表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

総合評価B+ 世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い

作品名:世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い

 作者様:青季 ふゆ 

 評価項目

 キャラクター造形力 B+

 米倉 透とおる主人公、凛のことが10年前から好きらしいが、告白できない理由がある様子。

 浅倉 凛りん毒舌ツンデレ幼馴染。2話時点だと出てきたばかりで主人公の小説の熱狂的なファンであるニラだと予想される。

 米倉 花恋かれん妹 石川君はちょっとお家に来てください。


 基本的に問題ありません。キャラクターの会話に違和感を覚える部分もなく、生きています。ただ、これ以上の評価に持っていくためには、メインの登場キャラクターを増やして、そのキャラたちの関係性とかを複雑に描きつつ、それを綺麗に物語に落とし込むといった技術が必要になってくると思います。現状、悪くない、良い方だというのは間違いないですが、登場するメインキャラの人数が2人しかいないので、どうしてもコンパクトに纏まっているという評価になってしまうと思います。


 印象度 B+

 甘すぎる印象が強くて、印象には残ります。ひたすらに甘い。ただ、この作品の特徴である甘々なストーリーと、現状のファンタジーばかりが書籍化されやすいという事に対する作者からの訴えが若干喧嘩してしまっている気もします。一番伝えたいことはどれなのか、きちんと順位付けをして、それに応じた読み手への印象付けができるともっと良くなると思います。


 共感度 B+

 あぁ、わかるなぁ。といった理解できるというレベルの共感は得られやすいと思いますが、心の底から感情移入して共感できるのは一度でも小説を書いたことのある人間が殆どだと思うので、その他読み専の方も共感しやすいエピソードが欲しいと思います。




 文章力 B+

 読みやすく、わかりやすい、ネット上できちんと書き方を勉強されている人が書いた書き方だと思います。


 構成力 B+

 そろそろ凛側の視点が欲しいなと思ったところで回想を使って過去の凛視点を入れたり、起承転結に関しても問題ないレベルです。欲を言えば透視点の後に凛の回想視点が入って、入る前の位置に来たら透視点に戻るのではなく、もうちょっとだけ凛視点で話を進めてみると面白かったかなと思いました。


 設定力 A-

 作中で凛が分析している通り、作者様もきちんと読まれやすくする工夫が随所に見られていてとても良いです。


 独創力 B

 甘々なストーリーでWEB小説家という主人公。悪くは無いけれど、確固たる独自の世界観を築いて自分のものにできているのかと言われると若干弱い気がします。かなりきついけど、伝わりやすい言い方をしてしまえば、ネット上で知識を付けた人がその技術を実践している段階に見えます。ただ、現実恋愛というジャンルだと、ジャンルの特性として確固たるオリジナリティを出す難易度がかなり高いと思っていて、今後の課題だと思います。甘々なストーリーにどういうオリジナル要素を足して作品として完成させるのかが重要だと思います。

 

 総合評価:B+





 良い点

 毒舌からのデレがでるのが1話目に来ていて、タイトル通りで読者を裏切らないというのが凄く良いと思いました。ただモテているだけというよりもツンデレ幼馴染にすることによって、タイトル通り可愛い幼馴染とのイチャイチャを見に来た読者に、更にアクセントを与える結果になっていると思います。


 主人公を商業作家とするのではなく、WEB小説に投稿している小説家志望の男の子にすることで、WEB小説を見に来るWEB小説作家陣も感情移入をしやすくなっており、特に10話で主人公の原稿が初めて読まれて「面白い」言われ、次に「続きは、ないのですか?」と聞かれたところ。ここが凄く良くて、お世辞で面白いという言葉は出てきても、続きはないか?という言葉は本当に面白いと感じていないと中々出てこない言葉なので、一度でも小説を書いたことがある人の心には響くのではないでしょうか。


 幼馴染ですから。からの、世界一のファンなんですから。という今まで良く使っていたセリフが重要な場面で見せ場のセリフとして使われるのはとても良いです。

 気になったこと

 1話

 中学、高校と、その右肩上がりの成長を間近で見てきた俺としては尊敬の念を感じると同時に、遠い所にいってしまったなあとちょっとだけ寂しい気持ちである。

 →赤字部分ですが、どこに読点を打つかによってニュアンスが大きく変わる気がして、

 例えば

 遠い所にいってしまったな、あとちょっとだけ寂しい気持ちである。

 遠い所にいってしまったなあ、とちょっとだけ寂しい気持ちである。

  遠い所にいってしまったなあと、ちょっとだけ寂しい気持ちである。

 一つ目が結構あっさりした印象を受けるのに対し、2つ目3つ目と徐々にしんみりとした印象を受けやすくなっています。こういった、読点の位置で意味が変わる文には読点を入れて作者が受け取ってほしい印象を明示できると良いと思います。

 それは別に、俺が特殊な被虐趣味を持っているわけではなく……凛の毒舌にはちゃんとした理由があることを、幼馴染の俺が知っているからだ。

 →が ではなく は にしてみると、俺だけは知っている。特別といったニュアンスも含まれてくるので、その後の文とつながってもっと良くなりそうだなと思いました。


 どうしてこうなったと、心の中で呟き、経緯を回想する。

 きっかけは、少しだけ遡る。

 →1話のラストの部分ですが、赤字部分、経緯を回想する、少しだけ遡る。という2つの部分がある事によって、あ、回想来るけど、ちょっとだけなんだ。と読み手か認識する可能性が高いと思いますが、このシーンに戻ってくることはありません。この場合、もしかしたら赤字部分を無くしてしまって、

 どうしてこうなった――

 で締めて、2話からしれっと時間を撒き戻して本編を始めることによって、そこをあまり気にさせないという書き方になるのかもしれないと思いました。その場合、2話の頭で若干の工夫をして回想に入っているというフォローの表現が欲しいとは思います。


 11話

 ニラトーストをブラックコーヒーと共に堪能していると、花恋が「うへぇ」的な表情を浮かべていた。

 →ナチュラルにニラトーストと書いてあっていやいやいやおかしいでしょなんだその食べ物は!と思って検索したら普通にレシピが出てきて驚きました。そんなことは置いておいて……透がニラを好きだという事はそこそこ重要事柄なので、どこかで“好物の”といった表現を入れてちょっとアピールをしておくのもアリなのかなと思いました。インパクトのある食べ物で、妹もうへぇと言っているので、地の文で少しは触れてもいいのかなと。



 12話

 疚しい ルビが欲しいです。


 20話

 「ちがわい! たけのこ! たけのこだよ、だけのこ!」

 最後だけ、だけのこになっているのは意図的なのか誤字なのか。感極まって濁音が付いたと言われても納得できるので一応の報告だけ。もし感極まってそうなっているのであれば凛に突っ込ませたりすると意図的なものであると分かって親切かもしれません。


 24話

 忖度 一応ルビを振っておいた方が良いと思います。





 25話

 嬉しみが溢れんばかりの笑顔。 嬉しみの感情に染まっていると。 羞恥、気まずさ、嬉しみ、心細さ、申し訳なさ。

 →嬉しみはネットスラングなのでそういうキャラではない透の地の文で使うのはお勧めしないです。


 36話

 キーワドタグ。

 →脱字 キーワードタグ


 そんなので、一日に何十、何百と新規で投稿される『食おうぜ!』から一頭抜き出ようなど、甘いにもほどがあったのだ。

 →恐らく一頭地を抜くと言いたい……?意味は伝わるけれど厳密には間違っているような気もするので、一度作者様も調べてどういった表現にするのかを考えてみても良いと思います。私であれば、透は一頭地を抜くといった固い表現を使うキャラではないと感じているので、抜きんでてランキングに載ろうなどと、甘いにもほどがあったのだ。くらいの表現に留めると思います。


 潰れたかえるのような声をあげてしまう俺。

 →ひらがなが続いている部分なので、前後のひらがなに埋もれないように、カタカナか漢字にしても良いと思います。37話で井の中の蛙と書いているので漢字に統一してみると主人公=蛙という認識を読み手にすり込めて37話の井の中の蛙が映えるかもしれません。


 37話

 その拗らせを、ポジティブな方向に向かそうとしていた。

 →シーン的に沈んだ中から頑張ろうとしているところなので、若者言葉を入れると白けてしまう可能性がある為、向かせようとしていた。ときちんとした日本語を使ってみるのもアリかと思います。


 42話

 憐憫 ルビが欲しいです。

 「マゾですか!? どマゾなんですね気持ち悪い!!」

 →このシーンで登場セリフがこれで終わると、余韻があまりシーンのしんみりした雰囲気と合わない気がするので、この後に更に「気持ち悪い……ですよ」といった感じで、流れを受け継ぎつつ、最終的なシーンの雰囲気をセリフで表現することによって、読み手がより余韻を噛みしめやすくなると思います。


 43話

 耽って ルビが欲しいです。

 44話

 ホットフレート 誤字 ホットプレート

 ホットプレートという比喩表現。今までの甘いものに例える比喩表現は作品のテーマに沿ったもので必要だと思いますが、この表現はこのシリアスな展開においては若干水を差している気がしました。比喩表現は効果的な場所を選んで使えると良いと思います。


 47話

 なにがどう安直なのかは、想像にお任せします。

 →いきなり読み手に地の文で話しかけるというメタ展開になっていますが、ジャンルがギャグもの以外であれば基本的に入れない方が、読み手は感情移入しやすいと思います。読み手が作品に入り込むと、作品という認識から、誰かの人生を見ているような感覚になりますが、それをこの一文が入ることによってあくまで作品なのだと認識させてしまう可能性があります。


 48話

 溌剌 ルビが欲しいです。


 総評

 基本的には問題なく、マイナス点の少ない本当に良い作品だと思います。

 どうすれば読まれやすくなるのか、という視点は作中でも語られていた通り、作者様も理解していらっしゃると思うので、作者様がヒアリング時に仰っていた書籍化を目指すのであれば、次の段階、出版社はどういう作品に書籍化の声をかけたいかという視点で考えて物語を執筆する段階なのかなと思います。

 なろうの総合評価ポイント、ブックマーク数から、書籍化される下地はもう持っていると思います。後は確固たるオリジナリティを持った、書籍化を意識した作品を書くだけだと私は思います。応援しています。




 以下、作者様コメント


 今作はどんなお話なのん?


 という問いに対する答えはあらすじを読んで頂ければあらかた把握できるかと思いますので、ここではあらすじに書かれていない側面にさらりと触れておきます!


 今作のストーリーは二軸あります。


 ひとつは凛とした美少女で、ちょっとだけ毒舌な、気心の知れた間柄である幼馴染が、あるきっかけからグイグイ迫ってくるというイチャイチャラブコメ。

 これはあらすじに書いてる通り、噓偽りナッシング!


 そしてもうひとつは、小説投稿サイトで小説家を目指す少年が、夢に向かって努力し、挫折し、乗り越えるという熱い青春の物語。

 むしろこっちが本題ですね!


 上記ふたつの軸があわさって、ただ甘いだけじゃない、深みのある作品に仕上げることができました。


 本作はあまあまなラブコメであると同時に、ネットに小説を投稿している皆さまへのエールでもあります。


 小説家になろうと頑張る人たちへ。

 あるいは、小説家になりたかった人たちへ。


 この物語を届けることができれば、この上なく幸せです。


『ラノベ作家を目指す主人公』×『ちょっぴり口が厳しい幼馴染』の織り成す、甘くて甘くて熱い青春ラブコメディ。


 ぜひ、ご一読ください!



 ↑ここまでが客観的評価と作者様コメント

 ↓ここからが主観的感想等



 糖尿病待ったなし!!!!


 それくらい甘い物語です。物語の質に関しても評価項目のとおり、総じて平均以上のとても良い出来になっていて、甘い恋愛物を読みたい方には是非お勧めできる作品となっています。


 私がこの作品で特に好きなのは期待を裏切らないところです。タイトル通り、幼馴染との甘々な作品で、初めから幼馴染と結ばれることが約束されている作品で、とても安心しながら読めます。


 ただ、ちょっと惜しい部分があって、期待を裏切らないというのは展開にも言えて、あえて悪く言えば、展開が読めてしまう事です。そして想像を超える良い意味での予想外の展開になることがないのが惜しいです。


 が、それ踏まえた上で、読みやすく、気軽に読める内容となっていて、甘い恋愛要素が好きな方は読んでみて損はないと思える出来になっています。


 なんといっても凛ちゃんが可愛いしね。


 最後に、石川君はちょっとお話があるので私のところに来てください。




 それでは、この辺で。またね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ