親と子と
「あ~もしもし時雨さん? 今から帰るね」
そう言ってから、通話を終了ボタンを押し、パタンと携帯電話...もといガラケーを閉じ、帰路へと向かう。
俺の名前は大原鹿島。いたって普通の21歳の学生だ。親が再婚したりして最近は波瀾万丈だが、いたって大きな事故も無し。
と、脳内で自己紹介してしまい、脳内で赤面してしまう。
季節は夏、リア充共の季節だ。じりじり照りつける日差しに体力が削り取られ、何もしなくても、汗が噴き出す。
汗を拭いつつ、バスに乗る。
バスの時間を逆算し、校門を出ているので、待たずに乗れる。
ICカードの入ったパスケースを、運転手横に叩きつける。席に座ると、キンキンに効いた冷房が俺を歓迎する。まるで、オアシスのようであった。
そんなオアシスを楽しんでいればすぐに時間は過ぎ、停留所に到着。 そそくさと下車し、家へと向かう。 バスを降りれば自宅は目と鼻の先。 すぐに自宅のドアの前。ガチャりと開ければまた天国。冷房は人類で最強の発明だと思う。
「ただいま」
言いなれた単語。自分史上最高の声で発音。
「ぁ..ぉかえりなさぃ」
穏やかな声で返ってきたのは義妹の時雨
シャイで穏やかな性格だが、挨拶はきちんとする。
数ヶ月前に、彼女との関係は、「バイトの同僚」から「義妹」にレベルアップした。
なんでそうなったかは、後ほど。
「すまない時雨さん。俺のドクペどこ?」
義妹だと言えど、さん付けしてしまう。
「ドクペ...?なら冷蔵庫だと..思います..」
さんきゅと礼をし、冷蔵庫から、飲みかけのドクペを飲み、空になったボトルをゴミ箱のに入れる。
疲れたのか、眠気が襲ってくる。
「ふぁ~寝みぃ... 」
とヒトリゴトを呟き、自分の部屋に入る。
自分の部屋は、冷房が効いていた。
おそらく時雨さんが気を遣ってくれたのだろう。
我が愛しのベッドにエントリィィする。
すると、直に俺の意識は沈んでいった。




