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カクヨムボーイのゼンゼロ漫才「フォン・ライカン?」

作者: 蠱毒成長中

「どーもっ、好きなゲームはパズルゲームの柿崎とっ!」

『好きなゲームはステルスアクションの黄泉河原です!』

「二人併せてカクヨムボーイです、宜しくお願いします」

『おっとぉ~、今ゼンゼロ運営様からポリクロームを1600個頂きました~』

「丁度マスターテープと交換して十連変調できる量ですね~。

 こんなん幾らあってもいいですからね~。

 寧ろ毎秒160個ずつ欲しいくらいですからね~」


『……ところでゼンゼロと言えばなんだがよ~柿崎~』

「おうどうした黄泉河原。

 お前のことだから甥っ子が課金しててヤバいとかそういう話か?」

『オウヨ。

 まあ我が家のゼンゼロプレイヤーは概ね邪兎屋三人衆推しだから

 課金とかは特に問題じゃねーんだがな』

「なんだよ三人衆って。

 昭和や平成の北斗界隈じゃねえんだぞ、猫又ハブんじゃねえよ。

 んで、どうしたんだよ」


『いや俺の姉貴がよ、

 妹の影響でゼンゼロ始めようかってなってんだけどな?

 なんだ、一目見て推してえと思ったエージェントの名前が

 ど~にも思い出せねえってんで、親族みんな頭抱えちまってよ~』

「なんでそれで親族みんな頭抱えてんだかはよくわからんが、

 まあ第一印象、その場のノリとか直感で好きんなっちまうと、

 詳細な情報とかが頭に入って来ねえのはあるあるだわな~。

 よし、そんなら件のエージェントについてお前の姉さんが言ってた特徴を挙げてってくれ。

 俺だってゼンゼロ歴はそこそこだ、

 お前の姉さんをそこまで魅了したのが誰なのか、わかるかもしれねぇ!」


『おお、助かるぜ~。

 まず姉貴が言うには

「人間じゃなさそうなビジュアルで、

 可愛いってよりはカッコいい路線だった」

 らしくってよ~』

「人外でカッコイイ路線……ってぇと、フォン・ライカンじゃねえか?

 人外系のエージェントはそこそこ数いるが、

 中でも取り分けカッコイイ路線つったらライカンだろうよ。

 顔がいいし、その色香とキャラ性能で大勢のプレイヤーを魅了してっからな。

 一族きってのガチオタで、

 特に特撮ヒーローとゲームのプレイアブルキャラへの拘りが尋常じゃねえお前の姉さんでも

 ライカンの完成度の高さを前にしちゃ一目惚れしたっておかしくはねーだろ」

『オウ、俺もライカンじゃねーかなって思って姉貴に聞いたんだがな?

 どうも違うらしくってよ~』

「なにぃ~? どういうこったそりゃあ」


『おお。なんだ、姉貴曰く

「モンハンでコラボ装備が出たら武器まですんなり出せそうな気がする」

 そうでよぉ~』

「オイオイオイオイ……そりゃ確かにライカンじゃねーな。

 奴の武器は欠けた両脚を補うメカ義足だし、

 両手は奉仕の為に使うモンだとかってんで、敵相手には足技しか使わねえからな。

 一方でモンハンの武器と言えば手で持つモンばっかりだ。

 コラボ装備代わりに重ね着組み合わせてライカンの見た目だけ再現できようと、

 既存のモンハンじゃ奴の戦いぶりまでも再現はできやしねェ。

 もしモンハンのゲームフィールドにフォン・ライカンて男を完全再現してぇなら、

 ライズの豪鬼重ね着よろしくシステムの根幹に干渉しなきゃなんねェんだ。

 似た例だとビリー・キッドやベン・ビガーもそのクチだが、

 奴らはまだ既存武器で妥協できなくはねェからな……

 ともかくモンハンコラボで専用武器まですんなり出せるエージェントってんなら、

 まあライカンってこたァねーだろうさ。他ンなんか言ってなかったか?」


『オウ。姉貴が言うには、

 顔が良くてスタイルがいいのに加えて、

 思わず触らずにいらんねェよーなご立派な尻尾がチャームポイントだとかって話でな?』

「オイ待てよ、そりゃやっぱりライカンじゃねえか。

 さっきも言ったが奴はとにかく顔が良くて色気がエグいんだ。

 当然スタイルだって抜群さ。お陰で女のみならず男さえも魅了しちまってる。

 昔さる極真会の凄腕空手家が『女にモテるイイ男は男からも慕われる』って格言を残したそうだが、

 フォン・ライカンって男はまさにその格言通りのヤツなんだよ。

 もっと言うとヤツはオオカミのシリオン、要するに獣人だ。

 なもんでご立派なモフモフの尻尾も生えてやがってよ、

 それがまた奴の色気に愛嬌まで加えちまってから

 大勢のネットユーザをケモナー道に堕としたってんで有名なんだよ。

 まあ、劇中世界じゃシリオンとて人権はあるから、

 許可なく尻尾触ろうもんならセクハラや名誉棄損、侮辱辺りでパクられちまうがね。

 ともかく顔もスタイルも抜群な上に尻尾がチャームポイントってなると、

 そりゃもうライカンしかあり得ねえって話だろうぜ」

『んんー、そうなんだよな~。

 だからまあ、俺もやっぱライカンじゃねえかって気がすんだけどよ~。

 やっぱそれでもイマイチしっくり来ねえんだよな~』

「何がしっくり来ねえんだよ。何もしっくり来ねえこたねーだろ」


『や、それがな? 姉貴が言うには、

「キャラとしては魅力的でも仕事場に欲しいかと言われると微妙なライン」

 だってんだよな~』

「ンン~! ライカン、じゃねえなあ!? その特徴はライカンじゃねえわ!

 ゼンゼロに数多の上司・上役キャラ在れど、

 ライカンほど仕事場に欲しいヤツぁそうそういねぇからな!

 まあイヌ科動物のアレルギー持ちだとか、

 動物恐怖症ってんならわからなくもねぇが……」

『どっちでもねーな。

 姉貴の持病つったら精々中二病と高二病と釘宮病ぐれーのもんだし、

 モフモフと見れば犬猫兎にハムスターからインコやオウムにヒクイドリ、

 果てはタランチュラや毛虫にも頬擦りしちまうレベルの動物好きだからよ』

「だろ~? そんなお前の姉さんが、よもやライカンを拒否ろうハズもねえ。

 何ならライカンはヴィクトリア家政でも現場トップを任されるエリート社員、

 一般的な使用人が熟す業務全般のみならず、真正面きっての戦闘から諜報活動、

 機械整備に飛行船操縦と概ねなんでも熟しちまう万能型……

 まあ意外と歳食ってる所為かネット関連には疎いようだが、

 逆に言っちまえば欠点なんざその程度……

 常に人員不足に頭抱えてるお前の姉さんが仕事場に欲しがらねえなんてワケはねーだろ。

 てワケで他、なんか言ってなかったか?」


『姉貴が言うには、

「スーパー戦隊の初期メンバーに居たらブルーで間違いない。

 何なら過去作にも同じようなブルーの戦士がいた。

 初期メンバーじゃないなら何かしら特殊な立ち位置やカラーが割り当てられるだろう。

 それも過去作に似た戦士がいるからわかる」ってんだよな~』

「 ラ イ カ ン じ ゃ ね ー か ァ !

 スーパー戦隊48作動物モチーフ星の数!

 当然オオカミやらイヌ科動物の戦士もいる!

 中でも第41作『宇宙戦隊キュウレンジャー』の二番手はオオカミブルーは

 名前通りオオカミモチーフのブルー戦士で変身者さえ真っ青なウェアウルフ風宇宙人のガル!

 そんで初期メンバーじゃなくて特殊な色を割り当てられたイヌ科動物モチーフの戦士と言えば、

 言わずと知れた第28作『特捜戦隊デカレンジャー』のデカマスターがいる!

 変身者はこれまた青いウェアウルフっぽい、

 ともすりゃ実質"実写版ライカン"と言えなくもねえビジュアルのドギー・クルーガー!

 枠の特殊性も相俟ってそのスーツカラーは公式でも定まっちゃいねえ。

 何ならケモナー界隈じゃライカンをドギーのオッサンの再来と持て囃す声もあるって話だ!」

『なるほどな』

「しかもそれだけじゃねえぞ!

 21世紀戦隊じゃ足りねえってんなら20世紀戦隊のネタをぶち込んでやろうか!?」

『いや、要らねーけど。これ戦隊ネタの漫才じゃねーし』

「おうわかった! なら20世紀戦隊のネタをくれてやろう!」

『聞けよ』

「いいか、ライカンは知っての通り『手は奉仕に使うもの』として足技で戦うエージェントだが、

 スーパー戦隊第17作『五星戦隊ダイレンジャー』のテンマレンジャーこと格闘家の将児もまた

 ライカン程じゃねえが足技主体の戦闘スタイルだ!

 それも奴は格闘家と言ったがムエタイなんかの選手じゃねえ、よりにもよってボクサーなんだよ!」

『うん知ってる知ってる。姉貴から聞いたもん俺も』

「この件は長年ファンの間でも

 『泥人形シャダムを作ったのは誰なのか』

 『キリンレンジャーだけ固有能力がやたら強いのは何故なのか』

 に並ぶ同作の三大疑問点として界隈でも度々話題になってたんだが」

『別にそこまで話題になってねえし

 何より先ずこれゼンゼロネタの漫才なんだよ。

 戦隊ネタでアホほど引っ張るんじゃねえよお前』

「その件に関しては後年補完がされててな。

 将児が足技主体なのは当人曰く「自分の拳は試合用、戦場で敵如きに使うのは勿体ない」と!

 こう語ってるワケだ!

 要はてめえの信念の故に手を神聖視し、

 その故に敵を足技で屠る戦士って点じゃ将児は実質20世紀のフォン・ライカンと言えるワケだ!

 戦隊クソにわかの俺でもそこは知ってるなら、

 戦隊専門家のお前の姉さんが意識しねーワケはねぇってのよ!

 つまりお前の姉さんが惚れたのはライカンだ!

 寧ろライカンじゃなくて誰が当て嵌まるってんだよ!? アァんこらァ!?」


『ドウドウ、落ち着けよ柿崎。姉貴の証言はまだあるんだ。

 姉貴に曰く「キャラが魅力的なだけじゃなく、ゲームでの性能もピカイチ」だそうでよ~』

「じゃあライカンじゃねえか! その特徴はライカンで間違いねえよ!

 初期実装組ん中じゃ貴重な撃破属性持ちかつ、

 初期から戦場でやたら要求される割に

 ガチャ運がなきゃとことん手に入らねえでお馴染み氷属性!

 武器持ちに劣る短めのリーチを補って余りある攻撃力と操作のしやすさ!

 加えて本気で気合入れて徹底強化すりゃ

 他に味方キャラを入れる迄もねえ程のインチキスペックに化けやがる!

 お陰で強豪揃いのS級エージェントん中でも取り分け

 『何としても確保しとけ』と言われる程の最強キャラで通ってんだ!

 よって必然、お前の姉さんが惚れたのもライカンで間違いねえって寸法よ!」


『んー、確かにそうなんだがな?

 姉貴曰く「レアリティが高いのに加えて、期間限定だからもう手に入らないのが残念だ」って話で』

「――え?」

『や、だからよ~。

 「期間限定でもう手に入らねえ」って言ってたんだよ、姉貴がっ』

「――は? ……え?

 …………

 …………

 ――― ラ イ カ ン じ ゃ ね ー じ ゃ ん ! ? 」

『うわああああっ!? お前結構間を置いて大声出すんじゃねえよ!』

「オ゛ウ゛、す゛ま゛ね゛え゛」

『ほらお前もう声張り上げすぎてなんかスピードワゴンの小沢か

 昔居たVtuberのアカナントカタツヤ? ってヤツみたいになってんじゃん。

 喋りで食ってんだから喉は労わらねーとお前……』

「……ん、すまねえ。全くその通りだよ。

 俺としたことが、作者の野郎の

 『描けば出る』ならぬ『書けば出る』って願掛けを背負ってるからと根詰めちまってたよ」

『ああ、まぁそりゃそうなるか……。

 あの野郎これ書く寸前に半ば冗談で恒常ガチャ単発で回したらS級シグナル出て来て、

 調子付いて期待してたら出たのが音動機の「拘縛されし者」だったっつー、

 運がいいんだか悪いんだかわからねー目に遭ってっからな……』

「作者の野郎はどうか知らんが、

 個人的にはライカン引き当てる伏線じゃねーかって思ってるぜ。

 ……けどもアレだな、ともかくその特徴はライカンじゃねえな。

 奴は確かに最上級のS級で入手難易度はバカ高ぇ方だ。

 特にゼンゼロはシステム上、恒常ガチャ用の石がゲーム進む程に手に入り難くなっちまう。

 それが災いしてライカンも必然、比較的序盤の内に確保しとかねーとヤバいエージェントではあるんだが、

 一応の救済策として恒常ガチャ300連……

 十連を三十回回すとアカウント一つに限りただの一度だけ、

 特定の恒常S級エージェント一人を確実に入手できるエージェント指名システムがあるんだ。

 つまりガチャ運やカネのねえ奴も、根気強く回し続けて、

 かつ選択肢を間違いさえしなけりゃライカンの確保はできるんだよ。

 まして期間限定なんかじゃねえんだ、奴はな……。

 しっかし、そうなると一体……」


『悩ませちまってすまねーな。補足するぜ。

 姉貴に曰く「公式YouTubeチャンネルの関連動画が、

 2024年7月時点でミリオン達成してる数少ないエージェントの一人」

 って特記事項が記憶に残ってるらしいんだよ』

「あー……ってなると、もうライカンだろ。

 寧ろライカンしか有り得ねえよ。

 マジでYouTubeでの人気もスゲェからな。

 何なら実戦紹介PVに限ればトップだってんだからよ。

 いやもうこれはライカンで決まりだろ、ライカンしか有り得ねえよ」

『おう、やっぱライカンだよな~。

 親族の誰もがライカン説を推してんだが、

 姉貴はどうも疑り深いトコがあるせいで納得できてなくってよ~。

 しかしお前がライカンだと言ってるんなら流石に姉貴も納得してくれると思うぜ』

「そうかあ?」

『オウヨ。何せここだけの話、姉貴は度々

 「新着情報を収集・整理する能力じゃ柿崎には勝てない」つって、

 お前を高く買ってるトコあるからなぁ。

 何なら姉貴の旦那や娘たちもお前のSNSをサブカル系の情報源にしてるぐれーよ』

「そんな過信されても困るが……まあ、悪い気はしねえな」

『だろ~? 姉貴がサブカル絡みで負けを認めるのって珍しいから誇っていいと思うぜ。

 ……ちょっと待っててくれ。姉貴に報告のメールを打つからよ』

「大丈夫かな」

『大丈夫だろ~……よし、送信っと。

 さて、これで後は返事が来るのを待つだけd――あ、返事来た』

「早ぁ!? 幾ら何でも早すぎねーか?

 どんだけ文字打つの早いんだよあの姉さんよ~」

『まあプロゲーマーなんてそんなもんだよ』

「いやプロゲーマーでもそんな早くメール打てるヤツそんな居ねえって……。

 で、姉さん何て?」

『うん……スゲー言い辛いんだけど、いいかな?』

「良くない」

『えっ』

「良くない。聞きたくない。

 ここまで必死で頑張って来たんだもんよ、聞きたくねえよ。

 アレだろ? どうせこれまでのお前の頑張りが全部無に帰す展開だろ?」

『や、そうとは限らねえかもしれねーじゃん?

 てか俺がここで姉貴からのメール読まなきゃ漫才が進まねえワケだしさ、

 素直に読み上げさせてくれよ、他ならぬ相方の頼みだぞ?

 てかこのネタ書いたのお前だろ』

「いやこのネタ書いたの作者だよ。俺が書いたって設定だけど」

『こんなとこで最低のメタ発言すんじゃねえよ。

 いいから! 読み上げるぞ!』

「……」

『……もう表情が虚無じゃん。

 騙された挙句変な映画見させられて

 その後インタビュー受けてる時のホッカイロレンの被害者より虚無じゃん』

「……読めよ。もう流石に読者もダレて来ただろ」

『おう、その……姉貴に曰く

「そのエージェントは女で、恐らく未成年。

 かつメジャーとは言えこの手のキャラには比較的珍しい水生生物モチーフ。

 有志が作ったキャラソンMVで主役張ってる所為で、

 ゼンゼロ知らなくてもこいつだけは知ってるぐらい知名度が高い」んだってよ……』

「……(ノД`)・゜・。」

『オイ止せよもうお前いい年こいた大の男が舞台で泣くなよみっともねェ』

「ホンドデー! ドンダケ変調シデモ! オンナジオンナジヤオモデェー!

 ンァッ! ハッハッハッハー! このガチャの……

 フンフンッハアアアアアアアアアアァン!

 アゥッアゥオゥウアアアアアアアアアアアアアアーゥアン!

 コノガチャノケッカァェァァァェッ……アー! ガチャ運をォ……ウッ……ヴァゲダイッ!」

『いや野々村竜太郎!?』

「ライカン来ない問題はぁ……

 グズッ……本作の作者のみンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ!

 本作の作者のみンゥッハー!

 グズッ

 作者のみならずぅう!

 日中、東亜……全世界のプロキシが抱える問題やないですかぁ……

 命がけでッヘッヘエエェエェエエイ!

 アァアン!

 アダダニハワカラナイデショウネエ!」

『もうこれどっちがボケかわかんねぇな……』

「おっといけねぇ、ネタそっちのけで作者の内心代弁しちゃったぜ」

(切り替えが早ぇなんてもんじゃねえぞ……

 うちの姉貴のメールより早いじゃねえか……)

「で、結論言わせて貰うけどさ、

 お前の姉さんが惚れたのってライカンじゃねーよな?」

『まあ、そうだな』

「てかさっきメールで届いた内容最初に言ってくれればそれが答えになってたじゃねえか。

 どうしたんだよお前の姉さん。てかお前もお前だよ。

 予め情報整理して纏めて言ってくれてたらここまで大事にならなかったじゃねえか」

『うん、それはマジでごめん』

「いやまあ俺が書いたネタなんだけどさ? それにしたってどうなんだよ。

 てか黄泉河原お前、さては姉さんが惚れたエージェントがライカンじゃねえって薄々感付いてたんじゃねえのか?」

『うん、まあなんか、そうだろうなって気はしてたよ……

 親族の中にもライカン説懐疑派は少なからず居たし』

「じゃあどっかいい感じのタイミングでその情報を出せよ。

 なんだよお前。俺が今の今迄延々とライカンの魅力について語ってた時、

 どういう気持ちだったんだよ……」

『……ネタとは言え、申し訳ねえなって思ってたよ』

「そうか……」

『で、親族でも数少ないライカン説懐疑派のうちの親父に曰く、

 姉貴が惚れたのはエレン・ジョーじゃねえかって話なんだが……』

「いや絶対に…… そ い つ だ よ 。

 お前の姉さんの言ってた特徴全部当て嵌まるじゃん。

 例としてスーパー戦隊云々補足させて貰うなら、

 サメモチーフのブルーの女戦士は第40作『動物戦隊ジュウオウジャー』にいるしよ~」

『ああ、ジュウオウシャークのセラちゃんな。

 戦隊のサメ戦士は男って風潮に一石を投じたキャラだったよな』

「そうそう、それまで女の水生生物戦士はイルカモチーフで……

 って、お前が戦隊ネタで引き延ばしてどうすんだよ。

 んでサメモチーフの特殊な戦士つったら第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のドンムラサメだろ?

 ……ああいけねえ、俺も戦隊ネタで引っ張っちまってるわ。

 他にも言うとアレだな、

 可愛い路線かカッコイイ路線かってのは諸説あると思うが、

 少なくとも鮫シリオンで人外なのは間違いねえし、

 容姿端麗スタイル抜群かつ級友もよく触ってる尻尾がチャームポイントだし」

『肥満の時真っ先に脂肪が行くのが尻尾なんだっけ。

 ヒョウモントカゲモドキみてーだよな』

「お前よく知ってんな……。

 んでなんだ……

 キャラとしては勿論魅力的だし能力も高えから役には立つだろうが、

 さりとてあの性格と態度を考慮すっと仕事場に置きてえかどうかは微妙なラインだろうしよ」

『少なくとも裏方させた方がいいよなあのタイプは』

「営業とか接客には向かねえだろうな。

 で、なんだ……

 性能アホ高くて環境級とか言われるし、期間限定だし、

 公式YouTubeじゃ関連動画再生数トップクラス、

 それもライカンやニコと並んで百万回の大台に到達してる三人の内の一人ってんだろ。

 高校生だから留年でもしてなきゃ未成年だろうし……

 てか二次性徴云々言ってるからそりゃ未成年なワケで。

 ゲームキャラの動物亜人ってえとそれこそ犬猫とか陸の動物が多い中で、

 サメってのは比較的珍しい部類っちゃそうだし、

 若干23歳の天才シンガーソングライター弌誠イッセイの手掛けた名曲

 『モエチャッカファイア』が事実上エレンのテーマ曲なのは最早周知の事実……

 何なら入手期間をとっくに過ぎた2024年12月現在に至る迄ゼンゼロのWeb広告に起用されてんだからなあ……

 あの広告はちっと性格悪い気がするぜ。

 如何にもエレン出ますみてーな雰囲気出してんじゃん」

『近々復刻があるんじゃね?』

「どうかな~。

 で、なんだ……ああ、モンハンのコラボ云々にしてもまあ~

 ギミック武器の双剣か太刀か操虫棍かわかんねーけど、

 少なくとも手持ち武器な分ライカンの義足よりは分かりやすいっつーか、

 とりあえず重ね着で再現できるレベルではあるだろうさ。

 と、こんな感じか……」

『そんな感じだろ。

 ……もういいよ、疲れたよ』


「『どうも、ありがとうございましたー」』



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― 新着の感想 ―
 二次創作な作品なせいか、それを知らない私にはさっぱりな作品でした。  ただそれでも、会話だけでここまでテンポよく読ませる力量は凄いと思います。  知ってればちゃんと笑えたのだろうと思わせられる良い作…
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