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無為流転 ~どうということもない日々を綴る~  作者: 紫蘭
令和二年(二〇二〇年)九月
24/37

九月十四日 秋の声

九月十四日 月曜日 晴


 朝からかなり涼しくなっていた。昼は暖かいが前日までの気温を考えると段違いだ。台風も来て季節が変わったという実感が出てきている。もう一つくらい台風が来てからだと思っていたが、秋は早めに来ているようだ。


 テレビを付けたら自民党総裁選が行われていてついつい最後まで見てしまった。総裁選開始当初から出来レースと呼ばれていたように趨勢は決していた。見込み通り菅官房長官が自民党総裁に選出されたのである。


 母が顔を出す。また息子と映画に行きたいらしく、それはありがたい話なのだが、いつ、何を見にいくかが問題だ。すぐというわけにもいかない。そんなに簡単に映画にいけると息子に思われるのも困りものだ。


 時期的には冬あたりが良いか、息子が楽しめる作品の冬映画を探すが、良さそうな作品が少ない。ポケモンくらいだろうか。あとは特撮もの(まだ興味すら持っていない)、プリキュア、大人向けっぽいアニメあたりしかない。ひとまずポケモンなら、と母は納得したようだ。


 息子を迎えに妻と待ち合わせをする。先に到着すると、ふと蝉の声が聞こえてきた。そういえば久しぶりに聞いたような気もしたが前はいつ聞いたかも覚えがなかった。不思議だ。毎日聞いていると思っていたのに昨日聞いたかさえも覚えてないのだ。久しぶりかと思われる蝉の声は弱々しく、夕方の紅がかった空色も相俟って何処か寂しさも感じてしまった。もう秋なのだなと思っていると妻が到着した。


 妻が息子を迎えに行っている間、少し離れたところで待つ。息子が私の顔を見ると笑顔になった。こういう顔を見ると嬉しいものだ。ところがテンションが上ったのか住宅街の中を大きな声で話すので注意をしたら「怒った」と泣かれてしまった。顔を合わせてすらくれない。どうしたものか。


 家に帰っても息子は不機嫌なままだった。お風呂に入ってようやく機嫌を直した。スキンシップは大切だ。しかし、夕食時に遊び食べをするので注意した。


 「お母さんが好き」


 息子は妻に甘えだした。その後も要領の得ない話をし、目も座っていき、「横になりたい」と言い出した。きっと季節の変わり目や運動会の練習で疲れて眠たいのだろう。息子も秋仕様になってきたということか。

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