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無為流転 ~どうということもない日々を綴る~  作者: 紫蘭
令和二年(二〇二〇年)八月
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八月二十七日 古いナゲット

八月二十七日 木曜日 晴のち曇 


 午前中から続いていた晴れも昼頃には曇り空になり風が出てきていた。曇り空と風のおかげで幾分か楽に過ごすことが出来たのは有り難かった。ただ今日の大気は不安定で、いつ崩れてもおかしくない天気ということだった。


 夕方に家に着く頃には雷のような音や風の強くなる音が聞こえていた。いつもは部屋の扉を開けて温度調節している冷房も締め切りにしないと不快感が出るような湿度もある。天気が荒れることに少し期待をしていた。


 ちょうど小腹が空いたので取っておいたチキンナゲットを食べた。十五個入りの冷蔵保存していたナゲットを食べた。いま食べなきゃいけない、と必死に食べた。しかし、温めるのは面倒だったので冷たいままで食べてしまったナゲットはあまりに美味しくなかった。もう後は捨てるしか無い状況になっていたナゲットたちを、とにかく作業のように腹に入れていった。


 どれくらい経っただろうか、喉元に異変を感じてきた。こみ上げてくるような、それを押さえつけているような。油にあたったのか食べすぎたのかはわからないがとにかく胸焼けがひどい。身体を休めようと横になっていたがやがて眠ってしまった。


 目が覚めても胸のムカムカはおさまらない。やはりナゲットはできたてカリッとジューシーなのが一番だなと後悔した。あの時はただただ面倒でそのまま食べたが、せめて温めていれば違ったのではないか、腹八分目にしておけば良かったのではないかと後悔もした。そして妻と息子が帰ってきてからも胸焼けは続いていた。


 夕食時も食欲は出ず、食後のデザートも(もったいないので)義務感で食べてしまうこととなってしまった。ちなみにデザートは戴き物の粒の大きなぶどうである。とても悔しい。


 おかげで「腹も身もうち」という諺を身を持って知ることとなる。人生思惑通りにいかないものだが、今日またひとつ賢くなっただけでも良しとしよう。

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