犬猿の仲な件について。
睨み合う、二人。
「ふ、二人共、知り合いなの?」
お姉さん曰く、
「こんな奴、知り合いとも思われたくないよ。」
お兄ちゃん曰く、
「此方こそ、願い下げだコノヤロウ。」
「ア?ヤローにヤローとか言われたくないね。」
「ン?オタクにヤローとか言われたくないな。」
オ?なんだ?殺るのか?と、ピリピリと空気が緊迫している中、私、勝倉 港は震えていた。
なんでこんなに二人共仲悪いの!?
お姉さんは今まで会った事がない。
つまり、転校生なのであろう。
ということは、一日しかお兄ちゃんとお姉さんは会ってないことになる。
・・・お兄ちゃんと、一体なにが!?
少女漫画脳故、二人の間に何があったか気になるが、しかし今はそれどころではない。
まずは二人を宥めなければ!!
「ま、まぁまぁ、落ち着いて。」
「うん、わかったよー。」
「変わり身はや!?そしてなんで頭撫でてるんですか!?」
「可愛いから~。」
「理由になってません!?」
「あ~、こころがぴょんぴょんするんじゃ~」
何言ってるのこの人!?
「おい、妹から離れろオタク女。」
お兄ちゃん!?なんてこと言うの!?火に油注いでるよ!?アメリカの山火事だよ!?
お姉さんはため息を吐く。
「はぁ~、これだから男は。公園の公衆トイレで薔薇の花でも咲かせてろ。」
「家の妹と百合の花を咲かせようとしているお前に言われたくない。このレズ。」
・・・バラ?ユリ?
「こうなったら力ずくでも妹から引き離してやる。」
そう言ってお兄ちゃんはあの構えをとった。
確か、『あらぶるタカのポーズ』だった気がする。
お兄ちゃん、正直に言うと、ダサいです。
「ふっ、シスコンが。たかがその程度で調子に乗るなよ。・・・こちらは夜叉の構えだ!!」
あれぇ、こっちも同類!?




