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分話版 第五話 5-4


 

***

#4


 


「骨がたつやつですぅ!!!」


「ぐ、ぉ、ぉお、……!」



 ジムカスタム型のその左腕携行シールドが、派手に砕け散って、割れた…… 

 すでにほかの不死身の第四小隊の小隊員が全滅した後、

 SDフルカラー・ジムカスタム〈バニング〉は、諦めることなく、

 ジムカスタム型の機体特徴でもある、機体運動性の高さ……機体の最大推力を全開にして、

 相手……マリーセレスに機動戦闘を挑んでいた。


「これで、……どうだ!!!」


 バニングは奮闘していた……こちらがガシャポンSDであること、つまりアレックスロイドとしての彼我のサイズ差を生かして翻弄させようにも、相手のマリーセレス型は、冷静かつ、狡猾であった。

 さいしょにフォームアタックのマニューバでカタにはめようとしたとき、

 そのまま逆襲を喰らい……今に至る。

 だが、それでも、バニングはエースの手練れの内の、その一体であった。

 そして繰り出したマニューバが完成した。

 敵の背後に回り込む様に推進し、そして、実際のその背面に、僅かに届くかのような、そのタイミングで!

 …勝機を掴んだ…その確信が確かにつかめた。その一瞬、

 バニングは、手に装備したジムライフルを、フルバーストで斉射した!


 ……だが…


「ですぅ♡」「!? なっ…あっ……!」

 


 相手のマリーセレス型は、たった数個の手数の組み合わせでしかない…はず…のその機動ムーブで、

 SDロイドが己の搭載推力、推進剤(水)を空同然になるまでにしてまでの、渾身の必殺マニューバというのを、回避してのけた……



「ならぁ、っこれでぇ!」


 諦めるのは、まだだ!

 あの新入りの新米ひよっこのフェリ嬢に、何とか勝利の導線をつなげてやりたい……唐突な自分たち小隊の配置換え、…ではあったが、でも、それはそれとして、別嬪の後輩が出来たことはうれしかったし、なにより、こうしてひさしぶりのバトルで、心が震えていたのもある。

 バニングは、すかさずビームサーベルを抜刀、展開、

 ここまで高まっていた推進力のエネルギーパワーを、さらに引き出す……

 ダイブ!

 素早い速度でめがけて突入していくジムカスタム型のバニングの、そのビームサーベルの剣の切っ先が、マリーセレスへと吸い込まれていく。


 だが、それを、


「はいなぁ♡」「なに?!!」


 切っ先が達しかけた瞬間の刹那……

 マリーセレス型の装甲スカート部位が、可動。

 そのまま……白羽どりされてしまった!?

 

 そのまま、返す剣…装甲触手であるが……で、バニングの機体に、一撃が見舞われた!

 


「ぐあっ! …これで、俺はおわりか……」


 

 HP、残量ゼロ。……

 ジムカスタム(バニング)は、こうして撃破判定となって、ゲームから脱落したのであった。


 だが、これで、

 

「……マスター・コウスケ、これで、あの神姫のスペックとポテンシャルは、割りだせそうか?!」

「さもなきゃ俺らがやられた意味がねーすよ!たのむぜ、フェリ嬢!コウ!」

「逆に鴨料理にされちまったぜ…くそぉっ」

「強かったですね…あれほどまでに強いとは……」

 

「ああ、嗚呼、おまえたち、よく頑張った! モーモーちゃんのステーキ味データの疑似フード増加食、食わせたるからな!」


「「「「おおぉぉー!!!!」」」」


ウェアラブルの電脳メガネで、視線と思考操作により、マクロとファンクションを作動。


 ワンボタンで、SDロイド「不死身の第四小隊」たちへの、増加食「パイロット用特別ビーフ・ステーキ」のデータの送信は完了した。

  

「くっそー! …フェリ、格納コンテナ部位パージ、分離戦闘モードに移行してくれ!」


 

「 わ、わ、わわっわわ……」



「フェリちゃーん!?」



「や、やさしかった、じ、ジムのおじちゃんたちが、みんな、みんな、みんなみんな、やられちゃったよぉ~~……!?

 お、(冷却液)おしっこもらしちゃったのねん…///…ひぐ、ぐすっ、ふぇっ…」


「泣くな!お嬢ちゃん」「覚悟してかかるんだぞ、奴は強い!」

「十分に気をつけろ!!」「マスターの用意してくれた武装を、生かし切るんですよ!」

と、フェリに激励をかけるカプセルロイドたち。

 

「あとできれいきれーい、してあげるから!ダヴでキレイキレイするから!

 今は、戦闘に、専念して!?」


「ふぁ、ふぁいいいいいい……!////」

 


そうして、Gストライカの母船部位から、

 フェリとその身にまとう機装の、本体部位が、切り離されて排出がなされた。

 


「ほぅ、……」

 


 背後に掛かっているテレビモニタのひとつに、

 アマゾン・ファイアスティックを経由して、ティックトックにころがっている

 機動戦士ガンダム0083の第一話冒頭…

 トリントン基地近郊での、カークス、ウラキ、キースのザクF2三機とアレンのパワードジムが、演習を繰り広げる、という一連のシーン……

 それを確認した。


 

 ザクになら、おにあい、と。 

 なるほど、ただ上から押し着せたわけでは、ない、と…

 



「なるほど……フェリ殿。

 わたしも、あなたのその重武装を頼りにしています。

 互いの足りない部分は補い合えばいい。了解は?」



「 ! は、はひ!」



 “うらやましいな”…と多少知覚回路の領域の脳裏で感じつつも、同時に、“わたしのしゅみではないな、”…とも。

 冷静をとりなしつつ、

 フェリのエスコートを覚悟した、黒いレベッカである。


 

「フェリお嬢さん、わたしらもついてますからな?」


「! シナプスさん、それから、クルーのみんな!」


これがとっておきだ。 

分離した機装のステーション部位が、可変……SDフルカラー準拠の、ペガサス級・強襲揚陸艦アルビオンの形態となり、独立してうごくのだ!

 

「シナプス艦長、おねがいします!」

「任されたぞ!」

 


 どぅ、とエンジンをふかし、アルビオンは浮上した……船体すべてにフィールドアクチュエータの原理が使えるようになっているのだ……



 かくして分離したフェリであったが、しかし、こちらはこちらで、コウスケ自信作の機装を、任されているのである。


「よわきになったら、吞まれちゃうのねんっ、…よっし!」


「フェリどの、…フェリ、いきますよ?」


「うん! がんばろうなのねっ、レベッカちゃん!」


 そうして……ぱしゅううぅう! と、フェリの機装が、搭載スラスターの推力をふかした。

 

 軽くふかした……のみ、それだけ。

 鈍重な外装装甲も、諸々込みだ。


 だが、その筐体が、軽々と……“大ジャンプ”……推進跳躍、それをしてみせたのである。


「♪////さすがマスターの作ってくれた機装なのねんっ////」


 これというのは、コウスケの渾身の作……脱着可能式、FAWSフルアーマー・ウェポン・システム、である。

 特に推力だけで空中に浮いてられるほど、スラスターの数は足してある……



 水分子噴射式・ジェットランドセル。

 パワードジムカーディガンの物に、

 さらにガンダムnT1やジムカスタムのバックパックを中央で左右に分割した物を、ヘイズル予備機やガンダムGP01フルバーニアンのユニバーサル・スラスターポッドのようにとして、接続・懸架させた物……

 

 フェリ本体にはアダプターを経由して懸架されたランドセル左右には、

 アウターガンダムやサンボルの連邦軍・空間戦MSのように、

 アームの先に懸架された、ジムカスタム、ガンダムNT1,などのシールドアーマーが、装着されていて、

 さらに種に使ったパワードジムカーディガンの武装部位は複数個を使ったことによって、

 アームの数はさらにあり……


 ジムライフルと、ガンダムNT1のビームライフル、

 それからパワードジムカーディガンのビームカービン、ジムマシンガン、

 そして、ハイパーバズーカ。

 

……てんこ盛りである。

 

 ただ、その分。

 機装部位の体積と重量がけっこう嵩張っている。

 

 とにかく、

 推力お化けな上に、武装のボリュームも、お化け並、という事だ。



 これだけの機体を動かす為に、

 チョバムアーマーの内部に、推進剤の増槽を組み込んでいた……



「では、こて調べに、こうしてみるですぅ!」


 

 ハフ・グーファ、それの二発の、同時発射。

 マリーセレス型・セレナは、

 まるでスカーレット隊を手玉に取ったミーシャのケンプファーのように、

 まずそうしてみた。



「ますたぁ、なにかとんでくるのねんっ!?」


「ハフ・グーファ、ようするにパンツァーファストだ、落ち着いて掛かれば、回避はたやすいっ!」


「やってみるのねんっ!」


 フェリはコウスケに指示を仰ぎつつ、


「ジムカスタムさん、おねがいっ!」

 

…… ーーーーー ……

 

 先の機装に引き続き、この機装でも踏襲されている、

 襟首後部に懸架装着された、火器管制の為の、ジムカスタムの頭部ユニット……

 

 演算をしつつ、フェリに、最適な機動を案内ガイダンスする……



「ところがぎっちょん、それが甘いのですぅ!!」



 そこをめがけて、マリーセレス型・セレナは、手持ちライフル・イングベイカーを用い、未来予測射撃による、ハメ撃ち、…それをしかけてきた!



 すると、



「わ、わ、わわわ!」「カバーをします!」「わぁっう?!」


すかさず、レベッカは1.25mmライフルで、相手のマリーセレス方へ、狙撃を敢行。

 …その射撃の火線を、止めさせることに成功した。 

 

「わ、わ、わわ、わああっ」


 こらえろ、こらえろ、……超重量となったフェリの機装であるが、

 MGキットのフレームと外装などを惜しむことなく使った結果、

 体の全身に、強化外骨格状に、倍力骨格のフレームとなって転用が為されている。

 つまるところ、運動性も機動性も、損なわれていない。

 だが、緊張によって、フェリは息も絶え絶えの様子で、なんとか危なっかしく、使うしかない。

 ……低高度の空中から着地ランディングするだけで、数秒ほど、費やした。

 

「よたついちゃったよ~~!!?」…ジムカスタム型のヘッドは、無念、と念じを返した……


「ううぅむ……」コウスケは、唸るしかない。


「あたるものじゃあないですよ、しっかりしてくださいっ。

 この距離に対して、むこうのライフルは比較的、短銃身…正確に狙い打とうとすると、射程が足りてないはずですっ」


「あらま、バレてましたか」「ほえー…」


「…あなたたちねぇ…。」

 

 レベッカの分析はその通りだったようだ。

 だが、続く相手・セレナと僚機・フェリの反応と応答に、おもわずこめかみを抑える動作をするしかない。

 


「ま、こっちの場合は、そうじゃないんだがな?」


「なんですと?」

 

「!? …それは……」


 だが、コウスケ、フェリのバディ・コンビは、今回強力なエモノを用意してきていた。  



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