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無為流転 ~どうということもない日々を綴る~  作者: 紫蘭
令和二年(二〇二〇年)八月
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八月三十日 映画デビュー

八月三十日 日曜日 晴時々雷雨


 今日は息子映画デビューの日。映画ドラえもん、のび太の新恐竜を見にいくのだ。映画の上映が午前中なので朝早くからちょっとしたお祭り騒ぎで、テンションの異様に高い息子、準備に暇のない妻、そして予定とにらめっこする私と家族一同大騒ぎ。


 移動中も息子はドラえもんと恐竜の話ばかりする。楽しみなのだろう。余裕を持って家を出たので映画館には三十分ほど早く着いた。フロアを見渡すとあの映画館特有の賑やかさが無い。ぱらぱらと人はいるががらんどうとしていて寂しい。こういう時期もあり映画館を避けている人も多いのだろう。


 まだ時間もあるので私は売店を探すが、寂々とした雰囲気もありなかなか見つからない。人気(ひとけ)もないため周囲と同化しているようだ。息子たちはというと、そんな存在感の無い売店にも関わらず見つけ出しており、何を買うか必死に物色しているようだった。


 私はいつも売店ではパンフレットを買うのだが息子はグッズの方が気になるようだ。クリアファイルやふせんをはじめ、キーホルダーや小物入れ、恐竜図鑑やパズルまである。その中で選んだのはポケモンのモンスターボールだった。なぜ今それを選ぶんだ、息子よ。


 入場時間が来たので息子を母に託し私と妻はその間に普段できない用事を済ませる。午前中とはいえ既に外は暑いので地下街を移動する。地下街の移動は地上より遠回りに鳴ることが多いが太陽を避けることを優先した。


 映画が終わる頃には長く歩いたこともあり足に違和感を感じ始めていた。息子たちを迎えに行ってからランチへ向かうつもりだったが、妻に任せてレストランの近場で待つことにした。周りには座る場所もなく、徐々に増す痛みでただ立っている事すらも困難にしていく。


 ランチで調子に乗ってビールを飲んだのもまずかった。足は既に痛や張り感があり引きずりながら歩いていた上に眠気と倦怠感まで出てきていた。最終的には八千歩ほど歩いていたのだが、五千歩ほど歩くと必ず足に違和感が出ていたので、かなり無理をしていたのだろう。


 家に帰ってからも息子はモンスターボールで遊び、パンフレットで遊び、おまけで貰ったカラー漫画のドラえもんを読みと充実した一日を過ごしていた。


 寝かしつけている時、

「ちち、ドラえもんがもし夢に出てきて……」

 途中から何を言ってるのかわからなかったので聞き返した。

「なんでもない」

 と言った数分後には息子は夢の中にいた。

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