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(開花)


おはよーお姉ちゃん!

何時もの様にお姉ちゃんはダージリンティーを飲んで居た。

朝、お母さんの気配が無いのは、何時もの二日酔い、お母さんの朝は遅いのです。

お姉ちゃん昨日ね、放棄への道、その三まで行ったの。


「えっ! 私のメモがそんなに効くとは…昔のマンガの知識も捨てたもんじゃ無いね!てっ喜んで居る場合じゃ無い! 私は一週間かかったのに…… 」


でね、この間の種から芽が出たの!


「良かったじゃない! くれぐれも水のやり過ぎには注意してね! 」


ゲッ! 大丈夫かな?


「ほれ! タバスコたっぷりのベーコンエッグとエスプレッソだよ、ほー、芽が出たかい、それは良かった」


お婆ちゃん、おはよー

昨日のチャーハン美味しかったよ! 何だか凄く力が湧いてきて…


「一角の角の粉じゃよ! あれには私達の力を引き出す効力が有るんだよ。カルシウムたっぷりの万能薬なんだよ! 」


「なんだか私の特訓のメモの力が薄れる様な…… 」


「何か言ったかい! ユウ」


そう言って、お婆ちゃんは厨房に戻って行った。


じゃあ学校に行って来るね、お姉ちゃん!

「カラン〜カラン」


私は学校へ向かう坂道を駆け上がった、

正門近くで直江君の姿が見えた。

おはよー! 私は直江君の肩をポンと叩いて挨拶をした。


「おはよー」


直江君は少し疲れた顔で挨拶を返した。

大丈夫!作戦は順調だし、お姉ちゃんも協力してくれるって!


「お姉ちゃんも? 」


直江君の顔が少し明るく成った。

正門を抜けると肩を落として歩く山谷の姿が見えた。山谷のお父さんの会社、倒産したらしい……

まさかの唐揚げに、そんな力が、お願い元気出して! 山谷。


「キンコン、カンコン〜」授業が始まり。

「キンコン、カンコン〜」授業が終わり。

至福のランチタイム。特大の弁当箱にはハンバーグとエビフライ! お姉ちゃんのケチャップで気分を上げて、マイ タバスコをたっぷり、

んーなんて刺激的な味! 猪木様のお陰です。

おとなしく成った山谷は、ちょっかいを出して来ない。

私はゆっくりと至福の時間を満喫した。

学校が終わり私はホームセンターに来た。

放棄、放棄っと! わくわくしながら清掃コーナーを物色、

キラッ! これだわ! テレビで見る憧れの光景!

もうすぐ乗れる! 私は放棄を買って家に帰った。

「カラン〜カラン〜」

ジャジャ〜ン

私は、お姉ちゃんに放棄を見せた。


「やっぱり放棄なのね! しかも二本って、私は乗らないよ!

バイクで行くから、お母さんに見られたら怪しまれるから早く放棄を部屋に締まって来な! 」


なんだ、ガッカリ!

私は放棄を部屋に隠して店に出た。

レストランは何時も様に。


「萌え萌えドッキュン! 」


お姉ちゃん前よりスカート短く成ってる?


「グビグビ プッパー」


お母さんは生ビール片手に、餃子の館の新作、

激辛餃子を食べていた。


「トントン ジュージュー」


お婆ちゃんは一人で店の料理と裏料理と私達の賄いと って お母さん! 年寄りをこんなにこき使って! ブラック、この店絶対にブラックよ!

私は沢山の洗い物を済ませ、賄いを食べてから部屋に戻った。

よーし最終関門!

(放棄への道、その四。放棄に股がり両手に気を集めて一気に解放するべし! 放棄と己を繋ぎ合わせて、飛ぶべし、飛ぶべし! 飛び上がるべし!! )


飛んだ!? 浮いた? やった!成功よ!!


(ポンポンポンポン! 植木鉢の植物の、つぼみが開いた。)


ここじゃ狭いから外で練習しょ!

んっ! つぼみが開いた?でも花咲いて無いし……

この形、何処かで見たような?


(植木鉢の植物の、つぼみは中央にギザギザの裂目が入り粘着物を滴ながらゆっくりと開閉していた)


何かキモッ! 可愛くない!!

私は放棄を持って家を出た。

《近くの公園》に着き

もう一度挑戦!私は放棄を跨ぎ手に気を集めて、一気に放出!


「ヒュー」


飛んだ、飛んだわ!


(アヤは公園の林を突き抜け空高く舞い上がった)


なんか、ジ○○っぽい、凄くジ○○っぽく無い?

今感動する所よね! でも、なんか寒いガクガクして来た? 寒いんじゃ無い! 怖い、怖いんだ!

高く上がり過ぎた!

死ぬわね、この高さから落ちたら、幾ら魔女でも絶対に死ぬわ!!


(街の明かりが豆粒の様に成り周りの視界は、全く無い世界だった。アヤは過剰に光る手の六芒星を落ち着かせながら、ゆっくりと地上に降りた)


死ぬかと思った! テレビで、やってた華麗に空を飛ぶあのジ○○っぽい奴、あれ嘘だわ! 騙される所だった……

私は家に戻り、お姉ちゃんを部屋に呼んだ。

お姉ちゃん、これなんだけど…


「うん、知ってる! あのハエとか食べる奴でしょ! 」


お姉ちゃんは冷ややかな顔で言った。


「で、放棄の方は? 」


完璧!


「えっ! たった二日で取得したっていうの?何この子? この変な植物といい、末恐ろしい! 」


(ユウは心の声まで発して居た)


でもね……お姉ちゃん、良く考えたら、放棄はそんなに重要じゃ無い事に気が付いたの……

電車で行って梺からはバスも出てるし……

お姉ちゃんのバイクの後ろって手段も有るよね!


「どうしたの急に、まあ私のバイクの後ろに乗るって言うなら構わないけど覚悟はしなさい! 」


お姉ちゃんの元ヤンの血が騒ぎ出した。


「いよいよ明日決行ね! お母さん達には上手く言って有るから大丈夫。

じゃあ、おやすみ!


(アヤが劇的に進化した二日間が終了した。と共に植木鉢の植物も、見事なまでの残念な《開花》を遂げた)




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