プロローグのプロローグ
9割が冗談です
書店でアルバイトすることになった「私」
学生であるが、学費を稼がないといけないために大学の近くの書店にて働くことになった。以前はコンビニなどでアルバイトしていたが、こうして大学が近いのは便利でもあるし、何かと嬉しい気分にもなれる。
特別に本が好きではないし、今まで本を読む機会が少なかった私は、こうして書店で働くと言う事は少しおかしい気もする。が、本もCDも全て「商品」なのだ。だから気に入ったり、思いやることは無いので、別に本が煩雑に扱われようと別に気にはしないたちである。
色々覚えることはあったものの、一週間もすれば慣れが生まれ出し、今こうして陳列棚を漁っている自分はもはや書店の店員である。
本棚にはたくさんの本があるが、どれもこれと言って興味のわくような物ではなかった。
タイトルも馬鹿な物がたくさんあり、例えば地球環境問題の本でもどこか違うようなタイトルが付いていて(「なぜ白クマは減るのか」など)正直、読者に気に入られようとしているスタンスがどうも性には合わなかった。
漫画もたいして読むわけでもないので、今はやりの漫画はどれかと問われれば、新聞の四コマ漫画しか思いつかなく、それを提示する。
まるでつまらない人間なのだが、どうしても本には興味が湧かなかった。
さて、そんな自分なのだが、とあるコーナーの本に目が行った。
「ティーンズノベル」である。
対象年齢が中高生で、内容も漫画をそのまま字に置き換えたような文学性のかけらもないような物ばかりをまとめているコーナーがあった。
それこそ読む気もしないが、商品なので棚に丁寧に陳列をする。
しかし、どうもどれもあまり読む気にはなれない。
装丁も漫画っぽい上に、独自の世界観に入り過ぎている。自分は雑誌しか読まないような人間であるからこのような多方面の人間からして入りにくい物が極端に好きではない。