身だしなみは大事な件について。
「取りあえず身だしなみを整えるわよ。」
? いきなりなにいってんだこいつ?
「身だしなみぐらい整えないと女の子として失格よ。」
「え・・・いや、まだ心は男だし。」
「なにTSもののテンプレ言ってんのよ。最低限は覚えなさい。」
なんで姉貴知ってんの!?
驚いてる自分を後目に、姉貴はくしをとりだした。
ん、ん、ちょっとはずかしい。
今、自分は髪をとかしてもらっている。
髪とかしてもらって恥じらうアニメとかあるけど、あれって、こういうことなんだな。
勇美は気づいていない。
後ろが大変なことになっていると。
(ん、ん~、か、可愛い! なんでこの娘髪いじっているだけで顔真っ赤なの!?)
鼻血がボタボタと地面におちる。
(勇、美・・・勇美~~~!)
このあとむちゃくちゃ髪いじった。
「かわいい!」
姉貴が携帯をだして写真をとる。
「や、やめろ!とるな!」
自分でも顔が真っ赤なのがわかる。
でも、真っ赤になるのも当たり前だと思う。
今、自分はツインテール(といっても髪が肩ぐらいだからちいさいが)なのだ。
男の諸君、創造してみてもほしい。
ツインテールの女の子に女装して、それをいきなり知り合いにみられている気分を。
今、そんな気分。
ツインテールの女の子になって悪と戦う奴もいるけど、そんなことは実際はできないと思う。
(同じクラスの野郎にかわいいかわいい言われるから。)
「も、もうとるぞ!」
「え、もうとっちゃうの!?せっかく可愛いのに」
「しるか!」
そういって、輪ゴムを外す。
「まあ、外しても可愛いからいいか。」
そんな寝言をいいながら、姉貴は携帯を眺める。
「あ~可愛い!」
「けっ消せ!」
くっ、手が届かない。
「ダーメ♪せっかく可愛いんだから写真ぐらいいいでしょ♪」
・・・いつか仕返ししてやる。
「もういい!風呂入る!」
「あ、お風呂一緒に入るわよ。」
「なんで!」
「なんでって、女の子の体は繊細だから洗い方があるのよ。」
ちくしょー!
このあとむちゃくちゃいじられた。
夜1時頃、すっ、と女の子がおきあがる。
女の子はこそこそと洗面所にいく。
洗面所の鏡の前で髪をとかし、輪ゴムでまとめる。
「えへ、えへへへ」
鏡の前で笑う勇美。その様子を、カメラで姉が撮影してると知らずに・・・
お風呂シーンはなし。
なぜならこの小説はコメディーだから。