俺の日常
(カラカラカラ)玄関の、扉を静かに開け、彼は晴れ渡る空を見上げ深呼吸すると、原付の鍵を仕舞い駅まで歩き始めた。
(俺は高校2年生平凡な日常とつまらない片思いを楽しんでいる。)
改札を、出てごった返す中聞こえてきた「〇〇ちゃんおはよぉー」と言う照れくさそうな声。
俺は、振り返り「うん」と何気なく返す。そして今日も、彼女は満足そうに微笑んで、他の友達と先へ歩いて行った。
彼は、また寂しそうに彼女の満足そうな顔をを目で追っていく。
(彼女の事は、1年の頃から好きで、彼女もその事を知っているが、俺はまだ気持ちを伝えていない、そしてこれからも伝える事は無いだろう。)
(彼女とは人種も宗教も違う、それにこれ以上の関係になる事を彼女は望んでいないかもしれない、などのこの頃は思っている。)
「なにぼっとしてんだ?」
「なんだよ大島。」彼は面倒くさそうに返事をした。
「今日学校流しあるんだろ?」大島は楽しそうに聞いて来た。
「うん昼休みに来るってよ」
(うちの学校は田舎にあるため未だに学校の前で直管の音が鳴り響く事がある。)
(キーンコーンカーンコーン)4時間目が、終わり昼休みになると、一斉に男子は窓際でスマホを構え始めた。
(バーブゥ〜バーーーブゥ〜、バァンババァンババァンバァン、バァーーーブゥ〜)
何も、無かった空間が一気に振動し着ているワイシャツを震わせた。
(すぐに学年主任が飛んで行くのが見えた。)
「うっさ!」
「バブ1台だけでよくやるな!」男子は皆夢中になった。
(学校の前を3回程走ると去っていった。15分程すると、パトカーが来るのでそれをやり過ごすためだ。)
「やっぱりバブの音スゲーな!」大島は、興奮気味に話しかけて来た。
「音がズバ抜けてうるさいわ!」彼はホークの音に驚愕していた。
「帰りに駅前で乗ってみようかな〜」彼は楽しそうに言った。
(学校流しのある日は、帰りに駅前で集まるのだ。)
(ウーウー)パトカーの、サイレンが小さく聞こえてきた頃にはもう単車の姿は無い。
「あははは!」無邪気に笑いながら彼女が教室の前を歩いていった。
「お前好きなら告れよ」大島は不満そうに言った。
「好きだけどさ〜、そうじゃないんだよ」彼は照れくさそうに話し始めた。
「もう、好きだって知っててくれてれば良いかな〜って。」
「何でだよ」大島は不思議そうに苦笑いした。
「ほら、数学の準備するぞ!」彼は、恥ずかしそうに急いで準備を始めた。
(キーンコーンカーンコーン)