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異世界転生の理由。  作者: 七瀬美織
第二章 異世界でも流行りますか?
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第一話 異世界転生

 


 生まれ育った世界から、異物認定されて、異世界転生することになった。


 そして、私の異能を必要とする異世界の神様に引き渡されて、強制転生されるギリギリ前に、説明の時間を取ってもらえたところだ。


 異世界の神様は、キラキラ麗しい女神なのに、私の背の半分くらいしかない。大人がそのまま縮んだ感じの姿なのだ。


「はじめまして、大竹おおたけ翔音かのんと申します。どうぞ、よろしくお願いします」

「は、はじめ、まして!」


 先に、挨拶したのが私だ。女神様は、カミカミの上に、緊張のあまり顔色も悪くて、今にも倒れそうになっている。


『じ、実は、私の管理する世界が、少し、いえ、だいぶ、かなり、ずいぶん、そ、その大変な事になりまして、このまま、軌道修正がうまくいかなければ、世界も私もしょ、処分されてしまままいいいま、す!』


 なんですと? それでは、転生した世界ごと、私まで消えてしまうかもしれないじゃないか!


「私でお役に立てるなら、頑張ります! 世界の存続の為に力いっぱい努力します!」

『お、お願いいたたたします!』


 こちらの女神様は、新米で新しい世界を任されたけど、失敗例の典型を辿たどっているという。


 …………人権のある人と、ない人が存在する世界。奴隷制度のある世界。


 女神様曰く、奴隷制度のある世界は、もれなく最終的に人類滅亡エンドになる。


 この世界の文化レベルは、私が元いた世界より若干遅れているくらいだそうだ。

 私のいた世界のでも、奴隷制度が世界からほぼ撤廃されたのは、二十世紀に入ってからだし、まだ悲観しなくてもいい気がする。


 しかし、規模と精神的な根が深いそうで、世界の問題は、主に三つに分かれていると、女神様は説明した。


 まず、女性蔑視の国。女性の地位がとにかく低い世界。

 では、逆に男性蔑視の世界があるのかと聞いたら、体力的に劣り、精神的に争いを好まない女性が上位になった国や歴史はないそうだ。


 女性は太陽である。命を育む大地の母で、恵み豊かな海である。太古の昔の人々は、そう言って女神様を信仰していたのに、すっかり忘れ去られてしまったそうだ。


 そして、奴隷制度のある国。これは、大きく二つの勢力に分かれている。


 なんと! この世界は獣人がいるそうだ!


 人間の支配する国と、獣人の支配する国があって、女性蔑視の国は、人間の支配圏にある国だった。この世界の人間、ゲスいぜ!


 ここまで女神様に話を聞くと、人間最低かもと思ってしまうが、獣人も酷かった。


 完全な脳筋・・能力主義で、こちらは主に《・》人間を奴隷にしている。弱肉強食を、そのまま社会に取り入れたような世界で、正義とは力、弱者は死ぬより辛い目にあう世界だ。最低最悪……。


 こんな世界、滅んでしまえばいいのに……! いや、それでは私が転生する意味がない。


 私の異能は、分かりやすく言うならば、『私の好きなモノは、みんなも好きになる。私の嫌いなモノは、みんなも嫌いになる』だと思う。多分……。


 女神様に確認してみても、そう考えて正解みたいだ。よく、解らないけど。


『ただ、貴女の異能はまだ安定していません。この先、世界にどの様に作用するのか未知数なのです。それでも……それでも、貴女の異能が頼りなのです!』


 異世界転生するに当たり、ある程度の微調整が出来ると女神様がいう。


 まず、私の記憶はそのままで、新しい姿で転生する。性別が選べるそうだが、記憶がそのままなら、女性のままがいいだろう。

 もちろん、人間の国に転生する。獣人の国では、即奴隷にされるだろうし、女性蔑視の国は論外だ。『こんな世界滅んでしまえ!!!』と、思ってしまって、世界が滅んでしまったら、本末転倒なのだから。


「言語チートはありですか?」

『あり、です。でも、言語能力の加護を与えてしまうと、その、私の力不足で、他の加護はつけられません。ごめんなさい!』

「いえ、それさえあれば、何とかなると思うので大丈夫です。年令設定と、両親を選べますか?」

『ごめん、なさい。転生だから、生まれるところからです。ただ、記憶の戻る時期なら選べます。両親を選ぶとは、どんな条件をご希望ですか?』

「子供は、両親の愛情はもちろん、地位や財力にも影響を受けます。私が世界を嫌う要素は、少ない方がいいと思いますので、ある程度の地位と財力がある家がいいです。記憶が戻る時期は、五歳くらいでしょうか? まだ、失敗や変な行為をしても、許されそうな年令ですから、そんな感じでお願いします。まだ、微調整できますか?」

『なるほど……記憶は、五歳。両親の条件っと、……そこまでの調整が私の限界のようです。容姿を調整する事は、出来ません。ごめんなさい……』

「はい。大丈夫です。顔は両親に似たほうが良いでしょうから結構です』

『では、この世界を、奴隷制度のない世界に導いて下さい!』

「奴隷制度のない世界ですね。承知いたしました!」


 私の魂が、キラキラの光に包まれていく。どうやら、これから転生するらしい。




お読みいただき、ありがとうございます。

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