運命 前半
読んで頂きありがとうございます!
少し物語が動き始めます。
目覚めるとそこはベッドの上だった。俺は頭の中を整理する。確か俺は昨日訓練の後、馬車が盗賊に襲われていたからそれを助けたはずだ。ああ。確かあの時の少女は公爵家と言っていた。俺は多分馬車で疲れて寝てしまったんだろう。しかし久しぶりにベッドで寝た気がする。本当は2日ぶりくらいなのだけれど。それ程に濃い時間を送っていると思う。
「ショウ様。お目覚めになられたでしょうか?」
「ああ。ただ今起きたところだ。ここは公爵家の屋敷で間違い無いか?」
「はい。ここはウォード様の屋敷で御座います。ウォード様がよんでおられるので、すぐに食事をとってくださいませ。」
俺はどうやら公爵様に呼ばれているらしい。やはり子供を助けたお礼でも貰えるのだろうか?
……いや、がめつ過ぎるのはよくない。直ぐに食事を終えるとしよう。
食事を終えたことを伝えると、俺は立派な部屋に通された。しかし今公爵様に客が来ておるらしく、俺はこうして別室で待たされている。
「すまない。私の娘の命の恩人よ。少し待たせてしまったようだ。」
少しして公爵様が入ってきた。眼鏡を掛けて少しインテリチックだが良い人そうには見える。そして少し強そうだ。お堅そうだがまあなんとかなるだろう。
俺は大広間に通された。そこはフレイム家にも決して劣っていると思わなかった。深い青を基調としていてさりげなく散りばめられた金がそれを引き締めている。前世でいうところの宇宙みたいなところだ。そして公爵様は玉座のようなところに座った。この世界ではこれは普通なようだ。王への謁見のようになっている。それだけ貴族の位は高いのだろう。俺は面を下げて待っている。
「私の娘の恩人よ。面を上げてくれ。私の名はアトラス・ウォードだ。この度は私の娘のことを救ってくれたことを心より感謝する。シルク!こちらへ来なさい!」
すると俺が助けたあの少女がとてとてと走りながらアトラスの横へ行った。
「ショウさん!あの時はありがとうございました!貴方がいなければ私はここにいなかったと思います!本当にありがとうございました!」
そう少し早口で言った彼女は少し顔を赤らめていた。熱でもあるのだろうか?
「シルクに聞くと君は貴族の家柄らしい。どうか名前を教えてくれないか?」
「はい、私はフレイム辺境伯家の次男、フレイム・シュヴァルツ・ショウと申します。」
そういうと、アトラスは急に不機嫌になった。
「なんだ、フレイム家の者だったのか。残念だ。」
俺は状況を飲み込めない。あのクソ親父はかつて何かやらかしていたのだろうか?
「すみませんが、私はどう言うことなのかわかりません。少し詳しく教えてくれませんか?」
俺はフレイム家の落ちこぼれだ。フレイム家から逃げたいのにこんな所でもフレイムの名が邪魔する。それなら少しフレイム家のことについて知るべきだろう。
「……わかった。教えてやる。実はウォード家と言うのは昔々辺境伯の家柄だった。水のウォードに火のフレイムと言うように。元々両家は権力闘争で争っていた。しかしフレイム家の策略により、我が一族は貴族の座を奪われてしまった。今、私が公爵家なのは私がA級冒険者から公爵家に戻してもらっただけだ。今の王は実力主義なのでな。」
「しかし我が一族郎党はフレイム家を許していない。我が一族はまだ信用されていない。フレイム家はおかしな炎を使う。洗脳効果でもあるのか私たちはそれにはめられた。お主もどうせそうだろう。あの一族にろくなものはいない。」
なんと。そんな事があったのか。俺は知らなかった。確かにあの一族はクズしかいない。しかし俺は炎なんて使える訳が無い。見るだけでも頭が痛くなるのに。しかしこの人は信じないだろう。どうしたものか……
「お父さん!ショウ君は火じゃなくて氷を使ってたよ!それにショウ君はそんなことしないもん!」
シルクが庇ってくれた。俺のために。アトラスは驚いている。そこまで娘に反抗されたことがショックだったのか…
「何?小僧、それは本当なのか?それだとしたら……おい小僧、お前は火が恐いか?それに転生者と言う言葉に覚えは無いか?」
違いました。それにしても何故その事を知っているのだろうか?もしや俺は面倒なことに巻き込まれていないか?神様、何とか言ってくれよ、、
「ああ、本当だ。手頃な氷の魔法でも見せてやる…
「「氷結の鎧!!」」
これも精神空間で身につけた魔法だ。何せ暑い時にこれを使うととてもひんやりする。本来の目的は防御力を上げることなのだが。
「なんてこった……氷魔法をここまで使えるとは…この子は運命の子かも知れない……この時期に生まれると言うことはそう言うことだろう……」
どうやらやはり面倒ごとに巻き込まれたようだ。俺には疫病神でもついているのか?
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