■シーン6・ブラックヒーロー(ディラ、ダナ、コーラ、テトラ、ジョーカー)男3女2
■シーン6・ブラックヒーロー(ディラ、ダナ、コーラ、テトラ、ジョーカー)
ケテラス星内部に侵入した途端、暴走キャギラに襲われまくっているナナシ一行。逃げまくるが、群れは増え――。
ディラ&コーラ&ダナ「ぎゃああああああああ――――――っ!!」
コーラ「うゃあああっーっ!!」
ディラ「いやああああああーっ!! ダナっ!! なんとか撒いてぇっ!! ……キャギラ、どうしてぇ!? いつもはこんなに攻撃してこないのにーっ!!」
ダナ「ああもおっ! これでも最大出力だっつうの!! ぐうううっ!!」
テトラ「コーラ。中央大陸の座標軸からズレてるよ。このままじゃ宇宙空間に投げ出される」
コーラ「わかってるけどぉっ! こんなんじゃ無理やろ!? テトラもちょっとは役に立ちいなっ! 頭デッカチのくせにいっ!!」
ダナ「ってかアレ、お前らインドランスの暴走形態なんだろ!? 同じ型なんだから、なんとか沈ませる方法ぁ、ねぇのかよッ!?」
テトラ「やだなあ。同属を殺せってゆーの? ダナ卑劣ーぅ」
キャギラの群れに体当たりを受ける。
テトラ&ディラ&コーラ&ダナ「わあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
テトラ「クッ……やばいよ。ダナ!! 操舵系統、イカれてない!? コーラ! 良く見て動くんだっ! もっとダナが操縦しやすいように補正してっ!!」
コーラ「ああっ!? あんたとは違うんよ! んな感覚的分野でダイレクト操作なんかうちには出来んっ!! わああっ……!」
ダナ「待て! まだいけるっ! 俺のナナシをナメんなよおっ!!」
テトラ「コーラ! やばいっ!!」
コーラ「うあっ!? でぃ、ディラっ! 防壁ロジック消滅ぅっ!!」
ディラ「ええーっ!!?」
テトラ「すぐ再構築! 何やってるんだよっ! ナナシっていつもこうなの!? もうやだ。(棒読み)帰りたい。超帰りたい」
コーラ「あかんっ!! テトラ! うち、外出るわ!! ディラを頼むな!?」
テトラ「ち、ちょっと。コーラ!? 今の状態じゃ、シールドが消えるのも時間の問題だよっ……!!」
甲板に飛び出すコーラ。自分の腕から発射されるガトリングで、インドランスたちを倒していく。
コーラ「はぁぁぁぁぁああっ!! 喰らえーっ!!」
ディラ「コーラ! 無茶しないでっ!」
テトラ「大丈夫だよ。銃撃戦ならあの子は強い! 数分は持つ! 時間稼ぎとしては十分だ。ディラ、僕とナナシを繋げる?」
ディラ「えっ? は、はいっ! えっと……。こ、こう! かなっ?」
テトラの身体と、ナナシが一瞬、蒼く光り輝く。
テトラ「コーラ、聞こえる?」
コーラ「テトラ!? うん! 聞こえとるで!」
テトラ「一体だけでいい。敵生態インドランスに、瞬間的ダイブをしてくれないかな」
コーラ「だっダイブぅ!? こっ、こんな!? 今ぁ!?」
テトラ「うん。今! でもすぐに引き返して。コーラのネットワークから、奴等の一律データベースに潜入してみる。こちらからショックを与えられないか、やってみるよ」
ダナ「お、おいっ! それ、タイミングが合わなかったらコーラが危険なんじゃねぇのか!?」
テトラ「大丈夫。僕を誰だと思ってるの? こんなのは……、エドガーが潜り抜けてきた修羅場に比べれば、造作もないこと」
コーラの攻撃を抜けたキャギラたちが、再びナナシを攻撃!!
ディラ&テトラ&ダナ「っゎああああああっ!!?」
ディラ「っ!? コーラ!? コーラ!!」
コーラ「う……うちは大丈夫や。テトラ! いちかばちか! いくでっ!」
テトラ「うん。いつでもどうぞ」
ディラ「テトラくんも一緒にダイブするの!?」
テトラ「うん。でもすぐに戻るよ。心配しないで」
ディラの頬を軽く撫でるテトラ。
テトラ「君を守る為なら何だってする」
ディラ「!?」
テトラ「って――コーラが言ってたから。ねっ?」
コーラ「テトラ!! いくでぇっ!!」
テトラ「うんっ!」
爆発音が響き――激しい光のせいで皆視界が真っ白になる。
ディラ「コーラ! テトラくんっ――!!」
徐々に視界が開けていき。コーラが戻ってくる。コーラの足音だけが響いて。
コーラ「ディラっ! ダナっ!」
ディラ「コーラっ! 良かった、無事で――」
ダナ「せ、成功した……のか?」
コーラ「テ……トラ?」
倒れているテトラを起こすコーラ。
コーラ「テトラ! テトラっ!? ちょっ、目え開けぇっ!! テトラあっ!!」
ピクリとも動かないテトラ。
ディラ「嘘……。テトラくん」
ダナ「お、おい、テトラ!?」
コーラ「……。うち、実は自力じゃ引き戻れんくて……」
ディラ「えっ?」
コーラ「(泣き始め)でもこいつが……無理矢理こっちに連れ帰ってくれたんよ……。ダイブゲートが閉じる瞬間……テトラは……っ」
ディラ「コーラ……」
コーラ「ダイブに失敗した精神は、どこ飛ばされるかわからん……」
ダナ「それに、あの量だったしな……」
ディラ「(テトラくんの精神回路は、ジョーカー様のオリジナル。一度消滅したら、二度と……)」
コーラ「テトラ……ごめん……ごめんっ! うちが、うちのせいでっ!」
再び揺れ動くナナシ!
ディラ&コーラ「きゃああああああっ!?」 ダナ「うああああああああっ!?」
ディラ「な、何!?」
ダナ「キャギラだ!!」
コーラ「そ、そんなっ……。失敗した、言うんか……? テトラ……!」
コクピットの窓ガラスにヒビが入る。
ディラ「っ!! ダナ、振り払えないのっ!?」
ダナ「ぐううっ!!」
コーラ「テトラ……! あんたの身体には、傷一つ付けさせんっ! 絶対守ってみせるっ! ――神様っ……クロム様っ……!」
ダナ「ダメだ、これ以上は、機体がっ!! もたねえっ!!」
窓ガラスに大きな割れ目が!
ディラ「っ!! クロム様……!」
ダナ「クロム……。お前ならどうする……!」
ディラ「っ……。こんな所で……。キャギラに食べられて死んじゃうの?」
割れ目が更に大きくなる。
ダナ「っ!! ディラ、お前だけでも脱出しろ!! さあ!!」
ディラ「そんなこと出来ない!!」
ダナ「お前は生身なんだぞ!? 俺たちなら、コアさえ残れば再生がきく! だからッ――」
ディラ「っ!! 黙りなさい!! 船長は私です!! 私は逃げない!!!! ――コーラ、(コーラとテトラのもとへ。コーラを抱き締めて)私がついています。大丈夫ですよ」
一瞬、ディラがクロムに見える。
コーラ「クロム、様……?」
キャギラに体当たりを受ける……!
ディラ&コーラ&ダナ「ううっ!!」
立ち上がるディラ。数百ものキャギラを、睨みつける。
ダナ「ディラ!! 伏せろっ――!!」
コーラ「ディラっ!!」
ディラ「っ……!! クロム様なら、絶対に逃げない」
コーラ&ダナ「ディラっ――――!!!!」
しばらくの間。無音が続く。
ディラ「……」
コーラ「えっ?」
ダナ「な、なんだ?」
ジョーカー「あーあ。弱っちいなぁ。相変わらず」
ディラ「っ!? 今の声――」
ダナ「まさか……」
コーラ「っ!!? え……」
コーラ&ディラ&ダナ「エドガー!!?」
ジョーカー「おいテトラ!! いつまで嘘寝してるつもりだ!! 起きろッ!! ――艦砲全セーフティロック解除ッ!!」
カッと、金の目を見開くテトラ。ジョーカーの声により再起動する。
テトラ「――了解……」
コーラ「て、テトラっ!!」
テトラ「うっ……。ふっ。まったく。遅いよ! 船長」
ダナ「ジョーカー!?」
ディラ「攻撃の盾に……っ!?」
ジョーカー「チュンチュンと雑魚がうぜえんだよ――喰らえ……!!」
エドガーの何千というビーム射撃が、キャギラを殲滅していく。
ダナ「すげえ……。あれがエドガーのビーム砲……!」
テトラ「ふふっ。ジョーカー。エドガーはどうやって動かしてるのかな?」
ジョーカー「お前がわざわざ鍵を置いて行ったんだろうが」
テトラ「さあ? どうだったかなぁ?」
コーラ「え、で、でも。鍵があったとしても。テトラでないとエドガーの操縦は出来ないはずやろ?」
テトラ「うん。だから。鍵を差し込んだとわかった時に。こっちから遠隔操作して連れて来たんだ」
ジョーカー「バカったれが……」
コーラ「いつの間にそんな高度機能があっ!?」
テトラ「ふふふ。僕は常に進化しているのさ」
ディラ「で、でも、さっきの射撃はジョーカー様のですよねっ? ね!」
ジョーカー「はぁ。ディラにフォローされる程、俺も落ちぶれたか。いや、もういっそ役立たずだと罵っても良いんだぜ、ディラ」
ディラ「や、ヤクタタズー?」
コーラ「まぁじヤクタタズー」
ダナ「テトラがいねーとなんも出来ねーのかよーあっはっはっはっはー」
ジョーカー「殺す」
ディラ&コーラ「うわーっ」
ダナ「い、いい加減戻ってやれよ。テトラ。お前がここに居ると肩が凝ってしょうがねえ」
テトラ「ふふ。そうだね」
ディラ「テトラくん、ありがとう」
テトラ「こちらこそ。ありがとね、ディラ。いい子いい子(ディラを撫でる)」
ディラ「ふぁ……」
コーラを見つめるテトラ。二人、目が合い……。
コーラ「て、テトラ……。あの」
テトラ「ふふ。また、ね」
振り返らず。エドガーに駆け戻るテトラ。甲板に飛び乗って――。
テトラ「っと。……」
ジョーカー「よお。裏切り者のお帰りか?」
テトラ「あー? なーに? 僕がそんなに恋しかったのデぇスぅカー?」
ジョーカー「バァーカ。くそやろうが」
テトラ「ふっ……。あははははっ! ……ただいま」
ジョーカー「(安堵の溜め息)……」
ニッと笑い合い。バチンと互いの右手を高らかに合わせるジョーカーとテトラ。
テトラ「ふふっ。ねぇ、はじめてのお使いって知ってる?」
ジョーカー「ったく……(テトラの頭を軽く叩く)」
テトラ「あたっ! まあ、僕の主人は、堅物でシャイで俺様。じゃなきゃね」
ジョーカー「誰のことだよ」
テトラ「あははっ。こうでなくっちゃ」
キャギラが標的をナナシからエドガーに変更。狙いを定めてくる。
ジョーカー「(銃を抜き、構える)――テトラ!!」
テトラ「うんっ!!」
ジョーカー「ファイアーウオール展開っ!!!!」
テトラ「了解っ!!」
テトラの身体を介して。七色に光るエドガー。キャギラたちの動きを封じていく。
ジョーカー「ディラ! 着いてこい。アイゼルへ誘導する! 敵に構わず進め!!」
ディラ「はっ、はいっ! ダナ! エドガーに続いてっ!」
ダナ「おうっ!!」
アイゼルへ侵入する、エドガーとナナシ!




