【そんな彼なら 捨てちゃえば?】 ~観て笑う? それとも……~
登場
シリーズ「短距離恋愛」
【半径三メートルの箱庭生活】 第7部 一メートルの世界 <3>(から圏外を覗く)
【伸ばした手のチョット先にある、お月様】 第27部 恐怖の土曜日
物語の中では『そんな彼なら 捨てちゃいな!』というタイトルにて登場していたものです。ある女性が別れを切り出すために男性を呼び出した映画館で上映されていた作品がコレ。作中で一番インパクトのあったのはコチラの映画だと思います。(【伸ばした手のチョット先にある、お月様】においては、ただ恋愛映画を観たとだけしか表記はありません)
『SEX AND THE CITY』シリーズのスタッフが書いた同名ベストセラー本が原作ということで、恋愛の本音をストレートに描いた群像劇です。
映画のコピーからして面白く
『電話がこない――忙しいのよ
結婚しない――愛があればいい
浮気したの――正直に打ち明けてくれた
いいえ――彼はあなたに気がないだけ』
相手の行動を悉く、自分の都合の良いように解釈して愛に突っ走り失敗する女性。
自分の理想の結婚生活過ごすものの、浮気されてしまう女性。
長すぎた春に不安を覚えて結婚を迫って、関係を壊してしまう女性。
チョットしたきっかけで出会った素敵な男性に、運命を感じ突っ走ってしまう女性。
男の心理をまったく分かってなくて恋愛に突っ走る馬鹿な女の子を見てられなくて、ついついアドバイスをしてしまう恋愛の達人の男性。
知り合った美女についフラっとしてしまい、浮気に走ってしまう男性。
現状に満足し次の段階に踏み出すことのできなかった男性。
この七人が入り乱れて、物語が進んでいきます。
普通恋愛小説において、『好きなのに、つれなくしてしまう』『気があるけどプライドが高く、向こうからアタックできない』等、盛り上がるために良く使われるシチュエーションを、映画のオープニングにおいて全部それは女性の気のせいで『彼はあなたに気がないだけ』と切り捨てている所がなかなか面白いです。
何組かのカップルを同時進行でみせているために、群像劇に慣れてない方は人間関係を把握するのに時間かかるかもしれませんが(そこまで複雑でもありませんが)、どれかの人物に感情移入して楽しめるのではないでしょうか?
私自身は、実際『長すぎた春』を体験してきた事もあり、そのカップルに感情移入してしまいましたが、映画的には男の心理を理解しておらず、すぐ勘違いを起こす女性の物語が一番面白いです。その女性と、クールで恋愛上級者の男性とのやりとりがなんとも良く、今から×××に突入かという直前に電話でアドバイザーの男性に『こんな感じで、こういう状況になっているけど相手は大丈夫か?』と指示を仰ぐとか、ありえない状況が本当に面白いです。
豪華キャストでドリュー・バリモア、ベン・アフレック、ジェニファー・アニストン、ジェニファー・コネリー、スカーレット・ヨハンソン、ジャスティン・ロング、ケビン・コノリー等の豪華俳優陣も魅力の一つで魅せるという事に長けているメンバー競演がまた物語を盛り上げています。
ただカップルで見るにはやや不向きで、同性でワイワイ楽しみながら観るのに向いている映画ですね。 また、恋愛に振り回される女性の物語にみえて、実は女性に振り回される男性の物語であるので、女性の方が楽しめるかもしれません。
2009年 米
He's Just Not That into You
監督 ケン・クワピス
脚本 アビー・コーン
マーク・シルヴァースタイン
出演者 ベン・アフレック
ジェニファー・アニストン
ドリュー・バリモア




