性格のwhich
「俺の方が幸せだって!」
「私の方が幸せよ!」
「いや、俺だ!」
「私よ!」
「ねぇ、ねぇお母さん」
「何?」
「あの2人また喧嘩してるよ」
「そうね、ずーっと喧嘩してるね」
「絶対俺だ!俺は、自由で歌っていればいいだけさ。こんな良い生活はないぜ」
「あら、絶対私よ!こんな涼しい部屋の中で、きれいに着飾って、みんなが私のことを見ていくわ」
「お前はわかっていない」
「あなたこそわかっていないわ」
喧嘩は夜遅くまで続いた。。。。
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「ねぇ、ねぇお母さん」
「何?」
「今日は喧嘩してないね」
「そうね。今日はしてないね」
暑かった夏が終わろうとしている。。。。。
街路樹の下には、一匹のセミがその生涯を終えようとしている。
ショーウインドウには、秋に発売されるバッグに追いやられ
役目を終えたマネキン人形が、人の手によって運び出されていく。
ガラス越しの価値観の違いは、秋風に消され、大通りを吹き抜けていく。
幸せは、秋の足音に急き立てられるかのように雑踏へと消えて行く・・・・
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