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12 . バカ正直に生きた証 ⑤

「…ココ?」と呆然としながら呟いた私の目の前には、老男性の言う通りに案内されたはずの自宅が…、まさに城だった…。 3mの石垣の上に2mの白壁。 門から辛うじて見える豪邸は、2階建の武家屋敷造り。 いや、門からして大き過ぎる。 観音開きになる正門は車の出入りのためなのか? 脇の通用門が人の出入りのためなのか? 正門と通用門の間にある門柱には、『武多』と書かれた表札がある。 「ほっほっほっほぉー、心配には及ばんよ。ここがワシの家じゃよ」と、悪戯が成功したかのように軽やかに笑う老男性。 「御殿様…?」とどうにかして絞り出した呟きに、「昔も今も、御殿様じゃよ」と、終始、上機嫌に笑う老男性。 門柱の表札の下にあるカメラ付きインターホンに近づいた私は、「両手が塞がっている私の代わりに、インターホンを押して下さい」と、老男性にインターホンを押すようにと託しました。 右手でインターホンを押した老男性は、カメラに向かって右手を振り向きながら、「ワシじゃよ」とインターホンに告げました。 まるで「見てる〜?」みたいなノリで…。 通用門が開くと同時に、正面玄関口から現れた50代くらいの男性が、「旦那様!」と声をあげながら慌てて駆け寄りました。 「えッ、バトラー!?」と、目の前に現れた方に驚きました。 「ほほぉ〜、若いのによく知っとるの〜?」 

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