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無為流転 ~どうということもない日々を綴る~  作者: 紫蘭
令和二年(二〇二〇年)九月
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九月十七日 息子を叱る

九月十七日 木曜日 晴 曇り時々雨


 今日は買い物デイ。まだまだ蒸し暑い。涼しくなったと思ったのに歩くと暑く、汗が滴り落ちてくる。これが今年の残暑と言うべきか。そういえば午後から雨と聞いているのでそのせいで蒸しているのかもと思った。


 木曜日といえば練り物。いつもは水曜日に買い物をしているのだが、水曜日が休みなので買えないことが多い練り物屋で嬉々として練り物を買う。きくらげ天、うずら天、ごぼう天、れんこん天。思わず笑みが(こぼ)れる。夕食が楽しみである。


 曇り空で風も出てきている。そろそろ雨も降るのだろうか。スーパーで買い物をした後、デザートにと駅前でアイスモナカを買う。少々高めだが和菓子に使うようなモナカに昔ながらのアイスがスッキリしていて美味しいのだ。


 家に帰ってから小腹用にと野菜スープを作る。玉ねぎ、じゃがいもとベーコンをコンソメスープで煮たものだ。ところが、家に帰ってきた妻に夕食にと接収されてしまう。せっかく小腹が空いた時にと用意したのに残念だ。


 夕食時は我が家ではテレビを付けない。いや、つかないことになっている。息子がテレビに集中しすぎてご飯に全く手を付けないので食事中のテレビは禁止にしたのだ。そして食事が終わるとまず親、次いで息子の番と順番も決まっている。


 夕食も終わり、さてアイスモナカでもと思っていると私が見ている番組、確かバラエティで芸能人が手料理を披露する番組だったろうか、が面白くないらしく、床で本を読みながら「面白くないテレビは見たくない(変えてほしい)」と息子が目も合わさず独り言のように言った。


 今は私達、親の順番である。この後に息子は好きな番組、といっても録画したアニメをだが、が見られるのである。にもかかわらずその言いぐさはない。何か言いたいなら私に直接言えばいい。そうすれば妥協点くらいは探れる。自分の順番でもないのに人が見ている番組を自分は面白くない(から変えろ)、と聞こえるように不服を言うのは筋が通らない、人を腹立たせるぞと叱った。そこまで腹がたったわけではないが、息子が外で同じようなことをして欲しくないのできっちり叱る必要があると思ったのだ。


 息子は半泣き状態で顔も合わせようとしなかったが、寝かしつけのときにはニコニコと寝室に来た。本当にわかっているのか不安だがきっとわかってくれているだろう。

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