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黒と青、金と青、銀と紫  作者: 朝山 みどり


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20/21

20  イサドラ退場

パトリシア目線 

なにもかもが、わたしを追い詰めていく。あの貧乏男爵の娘にちょっとした意地悪をしたのがいけなかったの?

 なにもしてないのに、アレク様を害したのがわたしだと疑われて、いえわたしだと決めつけられて、実家を勘当されて平民になってしまった。

 そして、マイク様を。マイク様は王妃様が生んだのに、生んだ我が子を殺すように言いつけられた。

 成功するわけがない。だから、わたしはサンダース侯爵様に相談した。

 侯爵は最初、信じてくれなかったが一生懸命話したら信じてくれた。そしてわたしが助かる方法を考えてくれた。

 だからわたしは短剣を落として捕まった。

「護身用に持っているのをうっかり落としました」

 わたしは侯爵閣下に教えられたことを繰り返したが信じてもらえなかった。

 王妃殿下は取調室に来ると

「この裏切り者。拾ってやったのに。恩を忘れて子供たちを」と罵った。

 わたしも負けずに

「殺せと命令したのは王妃様です。我が子をマイク様を殺せと命令しましたね。王妃の言うことは、嘘です」と言うとわたしは思い切り殴られた。


 気が付くと牢屋の床に寝ていた。誰かが話している。

「王妃殿下のことは本当でしょうか?」

「どうでしょうか?本当かどうかは関係ないですし」

「まぁ死んで貰うしかないですね」

「楽に死なせてやってくれ」

「こんなにたくさん!ありがとうございます」


 鍵を開ける音がした。誰かが入って来た。

「おや、目が覚めていたのか。寝たままだったら良かったのにね」

 首になにかが巻き付いた。逃げようとしたが動けなかった。

 息が出来なくなった・・・これが楽な?



 サンダース侯爵目線

 パトリシアがとんでもないことを相談して来た。

 エミリーのやつがマイクを殺そうとしているとか・・・

 役立たずめが・・・

 あのような母親ならもう不要だ。


 イサドラ目線

 お父様がついに決心なさった。これはわたしにしか出来ないことだ。

 わたしのほうが、美しい。なにより子が生める。それなのに陛下はわたしに見向きもしなかった。

 そばにわたしがいるのに姉に執着していた。だが、今の姉は見る影のない哀れな存在だ。

 お姉さま、楽にお成りなさい。後はわたくしが引き受けます。わたくしのほうが全てを上手くやれますわ。

 お父様の期待にはわたしが答えます。




 王子たちの会話

「さて、手駒が手に入った。どう使う? ほんと体がもう少し大きくなればあんなのはいらないのに」

「どうにも使えるから返って迷うよね」とマイクがにやにや笑うと

「サンダースのやつ王妃を排除しようとしてるから、それを待ってからがいいけどね」とウィリアムが言った。

「それに関してちょっと計画があるんだ」と続けてウィリアムは天使のような笑いを浮かべた。

「ほう、楽しみにしてるよ。侍女長、宰相、狩りの関係者。葬儀担当者にえーーと王様だね」とマイクが指を折る。

「まだままあるけど、急ぐことはない。せっかく形を成せたんだ。これからだ」とアレクは言うと

 侍女に合図を送る。

「菓子を食べよう。新作だそうだ」と弟二人にアレクは兄の顔で言った。




 ウィリアム目線

 マイクと一緒に王妃の所に駆けて行った。トーマも一緒だ。

「お母様」と大きな声で挨拶して

「喉が渇いた」

 王妃のお茶を取って、飲もうとしてやめた。静かにカップをテーブルに置いた。


 それから

「動くな!誰も動くな。お前もだ。イサドラ」

「なにを」とイサドラが言いかけるのを遮った。

「変な味がする。変な匂いも」と言うとマイクがはっとして、イサドラに飛びかかった。

 トーマがドレスに爪をかけてぶら下がった。ドレスが引き裂かれて小瓶が落ちた。


 僕はすぐに小瓶を拾いあげた。


 駆けつけた護衛には、イサドラをはじめとした使用人の拘束を命じ、僕はマイクと一緒に国王の所へ行った。


「マイク、いい判断だったな」とアレクが言っている。国王や宰相がいる前での発言だ。

「えぇ、お母様の宮ではイサドラが幅を聞かせていましたので、それに子供の言うことだと言われそうで。だからお父様の所へ急ぎました」

「冷静で立派だったと聞いておる。それにウィリアム。怖い目にあったな。それにお茶の味がおかしいとよくわかった。わたしだったら気がつかなかったよ」とアレクは優しい笑顔で、宰相の反応を見ている。

「いえ、偶然です」と答えるとトーマを抱き上げた。


「今後はどうなるのですか?」とアレクが聞きながら、マイクと僕を見た。


[席を外すように言うから適当に嫌がれ。そして逃げるトーマを追いかけて部屋を出ろ]と言うアレク兄様の指示に

[了解][わかった]と僕とマイクは返事をした。


「二人は銀灰妃の所へ行くといい。今頃心配でうろうろしている。無事な顔を見せてやればいい」

「えーーそれなら兄様も一緒に」と僕が言うとマイクも

「そうですよ。銀灰妃様は兄様を贔屓してますよ」と言った。

「そんなことはない。三人を同じように可愛がって下さってる」とアレクが言うとトーマをドアに飛びつかせた。上手くドアを開けるとトーマが外に出た。


「トーマ!どこに行く?」「トーマ、こら」と僕とマイクは飛び上がると部屋を出た。

 その後のことは教えて貰ったが、イサドラは薬の入手先を父親だと言ったそうだが、侯爵は否定。

 我が子を、増して王妃になった我が子を殺すような真似はしない。それにエミリーはなにより可愛い最初の子だと言い切ったそうだ。

 貴族として正しい在り方の弁明と周囲は認めたようだ。


 王妃もこう言ったらしい。

「昔からあの子はわたしに張り合っていました。何故、どこにも嫁がずにいたのか不思議でしたが、わたくしに成り代わろうとしていたのですね。恐ろしい」と。

 侯爵は、『次女をないがしろにしたつもりはないが、寂しい思いをさせていたのかも知れない。これはわたしの罪だ』と言ったとか。


 まぁ温情で貴族のまま毒盃で死んだ。トーマで見に行ったけどおもしろかった。

 見苦しく命乞いをして・・・終いには押さえつけられて飲ませられていた。

 でも、見に行って良かった。ネズミを支配できるようになった。

 これは兄様たちには秘密だな。



いつも読んでいただきありがとうございます!


誤字、脱字を教えていただくのもありがとうございます。

とても助かっております。

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。

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