表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

2. 百物語 第弐話

本来の百物語のルールは、『立てた100本の蝋燭に火を灯し、1話毎に1本の蝋燭の火を消す』というモノ。 だがしかし、小学生10人が100本の蝋燭を用意するなんて、まず不可能である。 なので俺達の百物語のルールは、①『各自が蝋燭1本を必ず持参する』。 体育館倉庫の中で、②『円陣に座った俺達の前に立てた蝋燭に、俺が100円ライターで火を灯す』。 そして、③『1人が1話毎に蝋燭の火を吹き消す』。④『10人が10話終われば、再び俺が火を灯す』。⑤『これを10回繰り返して、百物語にする』。 当時の俺達小学生には、これで精一杯だった。 でも1人が怪談を10話も話すのは、至難の業というモノだ。 話せて精々2〜3話が精一杯であろう。 残りの話しは似たり寄ったりが関の山だった。 そして100話目。 誰かが自分の蝋燭の火を吹き消した。 10秒…20秒…30秒…。 俺達は息を殺して、静かに時間が過ぎるのを待った。 「そろそろ1分経つぞ」「あれ?何かあった?」「もうすぐ陽が沈むぐらいかな…」。 各々が口を開いた。 結局、何も無かった。 「もしかして俺達、騙されてる?」「なんだよ、バッカみたい」「夕方だし、帰ろうぜ」。 結論として、百物語の後には何も無かった。 真上にあったはずの太陽が気が付けば、もうすぐ沈もうとしていた夕方4時30分過ぎ。 帰り支度をする俺達は、体育館倉庫から1人1人と出る。 そして最後に体育館倉庫を出た俺と、俺が出るのを待っていた友達と一緒に体育館倉庫の扉を閉めた。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ