 と、溜息を付きながら、すみれがそう余裕を見せて言うと、ユリアも感心したように頷く。

 拓雄は学内でも一番の美人のユリアと間接キスをしてしまい、ますます彼女を意識して、舞い上がっておかしくなりそうになっていた。


「ん、んぐ……は、はい、拓雄君、どうぞ!」

「う……い、いただきます……」

 彩子が走って、自販機からボトル缶のジュースを買ってきて飲み、その飲みかけのジュースを言われるがままに拓雄も飲んで、間接キスをさせられる。

 回し飲みはあまり気分が良い物でもなかったが、彩子がどうしてもして欲しかったみたいなので、断りきれず、気が付くと日が暮れていたのであった。


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