姉がシスコンな件について。
ぐつぐつと、鍋の音が聞こえる。
トントンと、リズムよく聞こえる包丁の音。
久しく聞けなかった、家庭的な音。
嗚呼、心が洗われる・・・
・・・幼女じゃなければな!
「勇美~、お手伝いしてくれる~?」
この声の主は姉貴である久保 恵美である。
独身で年齢は・・・まぁ、さっしてくれ。ちなみにひとつ違いの姉弟だぞ!
「あら、勇美~、それじゃ年齢わかっちゃうじゃない。」
「紹介文にツッコミをいれるな!」
「でもお姉ちゃん、勇美ちゃんがやっちゃたことなら、ゆ・る・し・ちゃ・う♪」
「やかましいわ!」
さっきからこの調子である。
どうして こうなった。
回想:約一時間前
開いたドアを隔てて、姉貴が固まっているのがわかる。
無理もない。青ざめて震えている幼女がいたら、犯罪臭がプンプンだもの。
姉はプルプルと震える。
そうだよな。普通、ニートな身内がやったのかと思うよな。私の責任なのとか思うよな。
姉貴が手をそっとあげる。
ん?なんで手をあげるんだ?
身構えた瞬間、姉貴が、
抱きついてきた。
・・・は?
「かわいいいいいい!」
「ちょ、ひっつくな!」
「ねぇ、あなたお名前は?」
「うっさい離れろ!」
姉は、そっと離れる。(手は肩に置いたままだが)そして言った。
「わかった!あの糞弟があなたのことさらってきたのね!
クサレニートのことなら大丈夫よ!私が後で東京湾に沈めとくから!
だからお名前を教えて!」
「弟を少しは信用しろ!」
「ニートな時点で信用もなにもない!」
「事実だよこんちくしょう!」
(美少女説得中・・・)
「え、本当に勇也なの!」
「・・・そうだよ」
「キャーー♪」
「なんで嬉しそうなんだよ!」
「ニートで屑な弟が美少女な妹になったんだよ。当たり前じゃん。」
「ニートの俺えぇぇ・・・」
こいつ、真顔で言いやがった・・・
回想終了。
どうして:妹になったから
こうなった:姉がシスコンになった
「いやおかしいだろ!」
「勇美、細かいことは気にしちゃダメよ♪」
いや、きにするわ!
これはひどい。(姉のキャラが)