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無為流転 ~どうということもない日々を綴る~  作者: 紫蘭
令和二年(二〇二〇年)九月
26/37

九月十六日 すべてあのタクシーが悪い

九月十六日 水曜日 晴


 今日は病院デー。朝から痛風治療のために病院へ向かう。採血もあるので朝食は抜いている。診察ではこの一ヶ月の経過を話し、採血をするという流れ。採血では看護師さんが体調はいかがですかとも聞かれたので「お腹が空いて仕方ないです。」と答えると「そういう方は多いですね。」と笑っていた。


 痛風となって以来、大病院では採血と診察で三時間近くは待たなくてはならず苦痛だった。個人医院では採血結果は当日には出ないので後日結果を聞きにいかなければならないが、さほど待たないで済むので私としては個人医院の方が良い。


 主な話は明後日の採血結果で聞くのですぐ終わり、支払いを済まし外へ出る。家に帰ってもいいが朝食を抜いているのでお腹が空いて仕方がない。近くのコンビニに寄って何か口に出来るものを探そうと向かう。


 コンビニ前の道路に警察が何人かいた。どうも事故があったらしい。それを横目にコンビニに入ると陳列棚がビニールに覆われている。あれ、何か改装中?と思ったがどうも空調らしきものの整備中だったようだ。商品を見たいがビニールで見えないので諦めて外へ出る。


 仕方なく近くのお肉屋さんで肉まんでも買い、頬張りながら帰ろうかと考えた。ところがそこでもまだ肉まんは温まって無いと言われ断念。仕方なく家帰ってから食べようかと常温品を買う。色々とうまく行かないものだ。


 夕方にも病院へ行くのでタクシーを呼んでいたが、これもまた問題ありだった。家に来ない、遠回りする、停車位置も間違える。そして診察も遅れてしまった。


 まず時間になっても家の前にタクシーは来てなかった。少し離れた場所へ探しにいくとタクシーの運転手と思われる人物が周りをキョロキョロしていた。私を見つけると手を振ってきた。一方通行なので戻れないのは理解できるが、そこまで歩いて来いということらしい。


 タクシーに乗り目的地を告げ、この時少し不安はあったが、発車する。目的地を遠回りする道のりだったが、もういろいろと諦めていたので怒りすら出てこなかった。早く到着してほしかったのだ。そして目的地の信号機二つ分くらい手前で止まろうとしたが、もうちょっと進んでくださいと伝えることくらいしか言葉は出なかった。


 結局診察に遅れ、診察も遅れた。今日も息子は機嫌が悪かった。今日の出来事はすべてあのタクシーが悪い。

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