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葬儀屋の美死論  作者: 気変 ユウユウ
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巷の噂

このご時世、新たな人間の生態が解明された。


――死春期(ししゅんき)


それは、絶望に屈した少年少女が陥る、死へ誘われる時期。

自殺を図る未成年たちは年を重ねるごとに増していき、もはや手のつけようがなかった。

しかし、ある瞬間を境に、未成年自殺者が少しずつ減少するようになった。

同時に、死春期に陥った少年少女が口をそろえてこう言った。



――死春期になっても、葬儀屋さんが迎えに来てくれるんですよ。



――死にたくなったら、葬儀屋さんのところに行けば殺してくれるんです。



――どうしようもない人生を、葬儀屋さんが買い取ってくれるんですよ。



――死ぬことを条件に、葬儀屋さんがどんな願いも叶えてくれるって。



「――……あらあら、これは可愛らしいお客さんだこと」

読書をしていた店主がこちらに向かって来て、手を差し出す。

「ご来店、ありがとうございます。招待券のご提示を、お願いいたします」

客が黒い手紙を差し出し、店主は満足そうに、こう言った。



「それでは――最も美しい死を、ご提供いたします」


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