(春) 最終回
(西のクレーターの決戦から四ヶ月が過ぎ、春に成った)
「おはよ、アヤ! なんだい、もう行くのかい? 」
(ヨーコが、起きて来ると、アヤは厨房で、皆の朝食とお弁当を二つ作って居た)
今、忙しいんだから話し掛けないで!
(アヤは、新しいレシピ本に、何やら書き込んでい居た)
お姉ちゃんのダージリンティーに、男達のブラックコーヒーと、タクマとめぐみにホットミルクと、お母さんのレッドアイ。
そして、私のエスプレッソを、魔法瓶に入れながらのガス台に火を着けて、玉子を両手で割って、 からの〜 フライパンに具材と大盛ご飯を入れて、お玉の背で叩く! 叩く!叩く!
からの〜 手の動きが見えない位のスピードで、
煽る! あおる、煽る! 高速で、あおる!
良い子は、やっちゃ駄目だよ、低級人間に成っちゃうよ!
はい! お婆ちゃんの、窓頃特性大盛炒飯の出来上がり!
「又、炒飯かい? うん、味は大分お婆ちゃんに近付いたけど、まだ火力が足りないね。
もっと、炎を、操れる様に頑張りな! 」
「はい! めぐみちゃん! あ〜んして、美味しい炒飯でちゅよ! お父さんの、お髭ジョリ、ジョリ
気持ち良いでちゅか〜? 」
(デモンドは子育てを満喫して居た)
「だから、タクマには野球を教えるの! 野球が一番稼げる」
「いいや、タクマには、サッカーを教える、俺の足の速さを受け継いでる! 大体その、釘が刺さっているバット、何に使うんだ? 」
「野球よ、野球に決まってるじゃない! 」
(ユウとアスタロスは朝から喧嘩して居た。
影達は首を縦や横に振り、忙しいそうに炒飯を食べて居た)
じゃあ、行って来るね、お婆ちゃん、お爺ちゃん! 花は、お婆ちゃんがくれた宝物だから、
私は絶対に諦めない!
(アヤは、ルキエとル フェイのお墓に炒飯を供えて、出掛けた)
春に成り、私は直江くんと、ここに来た。
お弁当と、自作の復活の薬を持って。
石の様に硬く成ってしまった花、もう声は聞こえないけど、自作の復活の薬を花の根元にかけると、
荒れ地だったクレーターが徐々に草原に変わり、様々な小さな花を咲かせたの。
巨木に二人で寄りかかりながら、お弁当を食べ、
楽しかった事や、これからの事をいっぱい話して
のんびり二人の時間を過ごした。
直江くんは大学生に成り、私も少し大人に成った。
そして、幾年かした春、私達は又、ここに来た。
アヤちゃんの、お弁当いつ食べても本当に美味しいよ!毎日食べたい位だよ!
「毎日って? 」
朝も、お昼の、お弁当も、夜ご飯も……
いや、ちょっと違うな、
交代で、そう毎日交代で、ご飯を作ろう!
たまに外食して、美味しい物を食べて、色々、研究して、家族の皆にも、美味しい物、いっぱい作って、そう、お客さんにも、美味しい物食べてる時って皆、幸せなんだよ!……
アヤちゃん! 幸せになろう
「えっ!? 」
《 僕と結婚して下さい! 》
(アヤは照れながら軽く頷く。
直江がポケットから出した箱には、
ル フェイから受け継いだリングが、直江はアヤの指にリングをはめ、巨木に寄り添いながら
二人はキスをした)
(すると風も無いのに、辺りの草花が揺れ動き出し、ざわめき始める、
そして巨木から、微かな振動が二人の背中に伝わった。
二人が巨木を見上げると無数の枝が伸び小さな、沢山のつぼみを付け始めた)
「やっと繋がったね! 魔界と人間界、
待って居たんだよ、この時を、もう、焦れったくて動きそうに成った時も有ったけど、
良かった、本当に良かった!
これは僕から、二人へのプレゼント。
幸せに成ってね、アヤちゃん!
(アヤには、聞こえた、確かに、そう聞こえた。見上げると、アヤと直江の視界の中の、
つぼみ達が一斉に花を咲かせた
それは、それは、美しい淡く虹色の桜、満開で有った)
「end」
もう、ちょっと!
「カラ〜ン カラ〜ン」
おはよー ヨーコ! 生ビールと枝豆ね
いらっしゃい、岡田さん!
アヤちゃん! 大きく成ったね!
そうだよ、もう臨月だよ!
そうか、もうヨーコも、二人目の孫を持つ、お婆ちゃんか! だから、俺の枝豆にタバスコ、掛けるなって……
人間なんかに、装おってんじゃ無いよ!
龍なんだから、これでも食べて、炎でも、吐いてろ!
大体、タバスコは私がメキシコに……
それ、もう聞き飽きた!
いらっしゃい、岡田さん!
ユウちゃん、又、カミングアウトしたの?
レストランで特効服はちょっと……
私の、お客さん、どエムばっかりだから
皆喜んで居るよ!
いらっしゃい、岡田さん!
めぐみちゃんも、大きく成ったね!
はい、プレゼント!
わ〜い! 私、これほしかったの。
私、岡田さんが大好き!
将来、お嫁さんにしてね!
めぐみ、言っとくけど、こいつ龍だからね!
《 happy end 》
where the recipe book disappeared




