訓練
読んで頂きありがとうございます!
楽しんで頂けると嬉しいです!
今日から魔法の訓練があるらしい。楽しみだ。やっとこの世界らしいことができる。実際にはスキルの精神空間で練習しているためすでに初級魔法ぐらいまで使えるので問題はないが。精神空間はすごいと思う。使うと半径100メートルの円のような所に飛ばされる。その間俺の体は眠っている状態のようだ。そこで俺は魔法の訓練を独学でしていた。独学では限界がある。
この世界の魔法の属性は火 水 風 土 闇 光 が基本となっている。俺は火以外は使えるのだが火に似ている光もあまり使えない。
あと誕生日に魔法剣をもらった。日本刀のような見た目で柄には魔石が埋まっている。それも何となく赤っぽい色をしている。だから余り好きではないが能力自体は問題ない。ああ訓練が始まりそうだ。
「今日は俺が見にきてやっているんだ。早く練習を始めよ。時間がないのだ。」
今日は初めてなこともあって嫌な親父が見にきているようだ。あいつは中庭にいる俺を上から見下ろしている。俺はあいつに対して良い思いをしたことはないと思う。これからもないと思う。
「はい。わかりました。それでは始めましょう。私の名前はカイン・デルタです。一応B級冒険者です。これから貴方の専属教師になるのでよろしくお願いします。これから頑張りましょう!旦那様もよろしくお願いします!」
そう言って前に出てきたのは優しそうな好青年の様な体付きの良い人が出てきた。B級冒険者といっているしそれなりに強い人なのだろう。
この世界には冒険者制度があり、F級からS級まで存在する。その中でB級とは中堅ぐらいだ。S級などは化け物と聞くのでこれぐらいが良い。
「御託はいい。さっさと魔法を使わせろ。もちろん火属性は使えるだろうな。使えないとは言わさんぞ。」
俺は焦る。俺は火属性を使えない。それになんとなくは気づいていた。この家は火属性一家だ。その中で火属性が使えないのはまずいかもしれない。
「では早速火属性の魔法を使ってみましょうか。詠唱するので覚えて真似してください。」
何だと?俺は無詠唱なので詠唱は適当でいい。しかしこれはまずい。考えている間にカインさんは詠唱を始めてしまった。
「我命ずる。燃え上がれ。フレイム。」
そう言うと、カインさんの手の上に小さな火が出来た。俺は気が錯乱してくる。あの日の光景がフラッシュバックしてくる。
「早くやれ。時間がもったいない。出来ないわけがないだろう?」
クソ親父は馬鹿にするように言ってくる。仕方ない。やるしかない。やらなければ行けないんだ。しかしそう思えば思うほどに足が震えて動かなくなる。
「わ、我命ずる。も、燃え上がれ、フレイム…」
必死の思いで詠唱したものの火は出なかった。俺は少し安心した。しかし父が見ているのを思い出した。父を見ると額に青筋を浮かべていた。
「フレイムも使えないだと!?お前はフレイム家の恥さらしではないか!我が家は火属性魔術師の名門なのだぞ!もう良い!馬鹿らしい!俺は帰る!好きにやっておけ!もう顔も見たくない!」
そう言うとクソ親父は出て行った。これはまずいのではないのだろうか?これからが不安になる。俺は追い出されるのか?
「大丈夫だよ。これからなんとでもなるさ。これからよろしくな。俺はアンタは才能があると何となく思っている。あの人がなんと言おうが俺はあんたの味方だ。」
ありがたい。俺は少しどんな人が来るか怯えていたところがある。この人にならスキル等も見せて良さそうだ。
「ありがとうございます。」
「とりあえず火以外の魔法を見せてもらえるかな?」
「はい!わかりました!私の名前はフレイム・シュヴァルツ・ショウと申します。気軽にショウとお呼び下さい。」
「わかった。では早速魔法を見せてもらおうか?ショウ君。君の得意な魔法でいいよ。」
こうして俺の魔法訓練が始まった。今までの俺の成果を見せる時が!
読んで頂きありがとうございます!
下にある星で評価していただけると嬉しいです!
次話も頑張って書きます!