総合評価B ときには、心休まる休息を
作品名 ときには、心休まる休息を
作者様 トド
キャラクター造形力 B+
印象度B共感度B
文章力 B 構成力B+
設定力 B独創力B+
総合評価B
良かった点
メルエーナ バルネア ジェノ ティル リリィ ルーシア それぞれの登場人物に役割があって、無駄がないです。短編なので無駄がなく、キャラが覚えやすいというのはそれだけですごく良いことです。
気になった点
バルネアが諺を言う頻度を落とすといいかもしれません。現状だと頻繁に言いすぎていてありがたみが薄れてしまっています。ここぞというときの決め台詞に使うとより効果的なように感じます。
バルネアの最後のセリフが心の中でつぶやいたと言っているのに「」がついているせいで実際に口に出したようになってしまっている。
総評
この物語の起承転結を考えたとき、
起…リリィとの出会い
承…バルネアの過去
転…ティルとの出会いからの好転
結…ジェノの帰宅
といった具合にとてもきれいにまとまっています。ただ、読み手の心を強く動かすほどの力がないように感じます。ときには、心休まる休息を。というタイトル的にもこの作品自体はこれで作風としてアリな気もしますが、個人的にはガツンと強烈な衝撃を伴うトドさんの作品も読んでみたいと思いました。
以下、作者様コメント
初めまして、トドと申します。
この度、メモリア様から、拙作『ときには、心休まる休息を』の見どころを宣伝する機会を頂きましたので、簡単にですが紹介させて頂きます。
現状に絶望して川に身を投げた少女が、主人公であるバルネアに出会うところから、このお話は始まります。
自警団の少年が助けてくれたため、なんとか一命は取り留めた少女ですが、ずぶ濡れの格好のまま、衆目の目に晒されることになっていました。
そのことに腹を立てた、おせっかい焼きのバルネア達に連れられて言った先は彼女達の家。その家で、お風呂で体を温めてもらい、美味しいスープ等をご馳走になります。
そして、少女は知るのです。目の前のバルネアという女性が、この国でも名の知れ渡った凄腕の料理人で有ることを。
バルネアに、夕食も食べていってほしいとまで言われ、少女は戸惑い、それを遠慮しようとしましたが、彼女は気にしないように言い、少女に、過去の自分を見ているようで放っておけないのだと告げるのです。
そして、バルネアは少女に、過去の自分の話を聞かせます。
それは、決してドラマチックではない、他愛もない昔話。
けれど、それは少女に大きな影響を与えることになるのです。
辛いとき。苦しいとき、悲しいとき。
心身ともに苦しくて、それでも頑張らないといけないときもあります。
ですが、ほんの少し立ち止まってみると、一歩後ろに下がって見ると、目の前の景色が変わって見えることもあると思います。
この話は、分かっているようで、ついつい見逃してしまいがちな、そんな事柄を主題にした話です。
メモリア様が総評で書かれているように、けっして読んで下さる方の心を強く動かす事のできる話では有りません。
けれど、読んでくださる方の心に僅かでも何かを残せれば、という気持ちで書いた作品ですので、読んだ後に気分が悪くなる話ではないと思います。
以下、メモリアの感想
短編としての構成を学ぶにはとても良い作品だと思います。登場人物それぞれに役割があって、そしてその役割をするために生み出された登場人物という印象を抱かせずに、生きたキャラクターが描かれていて、とても好感が持てました。
ときには、心休まる休息を https://ncode.syosetu.com/n0683cx/